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ドラッカーと12人のリーダー、そして「自分」 (#003:『マネジメント』)

十二世界、十二神、十二景色

社会人になって経験した「職場」は、
この本を読み終わった時点で12の組織と事業所。
行政機関、社会福祉法人、NPO法人、学校関係。
12人の「リーダー」と12通りの「マネジメント」、
そして12の「組織」と「現場」を見てきた。

そんな経験則からの結論は…
乱暴だけど、リーダー次第で「組織」は
ほとんど決まっちゃう…ってこと。

そしてこの本を読んだ感想は…
無謀かもしれないけど「マネジメント」は、
変える余地がありそう…ってこと。

そしてこれは「自分」にも言える…ってこと。
そしてきっと「あなた」にも言える…ってこと。

旧態依然とする「固着おじさん」

「最近の若いヤツは」議論は、
「組織」に限らずよく耳にするし、口にもするかもしれない。
誰の口から出ているとしても、心地よい声ではない。
だいたいがネガティブな情報がその後に続くから。

そして、言っている人たちも昔、
「最近の若いヤツらは」と言われてきたはず。
連鎖する「言語による暴力」。
「虐待」と根本的に同じ。
“最近の若いヤツは虐待”。

今回はこれ以上触れないけど、
無自覚に次の世代にリレーするのは避けたい。

当然、「最近の」とか「若い」とか言う場合、
「昔の」と「年長」が前提としてある。

かつて同じように言われた「昔の若いヤツ」、「最近の年長者」は、
“最近の若いヤツは虐待”の「昔の被害者」、「今の加害者」。


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そしてまた彼らも「古い考え」や
「昔の成功かどうかも怪しい体験」を基準にする。
「固着」という概念に近い現象だから、
「固着おじさん」と呼んでおく。おばさんもいるけど。
もちろん、特定の世代全員を指してはいない。

「古いもの」は、古いままでは新しくならないから。
新しく何かを「追加」しないと、「保存」さえできないから。
保存食も、剥製も、ミイラも、放置するだけでは、
どれだけ望んでも、願っても、祈っても「ただ腐るのみ」だから。
現状維持を後退だとか衰退だとか言うけど、
「旧態依然たるは腐敗」。これが現実だと思うから。

このドラッカーの『マネジメント』を紹介する
この本にはこうある。

“成功は常に、その成功をもたらした行動を陳腐化する。
新しい現実をつくりだす。”
“「そうして幸せに暮らしました」で終るのは、おとぎ話だけである。”
“50年どころか30年でさえ有効なものはない。せいぜい10年が限度である。”

賞味期限。有効期限。

「管理」は「組織」を「機能」させるために

さて、「固着おじさん」と呼ぶ人たちに共通する傾向がもうひとつある。
それは「管理」とか「責任」とかについての誤解。

まずは「管理」について。
彼らは「人」を「管理」しようとしている。
そして「弱さ」を「克服」させようとしている。
「管理」すべきは「組織」で、もっと言えば「機能」だ。
その「機能」は「人の強み」によって発揮される。

“人というものは彼自身のために支配されなければならない。”
“かつての主人は、奴隷の肉体を支配することで満足していた” 

ドラッカーの言葉はセンセーショナルかもしれないけど…
普通に考えて、人は人を「管理」できないし、すべきでもない。
歴史的には、過去、そういうことがあった。
ん?今も、形を変えて残っているのか…。
話題が大きくなり過ぎちゃうから、今回は書かないけど、
「人権侵害」をし得る「構造」から見直した方がいいと思うな…。

“人のマネジメントとは、人に強みを発揮させることである。”
“人が雇われるのは、強みのゆえであり、能力のゆえである。”
“組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、
人の弱みを中和することにある。”

組織の「責任者」が問われる「責任」とは
その組織の「目的」が「成果」として現れているかということ。
組織を構成する「個人」の「強み」が発揮されているかということ。
そして「弱み」がうまく「中和」されているかということ。
ある人の弱みを中和するのは、他の人の「強み」だと思う。

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Aという人の「強み」を発揮するために
Bという人の「強み」が必要であれば、
生まれた「成果」は、AとB、2人によるものだ。
出産は1人でできても、妊娠は1人ではできない。

組織が成果をあげるために
責任者がAに「求めるべきこと」は明白。
その「強み」に磨きをかけること。
「弱み」の克服ではない。
間違っても「指摘」でも「叱責」でもない。

「責任問題」問題

次に「責任」について。
記憶の限り…
『マネジメント』ではこの言葉を定義していない。
日本人にとっては曖昧で不明瞭な概念だけど、
アメリカ人にとっては定義するまでもないほど
明確な言葉なのかもしれない。
なにせ「自由の国」で、「責任」は「自由」とセットだから。

でも、我々は日本人なので、
これを前提としてしっかりと確認しておく必要がある。

辞書的には…
①立場上当然負わなければならない任務や義務。
②自分のした事の結果について責めを負うこと。
③法律上の不利益または制裁を負わされること。
Wikipedia的には…
ラテン語のrespondereレスポンデレ(英語ではrespond)に由来しており、
何かに対して応答すること、応答できる状態のこと。

ある職場で、おれがおれ自身の個人的なことの決断、
決定についてある上司に報告する場面があった。
「固着おじさん」の登場だ。

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