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【まとめ】豊臣秀吉の広告をまとめてみたら、意外な人たちと繋がった。

こんにちはRYUです。先週の大河ドラマ「麒麟がくる」第2話見ました?斎藤道三が婿である土岐頼純を毒殺!する場面では、本木雅弘さんと矢野聖人さんが鬼気迫る演技を見せてくれましたね。サントリー「伊右衛門」のCMキャラクターである本木さんが抹茶で毒殺してしまったので、SNS上がこの話題で盛り上がる・・・という一幕もありました。沢尻さんの降板でドタバタだった本作ですが、これは次回以降も期待できそうだなと思います。

さて、名古屋を本拠とするアドパブリシティは「織田推し」なので、第2話OA前には「織田信長の広告まとめ」記事をUPして、織田軍を応援してみました。先週の記事はこちら。

だったら順序として、次はこの方をまとめるべきだろう・・・ということで、戦国時代を制した「豊臣秀吉」の広告について、今回はまとめてみたいと思います。

ではまず、名古屋の地下鉄やバスで現在も掲出されている、名古屋市交通局のマナーポスターから逝ってみましょう。

先週の信長のマナーポスターと同じシリーズなんですが、よく知られている「泣かぬなら・・・ホトトギス」の俳句をアレンジして、歩きスマホをやめるよう訴求しています。

「ダチかんわあ」は「話にならない」の意味。誰からかなも?」は「誰からの(着信)かな?」の意味なんですが、どちらも古い言葉で、地元でも現在はあまり使われません。とはいえ豊臣秀吉は愛知県出身なので、生前は本当にこんな言葉を発していたかもです。

なお秀吉が登場するグラフィックの広告は意外に少なかったので、今回は的を広げて映画の宣伝ポスターもピックアップしてみました。SP媒体ですし。

こちらは2017年の映画で、野村萬斎さんが演じる生花の名手、池坊専好が主人公です。豊臣秀吉役は市川猿之助さんでした。秀吉は茶の湯を愛したことで知られ、千利休との関係はよく映画化されてきましたが、生花にまで繋げたストーリーは初めてではないかと思います。当時は茶の湯・能・狂言と並んで華道が始まった時代で、華道の精神を説いたパイオニアである池坊専応、全国を行脚して立花の普及に寄与した池坊専栄に続いて、「池坊」を継承したのが池坊専好(初代)とのことです。

さて、お次は司馬遼太郎さんの原作を2017年に映画化したこちらの作品。主役は「軍師 官兵衛」のイメージが強い岡田准一さん演じる石田三成で、秀吉は脇役の設定です。演じているのは滝藤賢一さん。そしてこの映画、いま話題のこの方!が出演していました。

小早川秀秋を演じた東出さん!

小早川秀秋は、関ヶ原の合戦で、西軍から東軍に寝返った武将なんです。「プライべートでも寝返りキャラだった」ことが報道されてしまいましたが、思わぬところに繋がってしまいました。

では、テレビCMに逝ってみましょう。最初は保険会社のCMです。

保険会社の営業マンである大泉洋さんと芳根京子さんが、大坂城の合戦に備えて火災保険を勧める!という、かなり大胆な設定になっています。「今夜火事になりますよ!」なんてセリフから始まるのですが、こんなこと、間違っても保険の契約者には言えませんね。ちなみに史実では、大坂冬の陣・夏の陣の前に秀吉は亡くなっています。

面白いのは、このCMに登場する秀吉が強い名古屋弁であること。「火事なんてなりゃーすかね?」(=火事になんて、なるもんかね?)なんてセリフが出てきます。愛知県出身であることを尊重して制作頂けるお気遣いは、地元としてやはり嬉しいです。

次は、賃貸住宅サービスのCMを見てみましょう。

秀吉を演じるのは、在りし日の津川雅彦さん。千利休と茶室で話すシーンなんですが、茶室が狭いことを利用して「もっと広い部屋を探そう」というのが落としどころになっています。貫禄がありながらもユーモラスな、津川さんのキャラクターを忍べる作品になっています。ちなみにもちょっと調べてみると・・・

津川さんは「徳川俳優」でした。

長い俳優キャリアの中で、「家康・綱吉・慶喜」の3将軍を演じているそうです。また、「信長・秀吉・家康」の3英傑も演じており、

サッカーで言えば、ハットトリックを2回達成!

・・・するより大きな実績です。2018年の4月に奥さんの朝丘雪路さんが亡くなった後、後を追うように4か月後に亡くなった津川さん。ご冥福をお祈りします。

さて続いては、モバゲーの2012年のCMです。あの平原綾香さんが挿入歌「IF 秀吉」を歌っているので聞いてみてくださいね。 ※「IF 謙信」の後です。

【歌詞】 「もしあなたが、秀吉だったら・・・草履なんて温めない!思い出を履き違えるだけ~♪」

歌詞もウイットが効いてますが、すごい歌唱力なので、CMとして必要とされる以上にドラマチックに聞こえてしまいます。ちなみにその後の、「私をサルと呼ばないで~♫」(コーラス)Don`t call me Saru ~♫ の部分で吹きました(笑)。

「秀吉の広告まとめ」本編の最後は、トヨタ・クラウンのローンチCMです。

ジャン・レノがドラえもんで、ビートたけしが秀吉!という無茶な設定になっています。「信長広告まとめ」でも紹介した企業ブランドCM「ReBORN」のバリエーションなんですが、キャストも撮影もお金が掛かってますね。こちらのCMも2012年の制作で、思えば震災の翌年です。広告の自主規制がやっと解禁になった頃なので、明るい未来を感じさせるため?力作CMが多かったように思います。

ちなみに手前味噌ですが、私も旅行会社の広告宣伝担当として出向していた2012年に、こんなCMを制作しました。覚えてる人います? 震災1年後だったこともあり、家族の絆を重視した「家族旅行」と、デスティネーションとしてのハワイがテーマでした。実は2本目の素材は「私と娘の実話」が企画の元ネタだったんです。未だに娘には話していないのですが(笑)。

さて、ラストは秀吉ではないのですが、掘り出し物のCMがあったので紹介したいと思います。関ヶ原の合戦で、最後まで豊臣側に忠誠を尽くして戦った「石田三成」をテーマとした滋賀県のCMです。

家康の「東軍」に負けたことで悪役にされがちな石田三成ですが、地元の滋賀県では以前から、「優れた領主」として知られています。

「東軍の色メガネを外してみてごらん♫」

・・と、明るく訴えるあたりは圧巻です(笑)。地元で善政を行った史実や温厚だった人柄、算術などに長けていた能力を矢継ぎ早に訴求していますが、広告の仕事に長年携わる身としては

よくこんなに多くのCMを作ったな!

・・という事実にまず驚きました。滋賀県民の皆さんの並々ならぬ「石田三成愛」が伝わってきます。確かに歴史的に見ても「勝てば官軍」になるのが常で、負けた方は悪役として描かれることが多いですよね。今後「麒麟がくる」に登場する石田三成にも、ぜひ注目してみたいと思います。

【まとめ】

そんなわけで、信長と比較すると秀吉の広告は事例がやや少なかったんですが、池坊さん、津川さん、東出さん、平原さん、ジャン・レノさんなど、思わぬ方々に繋がりました。また、滋賀県民の方の「石田三成愛」や、私の親子愛?にも、図らずして繋がってしまいました。ありがとう秀吉さん(笑)。では、週末の「麒麟がくる」OAを楽しみにしたいと思います。ではまた~ (RYU)

※「本能寺の変」の後、1584年に秀吉と徳川家康・織田信長の次男・信雄の間で「小牧・長久手の戦い」が始まったのですが、この時に秀吉が入城した犬山城を訪問してきました。1537年の築城以来、戦乱や太平洋戦争の戦災を逃れて奇跡的に残った「現存する最古の天守閣」だそうです。名古屋駅から名鉄か車で30分程度なので、興味ある方はぜひ行ってみてください!