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『知ってるつもり 「問題発見力」を高める「知識システム」の作り方 』を読んで

私好みのタイトルです。Kindle unlimitedで読みました。

同じタイトルで別の本もあります。この本は何年か前に買ったものの、家で眠っています。近頃、読む予定です。あくまでも予定です(ここ最近感じるのは、海外の本は具体例が多くて、主張が分かりにくいように感じます。日本の本との書き方の違いかもしれませんが)。

本題に戻ります。この本は私好みのタイトルで、Kindle unlimitedにキープしたものの、積読になった同一タイトルの本の先入観があり、読みづらいかもという抵抗感がありました。

読んでみると、自分の知識のまとめ方の方向性が見えたような本でした。この本は実物で買います(Kindle unlimitedの余白を空けるためにも)。

中身としては、いかに自分が知っているものが「知っているつもり」になっているかを認識させられるような内容になっています。そして、その知っているつもりから脱するにはどうしたらいいか?という方法論が書かれています。

知っているつもりになっているものの例として、昆虫、磁石、植物などが紹介されています。これらは小中学校で習う知識であって、誰でも知っているつもりになっていることです。

磁石の例では、次の磁石に対してこれらの性質が当てはまるかを持つ聞きました。

磁石
棒磁石、U字磁石、マグネット、方位磁石、電磁石。

性質
S極・N極がある。北を指す。異極は引き合い、同極は反発する。鉄を引きつける。

どうでしょうか?

棒磁石は北を指すのか?、方位磁石は鉄を引きつけるのか?

あまり考えたことがないかもしれません。うーんどうなんだろう?と思ってしまいます。

結論から書くと、全ての磁石が全ての性質を持ちます。

普段、方位磁石で鉄を引きつけたりしないので、驚きます。

全てが磁石でありながら、個別の使い方しか習わないため、全く別物として扱ってしまう。つまり、知識が孤立している状態です。知識が孤立していると物事に関して理解が深まりません。何を分かっていて何が分からないのか。分かっていることを認識できて、初めて分からないことが分かります。

分かるためにはどうしたらいいか。磁石を例にすると、上に挙げた個別の磁石は磁石のカテゴリーに入るものなので、おそらく磁石の一般的な性質を持つはずです。しかし、感覚として、納得できないものがあります。つまり知識の衝突です。例えば、先に挙げたような「方位磁石は鉄を引きつけるのか?」とか。

この本に「方位磁石は鉄を引きつけるのか?」ということに対する答えは書いていません。とてもめんどうですが、調べてみました。

すると、磁力はサイズや形で違うと書いています。方位磁石の針はとても小さいので、磁力が弱いのだろうと思います。さらに考えると、方位磁石はカバーがされているのでこれで磁力を遮っているのでは?と考えられます。

逆に考えて、本書では方位磁針の針があんなに細いのは正確に方位を指すためだと書かれていました。北を指すというのは性質として明らかなことです。では、その性質を最大限活かすにはどういう形がいいのか?と考えると、あの形に行き着いたと考えることもできます。

他のものと共通する性質に着目しつつ、違いが現れている理由は何なのか?を考える。さらに不都合が現れたら、その都度分類を分けたり、もう一度性質に着目することが大切と知りました。

分かることのすぐ外には分からないことがあり、知識が多い程、分からないことが増えるということを読んで、この動画を思い出しました。

この本と考え方は一緒です。分かることに厚みと幅が出るほど、分からないことの厚みと幅は分かることより大きくなるという考えです。

この本を読み終えてから、1冊の本を読み終えてから咀嚼する時間を増やすべきだなと思いました。noteに投稿するだけでもそれなりに大変ですが、本当に自分のためになるものは時間をかけるべきなのかなと感じました。

上手くつながりを言葉では言い表せませんが、本書が書いている知識のシステム化と具体的なものごとから要素を抽出する抽象化は近しい所にあるのではないかとも感じました。これに近いと感じたことが、自分の進むべき方向性が分かったと思った一番の要因かもしれません。

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