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常識のない喫茶店を読んだ感想

僕のマリさんという方が著者の『常識のない喫茶店』というエッセイを読破。
エッセイには子供の頃から親しみがある。
大槻ケンヂ、中島らも、原田宗典、さくらももこ、林真理子…
数え上げればキリはないが
特に原田宗典なんかは子供心にヒットしてゲラゲラ笑いころげた記憶すらある。

この本を手に取ったきっかけをまず先に書くと
三鷹にあるunite(ユニテ)という本屋が新規オープンしてSNSやyoutubeにて紹介していたから。
SNSやyoutubeに積極的な姿勢は現代を反映しているもののuniteの内装は少し装いのベクトルが違う。
オーセンティックなバーよろしく、アンティークな照明におしゃれな図書館を思わせるような素敵な空間が広がっていた。誰しもが懐かしさを覚えるしディスプレイへのこだわりがすごい。
ぜひこの記事を読んだ皆様は行ってみてほしい。
ちなみに本を購入した方のみ店内でコーヒーが飲める。

閑話休題。
さて、今回の『常識のない喫茶店』だが、なんとも澄ました可愛らしい女性がおじさんの頭にコーヒーをかける痛烈なシーンを表紙に描いている。
内容はどんなものだろう?

主人公は著者その人で、ある街の独特な喫茶店で働いている。
そしてお店に来店する様々な常連の話や事件があっけらかんとした明るさのある文体と心地よいテンポで進行していく。
各話のタイトルも “妖怪在庫荒らし” や “出禁です” などなんとも刺激的なラインナップ。
同僚やマスターにバレたら大変なのでは?
と余計な心配をしてしまうほどだ。
これらの掴みバッチリなタイトル群、見掛け倒しではなくたいへん中身もぎっしり詰まっている。

一貫して描かれているのは、ここはあくまでお店。ルールや風紀を乱す人はだめ!だめなものはだめ!出禁です!
という強い意志と個性豊かなキャラクター達である。
店員達はおしなべてマスターを変人扱いまでしているし、ネットリテラシーへの言及も容赦がない。

大槻ケンヂが “面白い本は美味しいご飯のようにサクサクと読める”
と確か自身のエッセイで書いていた気がするが、まさにこの本も美味しいご飯のようにサクサクすすむ逸品だ。
なんなら沢山の魅力あるタイトルが並んでいるのでコーヒー、パスタやトースト、そしてデザートのフルコース!しかし読後感が満腹になってもまた行きたくなる…
もしかしたら常連化してしまうかもしれない。
そんな怪しさを孕んでいるのでもし続編が出るなら即買いするだろう。

この本を読むため、あるいは読んだ後に喫茶店へ赴くとより味わい深いコーヒーを楽しめるに違いない。

本日のおススメは
僕のマリ 『常識のない喫茶店』
になります。

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