見出し画像

【広告・マーケNEWS】未来の井戸端会議はコインランドリーから生まれる・・などトレンドニュースまとめ

毎朝1つずつ、広告・マーケの最新トピックから得た洞察を投稿しているホイポイプロダクションズのX(Twitter)の1カ月分の内容をテーマ・項目別にまとめて掲載します。

広告クリエイティブ

PickUP①:体験価値をそそる「擬音語」で表現

体験価値はそそる言語化によって追体験欲求をかきたてられる。効果的な手法の一つがオリジナルの擬音語をつくること。マリンワールド海の中道の「ズンズンペンギン」「ヌンヌンアザラシ」は間近で観られてどんどん迫ってくるような迫力ある体験価値を想像させ、思わずヌンヌンされたくなるアプローチ。
参考:ズンズンペンギン、ヌンヌンアザラシ…海の動物が迫るマリンワールドの広告

▶このNEWSを元に制作した記事はコチラ➡「符牒」としての広告コピー。一行でパッとイメージが拡がる脳のスイッチの押し方

PickUP②:替え歌のコミュニケーションスピード

広告にタレントを起用するのはその人の文脈によって説明を端折れるからだが、音楽も同じ。15秒で好感を勝ちとるために最近は替え歌流行り。好感度1位マクドはRIPの太陽とビキニ、2位のカップヌードルもゆこぴの強風オールバック。またデリカミニはキャンディーズの年下の男の子で大きく好感度を上げた
参考:替え歌・名曲が席巻 2023年度のCM好感度ランキング上位の共通点

▶このNEWSを元に制作した記事はコチラ➡考える前に、意味がほどけるようにわかる表現設計。コミュニケーションスピードを上げる広告の仕掛け

PickUP③:「賛否両論」で話題を喚起

思わず試したくなるイシューを提示すると確認消費的にまず最初の一本を買ってもらえる。アサヒ颯は微発酵茶葉による独特な香りや味わいによる「賛否両論」をフックにしている。CMやウェブも投票形式で一貫性を確保。美味いかどうかではなく「これは緑茶か否か」という論点の絞り方も上手い。
参考:「賛否両論」の評価をあえてアピール 「アサヒ颯」の新戦略、アサヒ飲料

PickUP④:「コンセプト」のコンセプト

「コンセプト」って意味の幅が広いので、どういうコンセプトで「コンセプト」を使っているか?がわからなくなる。タルコット・パーソンズの「経験的世界を照らすサーチライトのようなもの」という説明はわかりやすい。新旧2つのコンセプト=サーチライトの照点のズレが新しい事実や覆された常識を生む
参考:コンセプトの品質管理

PickUP⑤:既存文脈との意味の差分=知的創出

テーゼやコンセプトの価値は、既存文脈との意味の差分に宿る。単独で成立するものではない。だから文脈に敏感になる必要がある。スタバのサードプレイスはコーヒースタンドの転換、サウスウエストの空飛ぶバスは航空=高級文脈の転換、広島平和記念公園は慰霊碑を「平和を創るための工場」に転換した。
参考:コンセプトの品質管理

PickUP⑥:まだ見ぬ未知の概念はメタファーで見せる

表現技術とは、抽象的な概念の組み合わせによって未知の物事に具体的なイメージを纏わせるもの。そこで有効なのがメタファー。イノベーションによって提供される新しい価値は多くの人が未体験なので、既知のモチーフを借りてきて「こんな感じ」と提示するのが手っ取り早い。
参考:コンセプトの品質管理

PickUP⑦:CMのリメイクという「異物感」

広告クリエイティブの有効なフックのひとつが「異物感」だが、制作手法そのものに異物感を纏わせるアプローチもある。24年度FCC賞の如水庵「筑紫もち」は、99年にオンエアしたTVCMのリメイク。孫を加え「筑紫もちの『つ』は、つづくの『つ』」のタグライン。映画やドラマでよくある「リメイク」の転用
参考:福岡の和菓子店「如水庵」CMにFCC最高賞、孫登場で1999年版リメイク

▶このNEWSを元に制作した記事はコチラ➡思わず二度見してしまう、そしてつい憶えてしまう。「異物感」という広告フック - アトリエライフ通信 (hoi-poi.net)

PickUP⑧:物性をタレントパーソナリティに込める

物性は演者選定に込められる。リニューアルした湖池屋ストロングは「クールかつストロング」性を纏う三吉彩花を起用し一口目の衝撃と一袋の快感を表現。サントリー茉莉花缶はジャスミンの爽やかな香りや軽やかな味わい、またJJ(焼酎のジャスミン茶割り)という新しい飲み方を体現する川口春奈を起用。
参考:三吉彩花出演、湖池屋ストロングのCM コンセプトは「STRONG BEAUTY」
サントリー、川口春奈とkemioをCMに起用 幅広い世代への訴求目指す

▶このNEWSを元に制作した記事はコチラ➡「符牒」としての広告コピー。一行でパッとイメージが拡がる脳のスイッチの押し方

PickUP⑨:earth music&ecologyのブランドリニューアル

外から見るとブランドイメージが見事に統一されていると見えても、実は長い時間の中で齟齬や乖離が起きていることも。この度25年ぶりにブランドリニューアルしたearth music&ecologyは「いいことある服」をタグラインに、パーパス、バリューなども策定。新しい何かが始まる予感って、春にもピッタリ。
参考:earth music&ecologyが25周年 「いいことある服。」をタグラインに

マーケティング

PickUP⑩:MLBの事例でわかる「肌感」のデタラメさ

経験則や多分こうだろう、は確認してみるとズレていることも多い。MLBもデジタル化で判明した顧客層は従来の想定から5-10歳ズレていた。またマーケティングを導入し、ピッチクロックなど大胆に伝統を改革することで前年比9.6%の観客増につなげた。時短はもちろん盗塁が増え試合がダイナミックになった
参考:米メジャーリーグのデジタル顧客体験改革、年間球場来場者数が9.6%増

PickUP⑪:人口減少➡LTV重視の流れ

マーケティングの主軸が差別化からLTVに移ってきたのはマーケティング自体の進化もあるが、人口動態の影響が大きい。人口増加フェーズでは各社が棲み分ければそれぞれ成長できた。だが人口減少フェーズに入ると「いかに獲得した顧客をつなぎ止めるか」が鍵となる。
参考:非価格主導型プロモーションでLTVを高める 新規獲得だけに頼らない販促

PickUP⑫:未来の井戸端会議はコインランドリーから生まれる

銭湯や書店等古くからの業態もコミュニティ機能を付加するなど進化している。コインランドリーを再発明したバルコは待ち時間をデザインすることで洗濯の場をお洒落なパブリックスペースに変えた。「風を切って先頭を走ろう」のバリューも良い。未来の井戸端会議は進化版コインランドリーから生まれる。
参考:コインランドリーを再発明する

消費者インサイト

PickUP⑬:Z世代の社会意識は本当に高いのか?

Z世代の職場選びの基準として社会貢献重視とか理念共感とか言われていて、それは確かに他世代に比べて顕著に高い。が、絶対値で見るとそこまで多いわけでもなく、むしろ「職場自体への期待値の低さ」が見える。雰囲気も安定性も評価も割とどうでもいいから、自分時間の邪魔をしない仕事がいいみたい。
参考:X・Y・Z世代の働き方への意識の差は?Z世代は転職やSDGsも重視

▶このNEWSを基に作成した記事はコチラ➡編集部が思わず取り上げたくなるアイテム。メディアインサイト埋め込み型のプロダクト開発とは

ブランディング

PickUP⑭:中庸、という個性。

ブランディングというと際立った何かを強調しがちだが、際立ってないことが個性になることもある。ドトールコーヒーは誰も置いていかない、をコンセプトにした「すべての今日を、支えていく。」を新タグラインに設定。毎日飲める価格帯や味こそ個性と捉え、これまでよりターゲットフォーカスも広げた。
参考:ドトールコーヒーの新タグライン、そのコンセプトは「誰も置いていかないコーヒーショップ」

プロモーション

PickUP⑮:全てのブランドが、いま「銭湯」に集まる

サンプリングも体験(UX)軸にシフトしている。注目のハラカド地下一階、小杉湯がプロデュースする銭湯を中心とした街「チカイチ」は感度の高い人たちに様々なブランド体験を促すマーケティングスポットにもなっている。単に配るだけではなく、その「場」でブランドの世界観を体験してもらう。
参考:花王、銭湯との協業でヘアケア訴求 体験機会の創出で高級ブランド周知

メディア

PickUP⑯:PRはアピールではない

受け手の立場を考えてメッセージする、というのは広告では常識だが広報ではまだまだ徹底されていない。自社の言いたいことを「アピールしなきゃ!」という気持ちが立ちすぎて、本来の目的から逸れたメッセージになってしまう。横並びで他社を参照し合っているから、その誤りにも気づきにくい。
参考:メディア取材を増やす広報企画10の原則、上手い広報が実践しているコツ

PickUP⑰:絞り込みと遊びの余白のバランス

インスタなど普及するサービスの特徴はシンプルさと自由度と高さの両立。カスタマイズ性を上げすぎて何でもできる、にするとメンドクサくなってユーザーは離れる。ある程度できることに制限をかけた上で工夫の余地を残しておく。マイナーキャラグッズをカスタマイズできるGoods Luckはバランスがよい。
参考:自分の「好き!」をカスタマイズして購入できるGoods Luckはこうして生まれた

PickUP⑱:ショートドラマは、ロングCMである

TikTokのショートドラマって、実はロングCMなのである。長いドラマ観たくないというユーザー側のタイパニーズと、ターゲットクラスタ毎に合わせて自由な文脈で商品訴求したいという送り手側のニーズとの交点。作るコツは記事広告とも同じで、惹き➡︎ツカミ➡︎畳みかけを埋め込み、離脱させないこと。
参考:100万回超えは当たり前?“狙ってバズれる”縦型ショートドラマの実力とは

PickUP⑲:耳の「可処分時間」が増加中

動画に比べ音声は脳が「能動的」にイメージする(でないと理解できない)ので印象が刻印される。音声の存在感がここ最近高まってきている背景には、各種サービスの増加はもちろんリモートの普及で職場でイヤホンするのが普通になったことやジム通いする人が増えて「耳の可処分時間」が増加したから。
参考:「耳の可処分時間」が拡大!デジタルサービスで活性化する音声メディア

PickUP⑳:1チャネル=1コンテンツの原則

以前は1コンテンツマルチユースが基本だったが、現在はチャネルごとにユーザー層が分断し文脈やニーズが全く違うので各チャネルごとに特化したコンテンツが必要。チャネルユーザーのインサイト理解のためには発信者自身がどっぷりユーザーとして肌感を持っていないと刻々と移ろうニーズに対応できない
参考:佐久間宣行氏に聞く、各メディアの「空気」。「2023年 日本の広告費」特別対談

PickUP㉑:脱・まったりタイアップ

編集タイアップ広告はこれまで「お金を払って露出」することに重きが置かれ、メディア視聴者・読者のアタマに何を残すか?という観点が抜け落ちていた。これではただの燃費の悪いPRだ。企業の裏側やほつれを敢えて見せていくようなリアル志向もタイアップだからこそできること。退職者と人事対談もいい
参考:ABEMA Prime×PIVOTプロデューサー対談
~企業は「動画メディア」と、どう関わるか?

PickUP㉒:この指とまれ型PR

PRとは「アピール」することではなく、企業の情報発信の窓を開放し、社会と適切なコミュニケーションをすること。Social Goodな取り組みをする場合、黙々と行うことも確かに素晴らしいが、その取り組みを思想付きで社会に発信することで賛同者を募り、また世の中のパーセプションを少しだけ変えられる
参考:PRとソーシャル・イノベーション。「共創」こそが社会を変革していく時代に


企画の幹は、言葉でつくる。

今回取り上げたような最新の広告・マーケ情報をアップデートしながら、現在様々な企業・ビジネスの支援を行っています。2021年に淡路島移住と同時に立ち上げたひとり会社ホイポイプロダクションズで、代理店サイドと事業部経験、また広告発想と編集視点を身につけた二刀流ライターとして腕を振るっています。単にコピーだけではなく、そもそもの問題点抽出や課題設定から戦略➡表現定着まで一気通貫で手さばきよく対応しますので、モヤモヤした案件があればお気軽にご相談を。マニフェストLPはコチラ▼

▶執筆記事ピックアップ:Newspickはコチラはてなブックマークはコチラ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?