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「愛着障害」と「愛着存在」(第二期:第3回④)
「愛着障害」と言った場合、診断基準である「DSM-5」に記載のある反応性愛着障害と脱抑制型対人交流障害を指します。愛着障害に限らず精神疾患には診断基準があり、診断を行うのは医師ですが、医師でなくとも知ることは重要です。前後して様々な問題や葛藤があるからです。診断はこのプロセスの1つです。
1.「反応性」と「脱抑制」2つの愛着障害
「無差別警戒状態」の「反応性愛着(アタッチメント)障害」
反応性愛着障害は、安心を求めないことやネグレクトの関連が記されており、愛着対象を見出せず、安全基地機能の体験が不充分であることと関連します。その体験がある程度あれば、苦痛は基本的に癒すことができることや、そのために他者とのコミュニケーションが有効であることを体験的に知っています。
”基地を失った兵隊が敵地でひとり生き残るために無差別に警戒をしている状態”に似ているように思われます。
「無差別迎合」をする「脱抑制型対人交流障害」
脱抑制型対人交流障害は無差別的に大人を求めることを特徴とし、こちらもネグレクトの関連が記載されています。愛着対象つまり安全基地を確立することができていないために、その都度に、それを探している状態と言えるでしょう。脱抑制型愛着障害という記載もありますが古い名称程度の理解で充分です。
”基地を失った兵隊が敵地でひとり生き残るために無差別に迎合しようとする”というイメージでしょうか。
どちらもネグレクトの関与が記載されていますが、これは、その他の虐待やマルトリートメントが無関係であるという意味では決してありません。いずれも愛着、つまり安全基地機能に関わり、心身の発達を阻害するものです。その結果のひとつの現れ方として愛着障害やそれに近い状態があるということです。
2.誰もが抱える「愛着の問題」、そして…
発達障害が広く知られようになり、「自分もそうではないか?」と考える人が増えました。愛着障害も同様になるでしょう。誰しもが愛着に関わる問題を多少なり抱えているからですが、発達障害の一部もしくは大部分が愛着障害ではないかと言われ始めたことも注目に値します。これについても後に触れます。
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