【読書記録 #42】『アマゾンの料理人 世界一の“美味しい”を探して僕が行き着いた場所』(太田哲雄 著)を読みました
内容まとめ
東京の筓櫻泉堂。イタリアのラ・フラスカ、ラ・フェルマータ。スペインのエル・ブジ。ペルーのアストリッド・イ・ガストン。
料理人として様々な現場を経験した太田哲雄氏が、グルメオタクだった高校生時代から、軽井沢を拠点にビジネスを展開する現在に至るまでをエッセイとして綴る。
感想
新手の旅行記! とても面白かったです。
イタリアでの語学留学から始まり、イタリア、スペイン、ペルーでの料理人修行、そして自らが主催するアマゾンツアーまで。この本を読んでいると、海外旅行を疑似体験しているような気分になりました。海外好きな私にとっては、最初から最後まで本当に楽しく読ませていただきました。
ところで、これまで私は海外好きではあるものの、アフリカとアジア地域にしか興味がありませんでした。「先進国なんて日本と大して変わらないでしょ、行く価値ない」なんて考えていたのですが、この本を読んで、ヨーロッパと南米も行く価値がある、と興味が湧いてきました。
特に、筆者が魅了されたというペルーの料理が気になります。エスニック料理、それも、どローカルなものが大好きな私。ぜひとも現地に行って、ジャパナイズされていないローカルな食事を、現地の方式で食べてみたいと思います。
そしてこの本はただ旅行記として面白かっただけではありません。著者のバイタリティーにも刺激を受けました。行動力が凄まじいのです。
アルバイトして溜めたお金で東京に行き、フランス料理を食べる高校生なんて、聞いたことがありません。高校卒業後にイタリアに語学留学するのも度胸があるし(私なんて22歳まで海外に出たことがなかった)、きちんと将来を見据えて働く期間や職場を選んでいる。いくら有名なレストランでも、自分の興味と異なる方向性の場合には辞退する。
その上、彼の選択肢には国境がないのです。イタリアのレストランで働いた後はスペイン、次はまたイタリア、今度はペルー、というように。これが本当にすごいと思いました。
最後に。この本の中で1番勉強になったのは、意外にも就職面接についての著者の考え方でした。著者は次のように書いています(P42より抜粋)。
その後、心がけるようになったのは、自分が雇われる立場であっても、相手を面接するような気持ちで出向くこと。そして自分についてしっかり語ることだ。
就職の面接を受ける際には、面接官にいかに自分を良く見せるかに意識が向きがちです。ですが、その職場が自分に合っているかどうかは、自分にとって非常に大切なポイントです。面接は一方通行ではなく、お互いにとっての面接であるという考え方は、私にとっては新しい学びでした。
海外や料理に興味のある方にとっては、大変面白い一冊だと思います。
・読んだ時期 :2021年7月上旬
・かかった時間:3日×1時間
・おすすめ度 :★★★☆☆
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