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和合亮一さんの「詩の礫」から派生した 礫を起点に波紋のよう奇想は巡る
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2021年10月の記事一覧

ねこパンチの応酬

ねこパンチの応酬

左の掌
親指の下に
見に覚えがない
痣ができていて
猫パンチで喧嘩して
反撃を食らったような
傷跡が激闘を物語っている
しゃあ
ふしゅー
パンチに
パンチで
睨み合って
アドレナリン



雨は呼吸をしのばせて
風が存在を消し飛ばした

リバーエコーズ

リバーエコーズ

安積永盛は  

いつも雨が降っている

いつもだなんて   

大袈裟なことはわかっている

でもいつも雨が降っている

しとしとと

ざぁざぁと

ぱしゃぱしゃと

踊らせて

輪舞曲







雨め

頭を湿らせ

熱を奪い

わたし

わたし

わたしを

洗いざらいさらして

阿武隈川へ

わたし成分を

垂れ流すのだ

他愛もないラバーズ

他愛もないラバーズ

時計は2分だけ遅れている

この2分の誤差で

2分先の未来を

生きていると    

信じることができたなら

120秒間の

未来を生きて行ける