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これからの広告代理店の存在意義

社会人になってから6年が経とうとしていますが、これまで何人もの広告業界を志望する就活生のOB訪問を継続して受けてきました。

OB訪問を受けると、就活生だったときの気持ちを思い出し、あの頃憧れていた業界で働いていることを噛み締めて、また会社の業務を頑張ろうと思えるメリットがあります。

それはさておき、最近「今後の総合広告代理店はどうなりますか?」と学生から聞かれることがとても増えました。

今までも、デジタル化が進んでいたとはいえ、まだまだテレビのマスメディアとしての影響力が強かった部分が多分にあったのですが、近年Web広告費がテレビの広告費を抜くなど、いよいよWeb広告が本格的にメインストリームの時代になったんだなと感じています。

そんななかでWeb専門の広告代理店ではない、総合広告代理店の未来はどうなっていくのか。学生の皆さんもとても気になっているんだと思います。

答えのない質問ではありますが、Web広告はものすごく可視化されてしまう数値との闘いであったりします。つまり、投下したクリエーティブ表現(バナー、動画など)や広告予算に対して、どれだけのビューやクリックが獲得できたか等。つまり、いかに実績に基づいて理論的に組み立てられたクリエーティブやメディアなどで広告を展開するかがコストに対しての効率の良さを決めてくるわけです。だから、必然的にユーザーからしてみると、こんな広告に出会ったことはない!というイレギュラーは起こりづらくなります。よって、夏前シーズンの女子大生であれば、脱毛サロンの広告が表示されまくることになるわけです。そして、この傾向は今後AI化によって、クリエーティブなどがAIで作られたり、ターゲティングの性能がより個人を特定した形で進むと更に加速するかと思います。つまり、偶発性が奪われる。

Google検索でもそうなのですが、自分の興味のあることについては、ひたすら問いを深めることができます。でも、自分が設定した問いがなければ検索結果は表示されないわけで、偶発的な発見や出会いは生まれづらいと思います。

でもきっと毎日大好物だけを食べ続けると、どんなに美味しくても飽きがやってきて、自分のまだ知らない食べ物を探したくなるはず。そこに総合広告代理店の存在意義は出てくると思っています。