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「性」と「愛」~性的虐待、性教育、性の人間的発達など~(第二期:第2回④)

1.性的虐待ついて

性的な行為を強要することに限らず、大人の性行為を見せることや、性的暴言を投げかけることも含まれる性的虐待には、倫理観や道徳観、社会性とは異なる次元での生物としての本能ともいえる部分が関わっていることと考えられます。より生物的な意味での「ヒト」としての機能とでも呼ぶべきでしょうか。

動物においては、雄が自分の遺伝子を残すために選んだ雌に、他の雄との間の子どもがいれば、邪魔にしかならず、殺してしまうことがあるそうです。また、雌の親子がいた場合、どちらも妊娠・出産できるならば、若い方を選ぶのは自然と言えます。これが人間において起これば虐待死や性的虐待となります。

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性的虐待は、他の虐待より認知されにくいという難しさがあります。より密室性が高い状況で起こること、加害者が秘密を要求すること、被害者自身の身体感覚的な反応(快感)が罪悪感と結びつき、さらに報告されにくくなること等です。また、支援者側にとっても受け容れ難い問題であることも要注意です。

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2.性教育に不足する人間学

性というテーマにおいては、虐待以前に、その教育に難しさがあるように思われます。今日の性教育は、身体発達に伴う生殖(器)機能や、望まない妊娠や性病の予防等、生物学的が主な内容となっています。しかし、人間(学)的な知識、つまり「愛」や「相互尊重」の内容こそが性教育においては重要です。

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