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「目的」と「手段」と、ときどき「目標」の話

コドモン足立です。こども施設向けSaaSとしてシェアNo.1の「CoDMON」など、子ども取り巻く環境をテクノロジーの力でより良いものにするサービスをあれこれやっている株式会社コドモンで働いてます。

今回はわがチームに配属した新卒を始め、若いメンバーに1on1などで繰り返しお伝えしている「目的と手段」について書きたいと思います。なぜなら、これらを強く意識するだけで「問題・課題解決における柔軟な発想」を得たり、「仕事の成果を出しやすくなる」からです。


ビジネス書は全部読んではいけない

例えば皆さんは「ビジネス書を読むこと」自体が目的になっていないでしょうか。本を読むことは手段で目的は本によって知識を得ることです。そう考えた時に最初から最後までくまなく読むことが本当に最適な手段でしょうか。

私は下記の「ビジネス書の読み方」について書かれた本を読んでから、本の読み方が大きく変わりました。「本を読む目的」を正しく捉え、ビジネス書については「全部読む」「最初から順番に読む」などの手段をとるのはやめました。さらに最近は効率を考え、世に出ている書評ブログを多読してから読んだり、そもそもそれで興味わかないならそれだけで済ますことも増えました。

▼興味がある人は読んで欲しい「ビジネス書の読み方」が書かれた本

「ビジネス書に書かれた知識を得る」という目的を果たすのなら、最初から最後まで全部読むより、この本に書かれた読み方を実践する方がよほど省力化を図ることができたり、同じテーマの本を多読できたりする手段の方が理にかなっているからです。

このように、目的と手段は意識することで、世の多くの人が気づいていないような柔軟かつ効果的な手段に気づきやすくなります。私は幸運にも若い時に教わることで目的と手段の混乱を回避できたり、柔軟なアイデアのメリットを享受できています。だからこそ、皆さんにシェアしたい思っているのです。

「英語を学ぶ」は目的にならない

目的と手段を意識することになったきっかけは、学生時代に英語を教わっていた方からの一言でした。

卒業後、英語を学ぶために海外へ行くことを相談した私にその人は「手段と目的を履き違えるな。言語は手段。アメリカビジネスを学ぶために英語を学ぶならいいが、言語を話すこと自体を目的にするな」と一蹴されました。

その時から目的のためにある手段ということを意識するようになりました。

やがて社会人となり、3年目に成果を認められ地方事務所の立ち上げ役として管理職に抜擢された私でしたが、大型案件は上司の同行で獲得の出来ていたことを周りから指摘され、当時の私は、実は自分は抜擢に値しない実力不足ではないかと不安になりかけていました。

そんなとき、先輩から「そんなやっかみは無視しろ。お前の強みは目的を達成するために手段を選ばないことだ。案件に応じて躊躇なく同行する上司を使い分けている。そこがすごい」と言われ、救われる思いがしました。

それ以来、マネージャーとして多くの営業メンバーを見てきましたが、「人の手を借りずに自分の力で受注したい」など、成果を出せない人ほど「手段」にこだわりがちで、他方、ごっつぁんゴールだろうが、泥臭かろうが受注という点を取るなど成果を出す人は目的」にこだわる傾向があることがわかりました。

「手段」と「目的」が混同しやすい背景

こんな話があります。

ある王様がなんでもない場所に立ってる衛兵を疑問に思い、なぜ立っているか質問したところ「伝統ですから」の答え。

気になって調べてみたら、遠い昔の女王がお気に入りの花壇を猫や犬に荒らされないために衛兵を立てることにした。

しかし、とうの昔にその花壇はなくなっていた。。。

この話のように目的があっての手段だったはずなのに、時間の経過でいつの間にか手段が目的にすり替わることがあります。

また、「短期的な目的」は「長期的な目的」の手段を兼ねていたり、誰かの目的は、誰かの目的を達成できるための目的であったり、見てる視点でも目的か、手段かが変わってきます

さらに「耳障りの良い言葉」「聞こえがいい言葉」は「手段の目的化」を招きやすいです。うちのメンバーからも下記のような言葉を言われた時に問いかけます。

顧客に寄り添う」「顧客ごとに合わせる」は目的か

 「コドモンの機能をお客様に理解してもらうこと」は目的か

顧客が望むからと「訪問営業」することは目的か

本当に「ひとりの営業が最後まで担当すること」は目的か

これらのような当然、みんなそう思うよねと言った耳障りの良い言葉ほど、手段であるはずなのに、その手段前提で話を進めてしまう目的化してしまいがちです。その前提を疑い、「手段」を見極め、「目的に合わせたもっと良い手段もあり得るのではないか」と思考を止めないことで、常識にとらわない柔軟な発想で新たな手段を生み出すことができます。

そして、私たちコドモンが導き出し、取り組んだ答えが「顧客に合わせず、一方的に型通り行う商談」や「レガシー業界へのオンライン商談を行うこと」「営業チームにデスクと呼ばれる"売らないで業務省力化に特化するメンバー"をおく」などの一見非常識な手段でした。詳細は割愛しますので、詳しくは各noteご覧ください。(これらも必ずしも正解ではなく、あくまで目的、状況に合わせた手段の一つに過ぎないので、その点はご注意ください)

「目的」は組織を強くも弱くもする

同様に組織作る際にも「目的」を意識しています。

たとえば上記に挙げたひとつのデスクというチーム。目的は「コドモンの普及活動に纏わる業務の省力化」です。

しかし多くの企業においての営業事務、営業アシスタント呼ばれる類似した役割の方々は、獲得目的とは独立した組織になっていたりします。そしてチームの目的は「営業事務の代行や効率化」です。

ここでお気づきでしょうか。「営業メンバーと同じ普及という組織全体の目的」に置いた前者と「事務効率化というチーム単体の機能を目的」を置いた後者では動機づけが大きく変わります。結果、連携のスムーズさが変わります。

私たちのデスクメンバーは、営業事務の発想としてありがちな締め切り厳守する仕組みや書類の不備をチェックリストで管理するなど営業にルールを科し管理していくという発想はなく、目的に沿うように、営業が商談に集中できる環境を目指し、商談以外の業務をどんどん巻き取り、そもそもそれらの業務を無くす思考が先に働くのです。

目的が一緒であれば、役割は違えど、言わば同じ山(ゴール)を目指して登る同志となり、またお互いをその道のプロとしてリスペクトし合っています。

▼デスクとインサイドメンバーの相互にリスペクトあるやりとり

また組織としては、なるべく揺るがない大きな目的を目指す方がベクトルがブレにくく、モチベートも上がりやすいです。

たとえば某有名アミューズメントパークの清掃員の人に何をしているか尋ねると、清掃しているわけではなく「夢の国を創っている」と答えたというエピソードを聞いたことがあります。掃除してキレイにすることを目的にするのではなく、夢の国を創るという大きな目的にした方が「どれほど柔軟かつ、どれほど有意義で高い意識を持ったパフォーマンスができるか」は言うまでもないでしょう。

私たちコドモンは「子どもを取り巻く環境をテクノロジーでより良いものに」という素晴らしい目的(ミッション)を掲げることで、小さい規模の時から身の丈に合わない優秀な仲間たちを加えていくことが出来たと思っています。

「目標」は「目的」を達成するための手段

では目的と似た言葉である「目標」とは何でしょうか。

一言で言えば、目的を達成するための指標であり、抽象的で長期的な「目的」と比べ、到達点・数値・数量など、より具体的な指標です。その関係性上、つまるところ、「目標」も目的を達成するための手段と言えます。

私たちは今期利用施設10,000突破を目標としていますが、これらは「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でより良いものに」するための手段と捉えています。(当社ではOKRを取り入れてますがOが目的、KRが目標というイメージです)

もし、この目標を達成することで目的からズれるのであれば本末転倒なので変えることになりますし、より良い目標があれば躊躇なく変えるでしょう。目的と目標はそういう関係性であると考えています。

「目標」必達するための2つのポイント

また少し話はそれますが、私の経験上、目標達成しやすい環境にするには2つのポイントをシェアします。

一つは「シンプル」であること。あれもこれも追わなくてはいけない環境は意識や活動リソースの集中を妨げ、パフォーマンスが向上しにくくなります。できるだけ指標の種類は少なく、よりシンプルにしましょう。

2つ目は「達成できない目標」をもうひとつ掲げること。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、目標の高さは1つとせずに、コミット、ストレッチの二段階とするのがオススメです。目標の「種類」ではなく「高さ」の問題です。

これは経験上「どんなに目標の高さを調整しても追う目標にはなぜか到達しない人の方が多い」こと、「より大きなものを追う方がパフォーマンスを上げやすい傾向がある」ことから編み出した方法です。しなくてはならない「コミット目標」に加え、敢えてよりチャレンジグな「ストレッチ目標」を置くことでコミット数値の達成者の数がぐんと増えました。

営業の方であれば、達成常連者は与えられた目標ではなく、自主的に目標の2−3倍の数値を目指して追っている話は聞いたことないでしょうか。

かけっこはゴールまでではなく駆け抜けろと教わるように、しなければいけないレベルの数字の先の目標を敢えて追うことで、気づいていたら達成すべき目標は超えていると言った目標設計の方が、皆が達成しやすくなります。これ本当に「この数値をコミットしろ的なマネジメント」するより不思議と成果出ます。ぜひお試しを。

(マネの視点では、追いかけてるのはストレッチだけど、達成率はコミットで出したりなど、見せ方も目的に合わせ細かな調整はしています。2つあると都合よく使えるのも便利です。この辺はまた別の機会に)

「目的」を見失わないための3つのポイント

これまでお話してきたように「目的」や「手段」は混同しやすく、気づけば「手段が目的化」した下記のような事例は世の中のあちらこちらにあります。

「ミッション」より「売上」を追ってしまっている会社
受注が多くても「解約が多いSaaSセールス」
当初の「目的が失われたのに続けられている慣習」
目的のない「ミーティング」
タスクこなすことが目的となり「多くこなしても評価されていない人」

そこでこれからキャリアを築いていく皆さんが、手段と目的を混同しないための2つのポイントをお伝えします。

①必ず「目的」を書き出してみる
皆さんは施策やタスクの目的を言えますか?書類、会議、タスク何かを作ったりする際に必ず目的を明記しましょう。それを常に確認することで目的からブレずにベクトルを合わせることができ、かつ柔軟に対応ができます。

組織としては先述したようになるべく大きな目的を設定し、施策や会議、タスクなどはその大きな目標に沿いつつも、より具体的なアクションに繋がる目的または目標を設定すると良いです。

ちなみに本noteは「メンバーに目的と手段を意識する重要性を伝える」「シェアすることでこれからを担っていく若い方々が同じ苦労をしないですむ」ためです。

②まわりに共有しレビューをもらう
また他社と共有したり、他者からレビューを受ける時に必ず「目的」を伝えることで「手段」がその目的に最適かどうかのフィードバックを得られます。逆にお互い「手段」だけで議論すると、枝葉末節な展開になりがちで、かつ気づけば登るべき山を見失い、明後日の方向の山に登ってたりします。

②最上位の目的である「ミッション」からずれていないか確認しよう
自分の目的は誰かの手段である可能性はあることを先述しましたが、その行き着く先は会社の掲げている「ミッション」になります。そこと本末転倒にズレないようにしましょう。

私たちの例でいうと、ICTソフトの販売やそれで得られる省力化はひとつの「手段」に過ぎません。もし変えることや、加えることでより「子どもを取り巻く環境をテクノロジーでより良いものに」という目的に近づく手段があるのであれば、喜んで変えるなり、加えるなりするでしょう。

また子どもを取り巻く環境をより良いものにする目的を持つ私たちが、ハードワークをして自らの家庭、子どもに負荷をかけるような本末転倒なことをすることは許されません。

最後に仲間を募集

いかがでしたでしょうか?私たちは「子どもを取り巻く環境をテクノロジーでより良いものに」というミッションを掲げ、一丸となっているチームです。ぜひこの目的に関心があるという方、全方位で仲間を募集中ですので、こちらを除いてみてください。

あなたの人生の目的はなんでしょうか?そのための目標はなんでしょうか?ぜひその答えをコドモンで見つけてみませんか?


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