敦子

中央ヨーロッパの大学院を経て、今はオランダに住んでいます。暮らしや旅のことなど。 恵文…

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中央ヨーロッパの大学院を経て、今はオランダに住んでいます。暮らしや旅のことなど。 恵文社一乗寺店(http://www.keibunsha-store.com/)へ寄稿中。不定期更新。

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科学と雑貨(博士課程を終えて)

前回の更新からかなり長い間時間が空いてしまった。その間、無事博士号を取得しました。博士論文を書くのは、巷で言われている通り(?)骨の折れる作業で、寺田寅彦のいう頭のいい人は登らない山だと思うのだが、頭の悪さゆえに好奇心で登ってしまい、中途半端に登ってしまったもんだから今から引き返して降りるのも大変だということで、時間をかけてなんとか登頂したという感じである。というわけで研究者にならない私にとって博士号の取得は、これから研究者になっていくために必要な準備段階というわけでもなく、

    • 風邪と記憶

      久しぶりに風邪にかかって体調を崩した。先日アムステルダムに行ったので、人混みに揉まれた時に移ったのではないかと思う。翌日働いている最中に突然喉にイガイガを感じて、寝る前には私が絶大なる信用を置いている葛根湯を摂取したが遅かったようで、そのうち鼻水とくしゃみが出始めた。発熱はないものの二、三日は気分優れず、必要最低限のことだけして寝るという状態である。 風邪はできればひきたくないものだが、風邪をひいてしまったからこそ美味しい料理もある気がして、それが私にとってはお粥である。幸

      • オランダのもったいない精神

        外国語を話していると、訳しにくい・または訳せない日本語に出会うことがある。「もったいない」という言葉はその一つであり、一応「無駄になる・役に立たない」というような言葉で代用した定訳はあるものの、やっぱり日本語の「もったいない」とはどこか違うように思う。もったいない(勿体無い)という言葉にはどこか「恐れ多い」とか「神仏」を連想させるような超越した感覚があり、己とは関係なく限りある資源を無駄なく使うという意味が込められているように思う。英語でMottainaiというWikiped

        • 砂糖じゃないから大丈夫

          秋に入り、ようやくオランダらしい天気になったというか、つまるところ最近は毎日曇りかしとしと雨が降っている。日も短くなってきて、気温も下がり、ヨーロッパで冬季鬱が一般的なのもよくわかる。私もこちらに移住して数年の冬は、とにかく心が晴れず何事もやる気が出ないという状態が続いた。友達に話したりすると日照時間が十分に取れないからビタミンDが不足しがちとかなんとかで、サプリメントを取ることをおすすめされたりする。試したことはあるがいまいち効果がわからなかったので今はやってない。 オラ

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        科学と雑貨(博士課程を終えて)

          雑という概念

          好きなことの話を聞かれると雑貨のことを話したいと思うのだが、雑貨という言葉に相当する訳語は英語にないようである。このため、現在私の住んでいる欧州の人に説明する時には、食器とか文具とかのように例をあげて説明するのだが、それに限定したいわけでもなく、あえて明記したくないから雑貨と言いたいわけで、その言葉がないのは不便だなぁと常々感じる。一応"miscellaneous goods"という訳はあるようだが、これを言っても雑貨のことが伝わるかは怪しい。 訳されることなくそのまま英語

          雑という概念

          編み物は間違えても解かない

          一年ぐらい前からかぎ編みに挑戦するようになった。ヨーロッパに来てから引っ越しすることも多く、それゆえに生活に必要最低限のものしか持ち運ばなくなったので、娯楽と言えるものというとスマホやパソコン一台でできることばかりになってしまっていた。それに嫌気がさして、これまであまり気が乗らなかった物理的な『モノ』を扱う趣味を始めてみようと思い、手を出したのが、かぎ編みである。 なんでかぎ編みかというと確か中学生か高校生ぐらいの時にやったことがあって、棒編みよりは簡単という風に記憶してい

          編み物は間違えても解かない

          SONNENTORのハーブティー

          ここ二年ほどオーストリアに住んでいるので、色々と国内の商品を手に取ることが多くなった。過去の記事でも少し触れたことがあるのだが、オーストリアは地産地消の意識が高いというか、オーストリア産の商品にはロゴがついていたりして、地元のものを積極的に流通させて消費しようという考えがあると思う。 オーガニックショップや一部の薬局でよく見かけるのがSONNENTORのハーブティーであり、これもオーストリアの商品である。店のスペースにもよるが、大体二十種類ぐらいのハーブティーがずらっと並ん

          SONNENTORのハーブティー

          本とコーヒーの関係性@ベオグラード

          国際学会のため、セルビアのベオグラードに来ている。日本語ではセルビア語の通りベオグラードというようだが、英語だとBelgrade(ベルグレード)であるためややこしい。過去二年のコロナ禍で、ロックダウンする国が多いヨーロッパだったので、多くの場合海外に出張しなければならない学会はほとんどオンラインに切り替わった。今回はコロナ後初めて国外での学会である。 研究分野にもよると思うが、私の行くような認知科学、心理学、音楽関係の学会は中央〜西ヨーロッパで行われることが多い。大雑把にま

          本とコーヒーの関係性@ベオグラード

          ウィーンの初秋・ホイリゲ

          八月の終わり頃になると、ウィーンのマーケットにはシュトゥルム(Sturm)というワインになる前の段階の発酵した若いワインが出回り、ワインの季節がきたと感じることができる。本来は九月末から十月初旬に出回るようなのだが、夏休みに観光客が多いこともあってか、八月末から手に入れることができる。 ホイリゲ(Heuriger)というのはオーストリア(特にウィーンのある東部)のワイン酒場のことで、伝統的には自家製のワインと軽食を出す場所のようだが、最近ではそうでないホイリゲ風のレストラン

          ウィーンの初秋・ホイリゲ

          プライド月間@ウィーン

          六月はプライド月間ということで、ウィーンの町中がレインボーフラッグに溢れている。プライド月間とは、様々なイベント(デモ行進、映画祭、美術展、コンサートなど)を通して、LGBTQの文化や活動を伝え、称えるものである。 六月に入ってからトラムにはウィーン市の旗の隣にLGBTQを表すレインボーの旗がたてられ、レインボーのトラムが街中を走っている。また、歩いていても各店舗や建物が全体がレインボー色に染まっていることもある。 インターネット上を見ても、オーストリアでよく使われるwi

          プライド月間@ウィーン

          海外で生姜の飲み物1:ジンジャーショット

          最近自分の研究論文だったり、博士課程終了後の就職に関わるような書類を書いていて、根を詰めて机に向かって書き物をすることが多かった。数週間、集中して作業行う時は特にいつも以上に体調を崩せない。そんなときに頼りにしているのが、生姜の飲み物である。今日はジンジャーショットについて書いてみたいと思う。 ジンジャーショットは、生姜の絞り汁が主体の辛い栄養ドリンクである。栄養ドリンクといっても、エナジードリンクのようにあれやこれや配合されているわけではなく、基本成分は生姜由来のもの。タ

          海外で生姜の飲み物1:ジンジャーショット

          ウィーンの本屋(シェイクスピアブックセラーズ)

          コロナも収束に終わりつつあるし、私の博士課程も終わりに近づいているので、そろそろウィーンの街を探索し始めてみようと思う。京都に住んでいるときにも思ったが、観光地に住んでいると「いつでも行けるや」と思って意外と色んな場所を訪れないまま土地を去ることになったりする。 ウィーンの街並みは美しくただ歩いて建築物を見ているだけでも楽しい。文化的な催しもたくさんあり、オペラ・コンサート・映画・美術館など質の高い芸術を気軽に楽しむことができるのも、この街に住んでいる特権だろう。 なんと

          ウィーンの本屋(シェイクスピアブックセラーズ)

          Haunoldのフェルトスリッパ

          中央ヨーロッパは昔から寒いこともあって、古い建物でも二重窓になっていたりセントラルヒーティングシステムで防寒対策はバッチリのところが多い。外は寒いけれど、意外と建物の中に入れば大丈夫である。日本に住んでいた時は隙間風なのかどこからか冷気がやってきて温めても温めても寒い時は寒かった気がする(北海道などはまた事情が違うのかもしれないが)。 しかし家の中はフローリングだったり場所によっては石のフロアもあるので、素足はもちろん靴下で歩いているとさすがに寒い。そもそも日本と違うので靴

          Haunoldのフェルトスリッパ

          夜行列車 - ÖBB Nightjet -

          オーストリアの国鉄ÖBBにはNightjetという夜行列車があって、ウィーンとヨーロッパの主要都市を繋いでいる。ドイツ、スイスといったドイツ語圏内はもちろん、オランダ、ベルギー、フランス、イタリアにも電車一本で行くことができる。パンデミックでしばらく運行中止になっていたが、去年の途中ぐらいから再開した。 年始に初めてNightjetに乗ってウィーンからオランダまで旅をした。オランダの国境付近まで約十二時間かかる。コロナ禍なのでドイツ・オランダ国境付近のチェックがあったり(な

          夜行列車 - ÖBB Nightjet -

          kokedamaのススメ

          寿司やラーメンといった日本食をはじめとして、ヨーロッパにいると日本文化に出会うことは度々ある。ありがたいことに日本に対していいイメージを持っている人が多く、日本から来たというだけで好意的に扱ってもらえることも少なくない。日本とヨーロッパは何千キロも離れているのにこれだけ日本のものがあるのはよく考えると不思議である。 こちらに来るまで知らなかったが、日本の庭や盆栽など植物文化も浸透している。植物園のようなところに行けば小さな日本庭園があったり、道端でたまに盆栽屋を見かけるのだ

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          クリスマスマーケット@ウィーン

          去年はロックダウンで中止になったクリスマスマーケット。今年はクリスマスの少し前から再開し、ウィーンの街中豪華な飾りで彩られた。クリスマスマーケットと言うとドイツの印象が強いかもしれないがオーストリアでも各地で開催されている。特にウィーンは大きな街なのでそれぞれ観光名所(ウィーン市庁舎、ベルヴェデーレ宮殿、シェーンブルン宮殿など)でマーケットが開かれている。 大きさも様々だが一番大きいのはウィーン市庁舎(Rathaus)前のクリスマスマーケットだ。色々なものが売られているが、

          クリスマスマーケット@ウィーン