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【読書】 嫌われる勇気 〜それは本当にあなたの人生ですか?〜

・原因論ではなく目的論
・すべての悩みは「対人関係の悩み」である
・自由とは、他者から嫌われることである

以上が本書の結論です。これを読んでくれた皆さんの悩みが少しでも解消され、今を生きることができるようになれば嬉しいです。それでは早速、読み進めていきましょう!

●原因論ではなく目的論

過去の出来事が原因で、現在の行動・感情があるという考え方を「原因論」
現在の行動・感情を作り出すために、過去の出来事を理由にするという考え方を「目的論」と読んでいます。この考えをものに、本書ではトラウマは存在しないとしています。
具体的には、
過去にいじめを受けたから、両親に虐待を受けたことを理由に、現在、引きこもりになっている人がいるとします。しかしこれは原因論的思考であり、実際はそうではないというのです。引きこもりになることで、いじめを受けることなく、親から心配されるようになる。つまり、悩まない、傷つかないという目的のために、過去の出来事を理由に、引きこもることを自ら望んでいるという。これが目的論です。

多くの人は、原因論を持ちます。その理由は、そのほうが楽だからです。過去にあんなことがなければ、もしあの時違う選択肢があれば、もっと裕福な家庭に生まれていれば、今の私はこんなことになっていないのに。と、何かのせいにしていれば、自分は傷つくことなく生きていけるからです。しかし、このような原因論をもつ限り、一歩も前には進めません。変わること、幸せになることには、勇気が必要です。その勇気さえあれば、人はいつでも変われるのです。

ここで、もう一つ面白い内容をお話しします。
それは、「人は怒りを捏造する」です。
はあ?という感じですよね笑。しかし本書では、怒りは感情ではなく、相手を威圧・支配するため「道具」だと断言しています。
例えば、母親と口論をしていたら突然電話がかかってきます。すると母親は一息置いて、いつもよりワントーン高い声と優しい口調で電話に出ます。電話が終わると再び血相を変え、口論を始めます。
皆さんにもこのような経験が一度はあるかと思います。私は何度もあります笑
もし、怒りがどうにもできない感情なら、母は冷静に電話に出ることはできないでしょう。怒りが目的に応じて出し入れできる道具だからこそ、成せる行動だと言えます。

●すべての悩みは「対人関係の悩み」である

人間の全ての悩みは対人関係であり、その根源には劣等感から生まれる劣等コンプレックスがあるとされています。
本書では、劣等感は、「客観的な事実」ではなく「主観的な解釈」であるとしています。つまり、劣等感を劣等感だと感じるかどうかは、自分自身だということです。
私自身の経験をもとにわかりやすく説明します。
私は身長が166cmです。客観的な事実だけに目を向ければ、平均以下でスタイルが悪くモテにくいという劣等感が生まれます。しかし、人に威圧感を与えない、愛されやすいサイズ感だと主観的に解釈できれば劣等感はなくなります。つまり、劣等感を及ぼしうる原因について、自身でどのような意味づけを施すか、どのような価値を与えるかで、劣等感はなくなるということです。
ただ、本書では劣等感を持つことは悪ではないともしています。劣等感があるからこそ、AだからBになれるように努力しようと思えます。しかし、劣等感をコンプレックスに感じることはよくありません。AだからBにはなれないというように、劣等感をある種の言い訳に使い始めることは、決してしてはいけません。他者との比較ではなく、理想の自分との比較の中で生まれる劣等感を大事にしていきましょう。

●自由とは、他者から嫌われることである

ここで、勘違いしてほしくないのが、自ら他者に嫌われることをやろうと言ってるわけではありません。嫌われることを恐れるなということです。そのために、本書では、承認欲求を捨てることが大事だと言っています。何故、承認欲求を捨てるのか?それは、本当の自分を生きるためです。
我々はこれまで、賞罰教育を受けてきました。適切な行動を取れば褒めてもらえ、不適切な行動を取れば罰せられるというものです。裏返せば、褒めてくれる人がいなければ適切な行動をしない、罰する人がいなければ不適切な行動もとるとも考えられます。このような思考を持つことで、自然と、他者の期待を満たすために生きてしまうのです。結果的に他者を生きることになってしまうということです。

では、他者ではなく、自分を生きるためにはどうしたら良いのか、それは「課題の分離」です。ある事柄について、「これは誰の課題なのか?」ということを考えます。他者の課題である場合、絶対に踏み込んではいけません。
あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に踏み入ること、自分の課題に踏み入られることで引き起こされるからです。
誰の課題であるかの判断基準は、その課題が生み出す結末を最終的に引き受けるのは誰か?を考えれば良いです。
承認欲求を捨て、他者から嫌われることを恐れず、自分の課題に目を向けて、自分を生きることが、本当の自由だということです。

●最後に

本書を通して強く感じたことは、過去でも未来でもなく、「今の自分」に目を向けて生きるということです。誰にでも、どうしようもなく辛い過去、想像もつかない未来への不安はあると思います。しかし、考えたところでどうにもなりません。過去や未来に囚われることは、他者を生きることと同じなのかもしれませんね。

ここまで読んでいただきありがとうございます!興味を持った方は是非、手にとって読んでみて下さい!


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