「あの夜があったから、今がある」の答え合わせ
(本記事は北海道コンサドーレ札幌 Advent Calendar 2022に参加しています)
現地に足を運んだ札幌サポーター全員が失意のどん底に突き落とされた”あの夜”には、一体どんな意味があったのだろうか。
そう締めくくった日記の答え合わせをしてみようと思う。
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6月に甲府での出来事を綴るnoteを書いたときには、本当に全く想像もしなかったが……………結果的に"あの夜"に一番大きな意味を見出したのは、僕たちの反対側でJ1チームからの逆転勝利に沸くヴァンフォーレ甲府だった。
J1に定着しているクラブでもその多くがまだ成し遂げたことがない大偉業。それを、チーム一丸となってやってのけた甲府。格上のJ1クラブを向こうに回し、破竹の5連勝の末に掴み取った栄冠だが、その始まりは6月の札幌戦であった。
"あの夜"がなければ、甲府の天皇杯優勝も現実のものとはならなかった。
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一方、天皇杯は3回戦で早々に敗退した札幌はその後も怪我人が相次ぎ、リーグ戦で苦しい戦いを強いられる期間が続いたものの、最終的にはJ1の10位でシーズンを終えた。
ターニングポイントになったのは、間違いなく9月2日のホーム・セレッソ戦だろう。
終了間際に青木が決めた逆転ゴールからチームは一気にギアを上げ、見事にJ1残留を掴み取った。それも優勝したマリノスから勝ち点1、2位の川崎と3位の広島からは勝ち点3ずつを取って、だ。
決して平坦な道ではなかったが、だからこそ多くの学びもあるシーズンだったようにも思う。
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2023シーズンもJ1で戦う権利を手にして迎えた、例年よりちょっと早いシーズンオフ。
今このタイミングで甲府での"あの夜"を振り返って、直接的にこの結果につながる何かがあったか?と考えると……必ずしも「これ」と言えるほどの因果を持つ要素はなかった気がする。正直。
リーグ戦の調子が上がってきたのは2ヶ月半後の9月頭だし、天皇杯をきっかけに出場機会を得た選手がいたわけでもない。
ただ、甲府での試合をはじめとする"上手くいかなかった期間"を長く経て、今シーズン北海道コンサドーレ札幌というチームが掴んだ手応えの一つは「信じてやり続けること」の重要性だったのではないかと思う。
僕は6月の日記で「気持ちの問題はきっかけ一つで好転することもある」と書き、結果的にはその通りとなったわけだが、これが実現できたのは"同じフォームでやり続ける"をしたことだと考えている。
シーズン序盤から上手く行かないことが多く、結果もなかなか伴わなかったが、それでもチームとして自分たちのスタイルを崩すことはなかった。
自分たちの目標を見据え、やるべきことを決め、目線を合わせ、ただ一心に取り組む。たとえ目の前の結果が伴わなくても、想定外の怪我人で理想通りに物事を進めるのが難しくなっても、やり続ける。
もちろん、状況に応じてやり方のアレンジは必要だし、中長期的に見たときには「同じやり方を続ける」の是非について論じる余地はあるだろう。それでも、"既に動き出しているシーズン中"という短期的なスパンでは、選手たちもサポーターも実直に「信じてやり続ける」べきだと個人的には思う。
その点では、転機となった9月2日の試合の直前・8月28日にチームからリリースされたこの声明も、今シーズンを象徴するアクションの一つだったと言っても良いだろう。
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この考えを体現するためにはどうすればいいか?というと、恐らく「今この瞬間に、自分たちにできることをしっかりとやる」ことしかないのだと思う。
一つひとつのプレー、一つひとつの応援の積み重ねが"試合"になり、一つひとつの"試合"の積み重ねが"シーズン"になる。
その中で、僕たちサポーターにできることも少なくはないはず。
「あのクラファンがあったから、今がある」
来シーズンのオフにみんなでそう言えるように、今できることをやろうぜ札幌…!
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毎年恒例「北海道コンサドーレ札幌 Advent Calendar」が、今年も今日からスタートです!
個性豊かな執筆陣による投稿が続きますので、クリスマスまでの毎日楽しみましょう~