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#3. 悩める人類 〜コロナでストレスを感じるのはノーマル〜

もし、原始人が現代にタイムスリップしたら、どうストレスを感じると思いますか? 

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現代人の脳の一部は、原始から進化させたものを受け継いでいるので、ストレスを感じるメカニズムは原始人と同じ(そんな〜!)。だから、現代人がコロナでストレスを感じるのもごく自然な反応というお話です。

原始人と現代人、ストレスの本質は変わらない?

原始人を想像してみましょう。小さな集団で洞窟に住んで、マンモスが襲ってきたら攻撃して、草原の植物や狩りでしとめた獲物を食べて、その日の空腹を満たす。集団を離れて単独プレイをすると、獣に襲われたり、狩に失敗して獲物が取れずに飢え死にする。生命の危機といつも隣り合わせのサバイバル。

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現代人はどうでしょう。もう洞窟には住みません。マンモスもいませんし、食糧調達のために狩に行かないでしょう(漁師・猟師を除いて)。命の危険にさらされて、日常を過ごしていません。コロナ以外は・・・

現代人は、日々の糧という意味では、食べ物の代わりにお金の心配をします。洞窟はいりませんが、安心して生活できる場所という意味では、家が必要です。集団からはみ出ても、獣に襲われませんが、社会的孤立は、孤独死などにつながります。

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仕事のストレスの要因の上位には、だいたい「職場の人間関係」が入りますよね。これも、集団生活を送っているために生じる悩みでしょう。古代と現代では、ストレスを感じる対象が変わっても、生きるためのストレスの根本は同じなのです。

こういう意味では、コロナは、ストレスの源になる全ての要件を備えた最強のモンスターかもしれません。要件1:コロナそのものが生命を脅かす、要件2:コロナにより生活の糧(経済活動、仕事)が奪われる、要件3:ソーシャルディスタンスやステイホームで孤立感が高まる、要件4:集団生活も感染リスクを気にしながら送る。だから、コロナでストレスが高まるのは、とてもノーマルなことかもしれません。どうか自分や周りの人を責めないでください。

でも、原始時代に比べて、私たち現代人は、グローバル化社会という大集団で生きています。それだけに、人と比べられる機会が多くなり、落ち込んだり、他人を羨んだり・・・。「もっと早く、もっと多く、もっと便利に」と、キリのない欲望が渦巻く超ストレス社会になりました。

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モンスターと綱引き

そう、ストレスや悩みをもつのは、ごく自然なことです。それなのに、どうして私たちはそれを消そう、変えようと思うのでしょうか? (そりゃ、苦しいですよね、辛いですよね、どうにかせずにはいられませんよね!)

それは、私たちが、周りの物事を「コントロールできる、コントロールすべき」と思い込んでいるかもしれません。例えば、自己管理能力が低い(体調管理ができてない、感情を抑えられないなど)と、「社会人として大丈夫なの?」と思われることがありますよね。学校教育でも、時間が守れなかったり、宿題を忘れたりする生徒・学生は、「○○ちゃん、ダメでしょ」と、先生に叱られますよね。

でも、人間は何でもコントロールできる万能の神ではありません。驚くことに、人間は自分の思考すらも、言葉のチカラがあるために、コントロールできないのです(詳細はバックナンバー#2)。

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でも、私たちは、解決方法を見つけだそうと全力で頑張るのです。どのように頑張っているのか? 想像してみてください。あなたは崖っぷちに立っていて、崖の向こうには勝てそうもないモンスターがいます。そして、必死に綱引きをしているのです。綱引きに負けて、崖に落ちたら死んでしまうからです。

悩んでいるのは、全力でこの綱引きをしている状況なのです。どうして、こんなことをしているのでしょう? どうやったらこの綱引きを終わりにできるのでしょうか? (次回に続く)


--本記事のイラストは、freepikよりライセンス取得済みのものです--

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