SNS・D2C・DXで変わるストーリーの表現~2020夏の読書感想文~


アドパブリシティより残暑お見舞い申し上げます。


こんにちは。アドパブリシティ特派員のツボツボです。暦の上では「立秋」ですが、まだまだ残暑が厳しいですね。くれぐれもこまめな水分補給は忘れずに、体調管理には気を付けたいものです。

今年はコロナ渦で子どもたちの夏休みが短かったりと変則的だったところもあるかと思いますが、8月末の風物詩と言えば夏休みの宿題終わらせたか問題です。

8月30日日曜のサザエさんも「宿題ラストスパート」という回が予定されており、例年通りカツオの宿題は残暑よろしくたっぷり残っていそうな予感が満載です。

夏の読書感想文書いてみた。


そんな夏休みの宿題にちなんで、今回はSNS運用に役立つ本の読書感想文を書いてみます。これを書いているのが8月29日なので、すでにカツオ状態です笑。しかも今回は3冊+αで計4冊を紹介します。

感想文なのであくまで個人の見解ですが、選んだ理由と印象に残ったフレーズを書き出してみると自身でも意外な発見があったりします。気になった方は是非書店で手にとってみたり、Amazonでポチっとしてみてください。そして自分なりの感想文をnoteでまとめてみると新たなアイデアが生まれるかもしれません。

ではアドパブリシティが紹介するおススメ図書に参ります。

1.自由すぎる公式SNS「中の人」が明かす 企業ファンのつくり方


公式中のひと


SNS運用を語る上で切っても切り離せないのが「中の人」の存在。皆さんもこの本に掲載されているアイコンをフォローしている、またはファンの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

私自身も公式SNSの「中の人」を担当していたのですが、その運用は日々葛藤の連続です。企業内でも「中の人」として任せてもらっているからこそ失敗は許されないというプレッシャーがあります。

不祥事や事故が起きた際にお詫び投稿をした時も投稿のEnterボタンを押すときに手が震えたのを覚えています。(幸いにも私が担当時にSNS投稿における炎上は起きませんでした)

文中でもこの本を出版した理由が書かれています。

ゆるく見える投稿の裏側で、「中の人」がどれだけ真摯に真剣に、そして真面目にファンと向き合っているのか、伝えたいと考えたからです。

企業が一方的に言いたい情報をただ伝えるのではなく、ファンがどういう投稿をしたら喜んでくれるか(ツッコミを入れてくれるか)、SNSこそ接客の基本が詰まっているとも言えます(接客という言葉は実際に「中の人」セミナーでも聞いた言葉です)。

以下「中の人」が語っている実際の言葉です。

セガ公式アカウントも読者と向き合って一緒に作り上げる壁新聞のようにしたいです。
「中の人」ではなく、お客さんのすぐ近くにいる「そばの人」という感覚でコミュケーションを取るのがいいのではないかと考えています。(”手羽”こと東急ハンズの「中の人」)
企業の運用担当者が世間に浸透していくと、Youtuberのように「将来なりたい職業ランキング」に上がる日もそう遠くないのではって。(キングジムの「中の人」)
無料でできるABテストを毎日やっているんだと割り切って、以下略(井村屋「中の人」)
「何がウケるか?」と考え込んでいても何も始まりません。本当に好きで熱く語れるモノ・コトをツイートすることで、それを共有できるフォロワーさんとの距離感が一気に縮まります。(タニタ「中の人」)

私がこの言葉を選んだのは、実際に手を動かしたひとの生身のオリジナルだからです。その言葉はファンが求める企業の未来のあるべき姿のヒントになっているはずです。

マーケティング・ブランディング・プロモーションすべての垣根を超えたコミュケーションの財産がSNSには詰まっている。私はそう断言しても過言ではないと思っています。

好きな企業公式SNSがこの本にあれば是非読んでみてください。ビジネスに限らず、好きの本質を知る人生のヒントが隠れているかもしれません。


2.シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略


シェアする美術


キャラクター化されている人気公式Twitterの運用も属人化などといったリスクがあります。公式同士が会話をするのも特殊で決してマネができる運用ではありません。(著書より)

冒頭に紹介する文が、先に紹介した本の否定(?)から入るのもアレですが、森美術館 SNS担当「中の人」の哲学が込められた一冊です。

SNS運用は他の模倣ではなく、独自のオリジナルを築き上げなくてはいけません。(立ち上げ当初に参考にするのはありですが)。なのでSNS運用は「刈り取り」ではなく「収穫」を目指す農耕作業とも例えられます。

顧客を囲い込むといった発想よりも今後は顧客を育てていくというコミュケーション形態にシフトしていくべきとも言えます。

ファンを作る、育てるのであれば手間暇をかける。何かの2番煎じやパクリはすぐにバレてしまいます。なので目指すべき姿も自身の目と手を動かすことで見つけるしかないのです。


著作権という大きなハードルがある美術業界に  #シェアする美術 として一石を投じたことで、新たな突破口を作った森美術館。海外のメトロポリタン美術館ではすでに「あつもり」(あつまれ、どうぶつの森)とコラボをしたりとコロナ渦と相まって美術鑑賞のニューノーマル(新常態)に移行、ファンのニーズを把握しておかないとどの業界に限らず致命傷を負うかもしれません。

SNSが通用する・しない業界・商材はないと断言してもいい。むしろうちではSNSは無理と決めつけるのは、顧客とのコミュケーションから逃げていると捉えられかねません。SNSの重要性について担当者(著者)はこう語っています。

SNS担当者は「外」だけでなく「内」にも発信していく義務があると思っています。SNSマーケティングの重要性が理解されず、「じゃあ、やらなくていいか」となれば、会社にとって大きな損失です。(著書より)

SNSがなかなか浸透しない、上を説得できないといった問題は未だにあると思いますが、社内説得してくれる味方をつくり、コミュケーションを続け、育てていく。これはファンとの会話に限らず、伝える努力を続けない限りは解決しない課題なのです。  


3.D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略 

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次の読書感想文はファンとのコミュケーションから顧客と直接つながり、より深い関係性を構築する新しいブランドのあり方を唱えるD2C(Direct to Consumer)です。

彼ら(D2C)は世界観を通じプロダクトをコンテンツ化し、ブランドをメディア化している。彼らの世界観を通じたブランディングは、今後メーカーやブランドが顧客と新しい関係を築いていく際の”基本動作”になっていく可能性を秘めている。(著書より)

本の中でもD2Cがバズワードになりつつあるとも書かれていますが、将来はプロダクトではなくブランドの世界観をきちんと語っているブランドが生き残っていくと考えます。

モノからコト、そしてコト付のモノへ

海外の事例が中心に紹介されていますが、日本国内でも「北欧、暮らしの道具店」がピックアップされています。個人的には「ほぼ日」「ヤッホーブルーイング」もプロダクト(商品)というよりはその世界観を体験するための対価を払っているのだと思います。「ほぼ日」のイベントに参加したとき、ほぼ日の世界観がコミュニティとして支持されていると肌で感じました。

D2Cブランドはプロダクトそのものよりも製品周辺のコンテキスト(製品が提供するイメージ、ブランドの特徴、自分がいいと思うライフスタイル、プロダクトの届け方など)を訴求している。それは、顧客体験やストーリーテリングのイノベーションだ。(著書より)

今まで価格で選んでいたものが、世界観で選ぶようになった、そんな選ぶ基準が変わったひとも少なくないと思います。D2Cという言葉を覚えなくても、自身が何を基準にしてモノやコトを買っているか、選ぶ基準が変われば自分の生活はどう変わるか妄想することは学びにもなるはずです。

4.アフターデジタル2 UXと自由


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今回は3冊を課題図書に選びましたが、最後にD2C繋がりで #アフターデジタル2 で締めます。あまり英語の略語を多用したくはないですがDX(デジタルトランスフォーメーション)も最近よく聞く言葉ではないでしょうか?

あるべきDXは「デジタルとリアルが融合することで行動データを使い、商品販売型から体験提供型になる、バリュージャーニーに。新たな顧客との関係性、どのような体験を提供する存在か考える活動」

顧客とのコミュニケーションが変われば顧客のカスタマージャーニー=顧客が商品やサービスを知り、最終的に購買するまでの、カスタマーの「行動」、「思考」、「感情」などのプロセスも変わります。SNSに限らない顧客との旅をもっと深堀りしたいのであれば是非読んでみてください。

私が #アフターデジタル2 で気になったトピックは以下です。

・購入してから始まる顧客接点
・体験価値によりロイヤリティ
・中国のスタバにおける価値の再定義
・DXによるカスタマージャニーのアップデート


まとめ、2020年夏の終わり


計3冊+αの紹介いかがでしたでしょうか?

リアルで学べる場が減る最中、本を読むという行為自体さらに価値が上がっていくと思います。私自身、在宅勤務が当たり前になって以来、集中して仕事をしたいときには図書館を使うようになりました。

本に囲まれれば、自然と本を手に取りインプットすることが習慣になります。今は図書館がサードプレイスになっているのです(もちろんマスクは必須、密も避けています)

<まとめ>
・企業のSNS運用はブランドの財産。ファンが求める企業の未来のあるべき姿のヒントになる。
・SNSを「じゃあ、やらなくていいか」となれば、会社にとって大きな損失。伝える努力を止めないことで道が拓ける。
・モノからコト、そしてコト付のモノ(世界観)が選ばれる。
・顧客との旅は「商品販売型」から「体験提供型」へ


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