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【広告・マーケ】トレンドインサイト 2月の注目NEWSまとめ

毎朝1つずつ、広告・マーケの最新トピックから得た洞察を投稿しているホイポイプロダクションズのX(Twitter)の1カ月分の内容をテーマ・項目別にまとめて掲載します。

広告クリエイティブ

PickUP①:メディア文脈の今 ~新聞広告とOOH~

マクルーハンは「メディアはメッセージである」と言ったが、広告とはどこに載せるか?というメディア文脈を含めてメッセージが完成する。その意味で新聞広告とは社会に大きな問題提起をする場として本来最適なはず、なのだが。。今はスマホ=スクリーンの向こう側に対抗したOOH=リアルだけが残る。
参考:「おじいちゃんにも、セックスを。」から始まった

PickUP②:通る提案書の書き出しとは?

提案書はある時から急に通りはじめるようになるが、そこの転換点は「話の始点を適切に定める」ところ。戦略的な太い幹を押さえた上で、それを土台に戦術の話をすると部署・立場が違う相手も理解してくれる。特に広報パーソンは来月の発信内容など戦術論から話をはじめがち。経営課題から話を始めるべし
参考:「できる広報」は、経営トップとどんな会話をしているのか

PickUP③:本質的な学びとプレゼン

根本的な条件を捨象した学びは役に立たない。たとえば建築は設計と資金調達の両面で成り立つが、日本の建築教育では資金調達のことを教えないから、製図で優秀でも社会に出て食っていけない。アメリカの大学では建てるまでのお金の動き、テナントの質、事業継続性も込みでプレゼンが必要。
参考:「デザインを、経営のそばに。」

PickUP④:adidas 2024年キャンペーンメッセージ

王道のコミュニケーションにおいても視点の当て方を少しずつ工夫することでのリフレッシュが必要。adidasの今年のキャンペーンはスポーツの「プレッシャー」に着目し「YOU GOT THIS(大丈夫、いける。)」というメッセージのもと、メッシや久保などを起用してプレッシャーを乗り越える先の楽しさを訴求
参考:メッシや久保建英ら起用 アディダスのグローバルキャンペーン新章がスタート
コチラのNEWSを基に記事を作成しました:「!」型広告と「?」型広告。直近の広告事例を紐解きながら2大アプローチのさじ加減を考察

PickUP⑤:パルコ 2024年キャンペーンメッセージ

パルコの広告2024年のテーマは「Believe It or Not!」進化したスマート家電やロボティクスが徐々にヒト化する様子を描く。リアルとファンタジーがないまぜになった不思議な世界を描く。解釈が受け取り手に完全に委ねられた「?型」のクリエイティブ。モノをカルチャーとして売ってきたパルコ的な語り口
参考:パルコ春シーズン広告と今年のコンセプトを公開 AIや拡張現実題材に
コチラのNEWSを基に記事を作成しました:「!」型広告と「?」型広告。直近の広告事例を紐解きながら2大アプローチのさじ加減を考察

マーケティング

PickUP⑥:進化心理学からみたSNS普及のメカニズム

表面化したニーズ(自分も他者も認識している)の裏に潜む人間の根源的欲求を探るひとつの筋が進化の過程で獲得してきた特性に注目する進化心理学。この観点でSNSを利用する理由を考えてみると、知性や開放性などの適応度評示をローコスト(金銭・手間・時間)でアピールできる手段であることが見える
参考:SNSは私たちの「適応度標示」の見せびらかしの場である~進化心理学とSNSマーケティング

PickUP⑦:削ぎ落としの哲学

サービスを磨くことは、コア領域以外を潔く捨てること。そこには哲学がいるし、内外の共通理解も必要。たとえばアプリ。何でもかんでも詰め込めるアプリだからこそ、よいアプリは潔く機能を削ぎ落としている。目的を一言で言えるものでなければ、様々なユーザーが利用して数値ベースの改善も難しくなる
参考:良いアプリの7カ条①:目的が一言でいえる

PickUP⑧:トレードマーケティングという発想

日用品や食品飲料であっても流れはBtoBtoCなので、消費者の前の「B」つまりバイヤーへのマーケティングも必要(トレードマーケティング)。彼らの尺度は「売りたいか/売れるのか」の2軸。それを置くことで他店から客は来るか?単価は上がるのか?あるいは消費者のトレンドやニーズに合っているのか?
参考:なぜ、いま「トレードマーケティング」が求められるのか

デジタルマーケティング

PickUP⑨:データ分析における大前提のバイアス

データ検証は「追える範囲だけ」というバイアスがある。CPAでの評価は短期に偏っていてブランド施策不利だったが、データクリーンルームにより中長期のCV検証ができるようになると動画の方がCPAが良い場合があるという。短期CV目的で使われるYouTubeのVACが、実は中長期の効果も良いなど新たな発見も。
参考:ブランド広告の「未来のCV獲得単価」までわかる!データクリーンルーム×機械学習の衝撃

PickUP⑩:ブランドの効果分析 最前線

長らく広告の課題だったブランディング広告の効果測定。ビューアビリティやインビューではなく実際のアテンション計測が先端のようだ。モニタデータで条件を探り、広範なデータに展開して推計値を出す。まあしかし、広告を見たからといって好ましい感情が生まれているかは不明なのであくまで中間指標だ
参考:アテンション指標をいかに活用すべきか―日本市場独自データを保有するGumGum Japanに聞く

PickUP⑪:リテールメディアの買わせ方

具体的なお買い物履歴データを元にターゲティングやCRMができるリテールメディアはこれまでのアドテクの一歩先を行っている。非計画購買カテゴリのアイテムは来店時にアプリやサイネージでPUSHすることで追加購買を促せるし、価格重視の商材か商品の魅力を推すべきかも過去のデータから判断できる。
参考:日本型リテールメディアの成功は、アメリカの模倣にはない。電通グループが考える未来

PickUP⑫:TVCM評価尺度における「指名検索」の2側面

TVCM接触後の検索行動の動機は「ECサイトでの購買」はもちろん「口コミサイトでの評判の確認」もある。シャンプーなど日用品はドラッグストアで買うほうが早いから、口コミチェックした上で店頭購買という流れが多い。「指名検索」というKPIひとつとっても、商品によってその解釈は異なってくる。
参考:20代女性層で高いシェアを誇る「いち髪」 ブランドを長期的に育てるクラシエのテレデジ戦略

消費者インサイト

PickUP⑬:「時間感覚」の世代間ギャップ

世代間ギャップの中で一番大きくて根深いのは時間感覚ではないか。オンデマンド動画サービスなどの普及で今の若者は自分の時間を管理したがる傾向が強い。特に女性は効率志向が高く評価を確認してから試聴したり、倍速視聴する割合が男性の倍程度。ここに無闇に広告を差し込むと嫌悪感を抱かれやすい。
参考:勉強も、趣味も、「タイパ」重視だけではないZ世代の動画視聴

PickUP⑭:過度な最適化が起こす「文明酔い」

ユビキタス社会になって利便性が行き過ぎると人は「文明酔い」のような症状を起こす。スマホ疲れやSNS疲れの果てにデジタルデトックスし、地に足をつけて深呼吸することで生気を取り戻す。物理から切り離されたデジタルによる不調を癒すのは、物理と密接なアナログ。レコードやカセットテープの癒し。
参考:便利がいい?いや、不便があるともっといい!!

PickUP⑮:女性が「丁寧な暮らし」を好きな理由

旅の目的が必ずしも目的地に着くことではなく、移動そのものであったりするように、日常生活においても手間ヒマのプロセス自体を人は愛でる傾向にある。便利すぎることについての抵抗感は男性よりも女性の方が2割ほど高く、女性メディアでライフスタイルネタが多いのも頷ける。どちらが先かは不明だが
参考:便利がいい?いや、不便があるともっといい!!

ブランディング

PickUP⑯:ナラティブの土壌を作るシティプロモーション

シティプロモーションといえば自虐ネタCMなどで外向けにアプローチするものばかりではなく、インナーブランディング的取り組みもある。奈良県生駒市では地域住民を活動に取り込んで、地元のよさを語り合いながらお互いに発見し強化し合う方法で、地域住民のナラティブ力の底上げをする基盤を作り上げた
参考:「シティプロモーション」の成果をいかに可視化するか?

プロモーション

PickUP⑰:専門店ブーム最前線「試食専門店」

専門店ブームもここまできたかと思うのが浅草の「試食専門店」試食BARアサクサだ。新しい味覚に出会えて、ランチ代も浮く。知られざる美味しい食べ物に出会うきっかけは他人の味覚に触れるパーティーなど意外と限られているので、意識的に発掘しに行ける場は消費者・生産者ともに魅力的だ。
参考:8割の来店客がアンケートに回答 試食でデータを集める店舗、ジャポリス

PickUP⑱:「放置された隠れストレス」を解消するCX

誰もが人生の一時期だけ通るイベントって過ぎたら忘れてしまうから問題が放置されがち。セールなどで買い込んだオムツが赤ちゃんの成長によってサイズアウトして使えなくなる問題もそうした「放置された隠れストレス」のひとつだった。おむつ無料交換便はそこに着目した優れたCX創出である。
参考:隠れたストレスの発見が“神サービス”を生んだ!ネピア Genki! 「おむつ無料交換便」

PickUP⑲:これが正しい「〇〇の日」だ!

毎日なんらかの◯◯の日が制定されており、そのほとんどはかなりしんどいこじつけ。語呂合わせがキッチリとハマると「美」が生まれるのでそのアイデアは必然性を纏う。11.11とか11.22、2.22など。という意味では9/3のグミの日、3/9裏グミの日、その協会の名前が「GUMMIT」あたりはなかなか素晴らしい。

メディア

PickUP⑳:TikTokの変遷

広告は哲学的クリエイティブで、編集は目利きのクリエイティブ。目利きの方は特定ジャンルに特化すればハードルがそこまで高くないのでだいたいのSNSはエンタメ系→インフォメーション系の流れを辿る。TikTokも例に漏れず、今はお役立ちショート動画が人気で、そのフォーマットのまま宣伝もしやすい。

プロダクトの優位性は次の優位性に連鎖し、ポジティブループによって他を圧倒する。TikTokの場合、最高のUI→ユーザー増による優れたUGCの発生→大量のエンゲージデータの蓄積→レコメンドエンジンの進化→連鎖するコンテンツの帯としての圧倒的面白さ(個別ではなくセッション満足度)という流れ。

短尺が好まれる時代において、Web記事だけがダラダラと長いのはいかがなものだろうか。 ショート記事化の流れこないか。TikTokユーザーは一日平均10回、70分動画を視聴。短尺なのに視聴時間が長い理由はそのテンポ感による中毒性。一日平均10回立ち上げるとは、全てのスキマ時間を席巻しているといえる

モノも生活者からの解釈が全て。中毒性のある短尺動画はミーム化しやすく、真似やすいフックを入れることでシミュラークルな拡がりを生む。ユニクロのラウンドショルダーバッグのヒットは、英国ユーザーによる使い勝手紹介動画から。生活者起点の「これがイケてる」潮流であるHYPE消費のなせるわざ

参考:TikTokの革新性とショート動画のこれから

PickUP㉑:ananのスピ含有率

【直近3カ月のananまとめ】モテマッチョ系4割/スピ系4割/イケメン2割くらい? モテコスメ⇦恋しい気持ち⇦最新ボディメイク⇦自分を活かす個性⇦チョコレートLOVE⇦ごほうび開運旅⇦運の拓き方⇦NEXT2024⇦エンタメNEWFILE⇦恋と運命⇦バランスバストのつくり方⇦免疫力UP温活⇦しいたけカラー心理学

ananは大体「モテマッチョ4割(うちボディメイク7割・メイクアップ3割)/スピ4割/イケメン2割」でルーティンしてて、イケメンやカラダの部位などの「ネタ」を更新することで回している。気になるのは結構多いスピ要素。今こんだけスピってたら読者がいつか妙齢になった時全員細木数子化しないか心配

企画の幹は、言葉でつくる。

今回取り上げたような最新の広告・マーケ情報をアップデートしながら、現在様々な企業・ビジネスの支援を行っています。2021年に淡路島移住と同時に立ち上げたひとり会社ホイポイプロダクションズで、代理店サイドと事業部経験、また広告発想と編集視点を身につけた二刀流ライターとして腕を振るっています。単にコピーだけではなく、そもそもの問題点抽出や課題設定から戦略➡表現定着まで一気通貫で手さばきよく対応しますので、モヤモヤした案件があればお気軽にご相談を。マニフェストLPはコチラ▼


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