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面白い本、おすすめの本を紹介していきます。
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#おすすめ本

奴隷根性から脱却するための本

奴隷根性から脱却するための本

「今の政治はひどい」と思っている人は少なくないかもしれません。しかし「そもそも政府なんて必要ない」と思っている人がいたとしたら、これは全然違う話になってきます。

政府なんて必要ないという考え方を、無政府主義(アナキズム)と呼びます。今からおよそ100年前、明治の終わりから大正時代にかけて、このアナキズムの急先鋒と言われ注目されていたのが大杉栄という人です。

個人的には大好きな、この大杉栄につい

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ダラダラしたい時に読む本

ダラダラしたい時に読む本

ダラダラしたい時に読む本というのがあります。例えば寒い冬にコタツにくるまりながらうつらうつらと読む本、あるいは「今日はもう何もしない」と決めた休日にソファでごろごろしながら読む本。

そんな本を考えた時に、今パッと思いつくのが内田百閒の『阿呆列車』です。(「あほうれっしゃ」と読みます)

用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来よ

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「ただ、そこに、居るだけ」に意味はあるのか?-自立か依存か、居場所とは何か-

「ただ、そこに、居るだけ」に意味はあるのか?-自立か依存か、居場所とは何か-

『居るのはつらいよ』(医学書院)を読み終えました。本当に素晴らしい本で共有したいことが山ほどあるのですが、できるだけポイントをしぼって書きます。

本書は副題にもある通り、「ケア」と「セラピー」の違いを徹底的に「現場感覚」で書き切った、いや、描き切った作品です。

冒頭から何度も出てくる「それでいいのか?」という声。それはセラピーを志す著者が「ただ、いる、だけ」のケアという仕事に対して、「

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大きなリスクを取らずに、しかも「先延ばし」をしても成功できるのか?➖オリジナルな人の特徴とは➖

大きなリスクを取らずに、しかも「先延ばし」をしても成功できるのか?➖オリジナルな人の特徴とは➖

「ふつの人たち」のために書かれた本 久しぶりに骨太な本に出会えたので紹介します。あの『GIVE &TAKE「与える人」こそ成功する時代』で有名なアダム・グラントの著書、『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(三笠書房)です。結論から申し上げて、本書は「ふつうの人」たちのために書かれた、ふつうの人たちだからこそ共感できる本です。 私がここでいう「ふつうの人たち」とは「大きなリ

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