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逃げ道のない挑戦が上達への近道

私は、学生時代に美術や図工の成績が
常に1だったにもかかわらず、
何故かメイクアーティストになる夢を
抱くようになりました。

そして、知人の紹介で
プロのメイクアップアーティストと出会う
機会を得ました。

この出会いが、私にとっての
メイクの師匠となる方でした。

初めて会った際、師匠が任されている
自主制作映画でのヘアメイクを
私にやってみないかと提案しました。

私はメイクの経験ゼロ、
さらに超不器用。

専門学校で学び、長年のアシスタント経験を経て
ようやく人様のお顔に触れられると思っていたので、

この提案はあまりにも無謀に思えました。
しかも、メイクを初めて施す対象が
駆け出しのグラビアアイドルだったのです。

師匠は「大丈夫、最初の2回は付き添うから」と
言ってくれましたが、たった2回の指導で
師匠のようにメイクが出来るようには
到底思えませんでした。

とはいえこんな機会は後にも先にも無いと思ったので
引き受けることにしました。

撮影初日、主役の女の子にメイクする様子を
観察しながら、師匠の手順を学びました。
化粧水から始まり
乳液、下地クリーム、コンシーラー、
ファンデーション、アイライン、ビューラー、
マスカラ、アイシャドウ、アイブロウ、
チーク、ノーズシャドウ、ハイライト、
リップ、最後に仕上げのパウダーという流れでした。

初心者の私には難解な作業の連続で、
超戸惑いました。

しかし、引き受けたからには
素人だからという言い訳は許されません。
師匠以外のスタッフからしてみれば
私もプロと見なされます

撮影日までに、メイクの教材ビデオを
50回以上繰り返し観て、
親族や友人をモデルにして練習を重ねました。

初めは宝塚メイクのような
厚化粧になってしまいましたが、
徐々にコツを掴んでいきました。

そして、2回目の撮影日を迎えました。
師匠に見守られながら
私が主にメイクを担当し、
その後は自立して殆の撮影日は私一人で
ヘアメイクをしていく日々が続きました。

撮影の中盤以降、主役の女優さんからも
「すごく上達しましたね!」
という言葉を頂けるまでに成長しました。

また、他の事務所の女優からもメイクを褒められ、
1回だけメイクを
お願いされる事もありました

この瞬間は、本当に嬉しかったです。
なぜなら、一ヶ月前はメイクの基本も全く
知らなかった訳ですから。

ここ10年はメイクを一切していませんが、
それでも未だにメイクブラシの形状を見れば、
一目でどの種類のブラシかが分かります。

あの時無謀な挑戦をして本当に良かったと
思っています。

もし師匠が常に付き添っていたなら、
私の上達はずっと遅れていたでしょう。
師匠がいなかったからこそ、その現場で
私しかメイクをできない状況になりました。

非常に大きなプレッシャーでしたが、
逃げられない状況にあったおかげで、
驚異的な速度で上達したと言っても
過言ではありません。

この経験を振り返って思うこと。
とにかく実践あるのみ!

準備はもちろん大切です。

しかし、「準備」という言葉は、時に逃げや
行動を起こさない言い訳にも使われがちです。

もちろん、2回目の撮影に向けて、
道具の役割や手順、モデルの
肌色に合ったファンデーションの選び方など、
ビデオや雑誌、書籍を通じて
知識を詰め込んだつもりでした。
しかし、結局は実際に人の顔に触れ、
失敗を重ねることで、
初めて教材の内容が理解できたのです。

起業においても同じことが言えます。
内容によっては異なりますが、
起業のハウツー本を読んで
準備に時間をかけるよりは、
いっそ起業する方向で行動を起こした方が、
何ができて何ができないのか、
何が理解できて何が理解できていないのかが明確になります。

準備に時間をかけ過ぎると、
自分が何を理解していないのかが
分からない状態に陥ります。
つまり、「分からないことが分からない」
という状況ですね(笑)。

ですので、何か新しいことに
挑戦しようと思ったら、
失敗を恐れずにまずは
行動に移すことが大切です。

行動して失敗から得られる
情報量はレベチです。

失敗してラッキー!と
思えるマインドが大切です。

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