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誰にも相談できず不登校に

いつもnoteをご覧くださりありがとうございます。
1月のテーマ「子育て」のエピソードもご覧くださりありがとうございました!
私たちAdelanteは、日本で暮らす外国人女性らをサポートする活動を行っています。日々、いただく彼女たちからの相談をこのnoteを通して日本社会に発信し、社会からの孤立を防ぐ一歩となることを目指しています。

2月は日本社会や地域からの「孤立」をテーマにエピソードをご紹介したいと思います。

子どもが不登校になっている

ある南米出身のお母さんから中学生の子どもについてのご相談です。
夫婦ともに南米出身のご家族で、簡単なやり取りができる日本語力の方々です。大切に育てている一人娘のことで問い合わせがありました。

『中学生の子どもが学校に行けなくなってしまった。』

中学校に通う娘が学校に通えなくなってしまったとのことでしたが、お母さんはさらにこう話しました。

『いけなくなったことも心配だけど、そのことに悩んでいたことに全く気付けなかった。それが悔しい。生活のために仕事優先だったこともあり、子どもの変化を感じ取れず、気づいたときには学校に通えなくなっていた。』

お母さんに事情を尋ねると、家計が苦しく毎日長時間働き、子どもとの時間が十分にとれなかった。それの積み重ねもあって、日本生まれ日本育ちの子どもは日本語しか話せなくなり、お母さんは母語であるスペイン語しか話せず二人の共通言語がなくなっていたとのことでした。

親子間で得意な言語が異なることからコミュニケーションが不足し、母も子どもの悩みに寄り添えず、子どもは孤立してしまっていました。


親子でことばが通じず孤立してしまう子どもも

親子間で生じることばの壁

出入国在留管理庁の調査によると、子育てについての困りごとをみると「子どもが母国語・母国文化を十分に理解していない」(22.1%)の割合が最も高くなっていることからも、こうした悩みを抱える外国人親子は多く存在していることがわかります。

日本語を使った簡単なやりとりはできるけど、子どもが大きくなるにつれ、抽象的な話題や複雑な文章などが出てくると理解できなくなることもあります。
「話してもお母さんは日本語分からないから話しても意味ない」と、子どもが判断し親に相談もしなくなり、親子間のコミュニケーションが足りなくなってしまうケースもよくみられます。

また、同じく出入国在留管理庁の調査によると、子どもが通っている学校において、親として困っていることは?という問いに対し、「先生とうまく意思が通じない」の回答が最も高くなっています。
保護者として子どもに何かしてあげたくても、日本語や文化の壁から先生ともコミュニケーションがうまくとれないいう事態に陥ることもあります。


環境を変えたい。Adelante立ち上げへ


親子間でのことばが通じないときどうすればいいのでしょうか?
相談をくれた南米出身の親子は、現在は時間をかけながら親子間で向き合うことができ、納得できる形で登校をしています。両親は子どもとの時間を少しでも多くとることを心がけ、互いに会話を増やしていきました。心にゆとりをもち、子どもと接することが何より大切だったと話します。

弊社代表の堀口は自身が外国ルーツである経験を活かしながら、NPOでの活動や大学院での研究なかで100人以上の在日外国人、また、その子どもたちと出会ってきました。
出会った人たちの約半数が非正規で働き、時給が安いため少しでも収入を得ようとした結果、長時間労働をせざるを得ない状況下にありました。子どもの学校生活や成績について考えることや、子どもと将来の事を話し合う時間を持つことさえ難しいという環境でした。

親である彼女たちの生活を安定させることは子どもを孤立から防ぐことができると考えています。経済的に安定させながら、事業を通して日本社会と繋がりをもつ仕組みをつくる。そうした思いを胸に、代表の堀口はAdelnateを立ち上げました。

彼女たちが長時間労働から抜け出し子どもと向き合う時間を獲得することにより、子どもたちの生活環境を整えることができるようにわたしたちは活動を続けています。

コロンビアにルーツを持つ代表堀口のエピソード
代表・堀口が大きくなってから気づいた感謝している両親からの贈り物。|Adelante Inc. (note.com)


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