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マージョリー★あっこ(小林 昭子)
2020年6月4日 00:43
→7より「気になる人はいないの?」Cちゃんにそう訊かれたとき、ふいに目の前に浮かんだのは、Sさんだった。そんな自分に、心の中のもう1人の自分が意見する。 「それはいけません」だって世代が違う。わたしが大学に入学したころ、Sさんはこの世に生まれている。「歳なんて関係ないよ。いっかいデートしてみたら?」 Cちゃん。なんて軽やかで屈託のないことを。ありえない未来の、あるはずのな
2020年6月16日 11:51
一人暮らしには、なかなか慣れなかった。半身で泳ぐ魚のように、苦しく痛く、生きているだけで消耗していく。消耗しながら、新しい皮膚をも再生してゆく。庭木の剪定は、例年、私がやっていた。なので1人になってもなんら問題なくできるはずだった。けれど作業を始めてすぐ、それはまったくの見当違いだったことに気づく。まず「剪定を始めるよ宣言」を聞いてくれる人がいない。腕が疲れて「休憩したい」と叫んでも、麦