【植栽家の日常】20230530 植栽デザイン案件の撮影取材2件など
今日は、秋に発売されるムックの記事に掲載するデザイン実例として、私が植栽設計した群馬県内の2案件を撮影・取材していただきました。
植物の個別写真もたくさん撮ったし、組み合わせのこだわりや意味づけなど、いくらでも解説できるのですが、親切心で出し惜しみせず細かい説明付きで投稿しても、本の発売後amazonとかのレビューで「SNSとかで見てすでに知ってる情報ばかりでした」などと書かれてしまう現実に「なんだかなぁ」と思うこともあり、今後は自分が発信する情報の価値を考え、ちょっと出しおしみすることにしました。
個々の植物名やデザインの説明については掲載書をご覧いただければと思います。
私自身も自分への覚え書きのような感じでSNSやブログの投稿をしてきましたが、誰でもタダで見られる場所に私しか知り得ないような情報を書くことで、出したと同時に私が大切にしている知識や経験や情報が「既に知っていること」と陳腐化されるのであれば、有償の場所に書くか、他人には見せない自分だけの場所にネタとして書き溜めていく方向に向いてしまうんですよね。
タダで情報を得ている匿名の人の八つ当たりのような物言いによって、私自分の情報発信が不自由になったり成果物の評価にキズがつくのも理不尽ですし、私自身が発信する情報を制限するということは、普段から私からの情報を楽しみにしたり有効に役立ててくださっているフォロワーの方に対しても不便で不利益なことと思います。
他人のネガティブな意見をいちいち気にせずに、これまでと変わらず出し惜しみなく発信していくのもひとつのテなんですが、今はちょっと情報の出し方を慎重に考えたいなと。そんな気分です。
話は戻って、それはそうと今週はずっと雨続きという予報だったため、今日の撮影も雨降りになってしまうのではないかと先週からとても心配していたのですが、見事にいい感じに晴れて最高の撮影日和になりました!
昨日までの雨上がりでもあるので、植物がとてもリフレッシュしていていい表情をしていました。
植栽と美しい建築と青い空はやはり蜜月的な組み合わせですよね!
施工から数年経過し植物も大きく育って、どちらの案件もとても植栽と建物が馴染んだ迫力とデザイン性と自然な佇まいが融合した風景になっており、私自身とても感慨深いものがありました。
今日撮影した2件は設計時期が近かったこともあり、当時の私の志向や植物セレクトにとても共通点が多いなと、続けざまに2件の取材に立ち会ってみて思いました。
そして、やりたいことをかなりたくさん盛り込めた2021年竣工の植栽設計案件「鶴岡邸」は、今日撮影した2件の考え方の延長線上にありつつ、さらにそれよりも過去の私の考え方や作風や、新たに考え出した実験的アイデアも巻き込んで螺旋上に進化したジンテーゼなのだなとも改めて思いました。
自身の作品を一気に見直すことで、過去を総括してそこから新しい発想の足掛かりが得られますね。「既によく知っている情報」をいろいろな角度から俯瞰したり見直したり再評価することっていうのは、新しい何かを作り出す上でとても重要なプロセスだし、「既によく知っている情報」について再度深く思考すること自体がとてもクリエイティブで意味のある思考作業だと思うんですけどね。
今年も建築家との全く性質の異なるコラボデザイン案件が3件同時進行中で、これらのプロジェクトを通してまた新しい概念や世界観を提示できるといいなと思っています。
また、それらの作品は全くのゼロから誕生するものではないということも書き添えておきましょう。
私だけでなく私以外の多くのクリエイターがこれから作り出す作品も、各々が既に世に出した作品やこれまでに得てきた「既に知っている」情報や知識や経験や考え続けてきたものの集積的要素も多分に含んでいるのではないでしょうか。
むしろ「過去の要素を含まない新しいモノ」ってないのではないでしょうか。
私の将来作も、私がそれまでの人生を通じて既に知り・考えてきたことに、少しスパイシーな新しいアイデアを加えて再編集されたものになるでしょう。とはいえそれは過去に属するものではなく「私が考えるちょっと未来の植栽像」であることも確かです。過去にやったのと同じ思考の組み合わせをしない限り必ず新しいものが生まれるのは自明なので、むしろ過去の情報を制することで未来を創れるようにさえ思います。
料理といっしょで、クリエイターの作品というのは、全くの新素材で作られるわけではなく、既にある素材の組み合わせを変えたり味付けを変えたりして新メニューを創り出すのと似ています。毎度同じレシピで同じ味を守り続けているわけではないんですよね。別の料理になっているのに「この素材は既に食べたことがある」なんていってたら食べるものがなくなってしまいますよね。
そんなのは無粋なことと思います。
【メディア掲載・出演のお知らせ】
「趣味の園芸 テキスト 2023年6月号」の番組連動ページ「稲垣吾郎 グリーンサムへの12か月③ ほしい風景を植物でつくる」にて私 太田敦雄が講師として執筆、6ページにわたり掲載されています。
2023年6月25、28日放送のNHK Eテレ「趣味の園芸」にもフルで出演します!
【今日のピアノ練習覚え書き】
来週の弾き合い会に向けて10曲のプログラムを作り
、3巡で3-3-4曲に分けて弾こうと思っています。
現状出来映え的にややマズめな曲もいくつかありますが、いろんな曲を人前で弾く実験やチャレンジもかねて、同じ曲を複数回弾かないですべて違う曲でプログラム演奏してみたいと思います😊
今日もこの曲順で全曲弾く練習を2回ほどしました。
ウォーミングアップ
スケール #系全調
モンポウ 「内なる印象」第3番、
以下、楽曲練習
来週末にインスタのピアノ同好会の弾き合い会を見据えた準備練習を中心に。
バッハ 平均律 第1巻 2番、6番
弾き合い会では2番を弾くので、人前で弾く意識で2番のプレリュード&フーガ通しを中心に練習しました。そういえばここ数日6番に手を付けてません😅
ラフマニノフ 楽興の時 第3、4番
弾き合い会では3番を本番レベルで、4番をゆっくりだけど表現を付けて弾けたらなと思っています。
今日は3番4番を本番気分で通し、4番の苦手箇所を部分練習しました。
4番はここに来て日に日に進歩している感じがしています(あくまで自分比😅)
パスカル・ヒメノ 演奏会用リズムエチュード
1-1 ファンキー、1-3 ボレロ
ファンキーはスピードを少しづつ上げて、かつミスを減らすように練習。
ボレロはゆっくりで音をハズさないように超慎重弾き込み開始。
この2曲は6月ね弾き合い会では弾きませんが、8月までには大体形にしたく地道に頑張ってます。
スクリャービン エチュードop.2-1
週末の本番に向けて曲想をつけてノーミスノンストップで弾き切れるように慎重に通す練習。
スカルラッティ ソナタ K.466
本番までに少しでも不安定さが減るようにミスしないで慎重にゆっくり通す練習。
ベートーヴェン
創作主題による32の変奏曲
今日は、14から31変奏までをゆっくり間違えないように慎重に通しました。
その他、
6月の弾き合い会で弾く予定のドビュッシー 版画全曲も暗譜で通し練習しました。グラナダの中盤と雨の庭のラストが結構不安なモノがありますが、ギリギリまで修正頑張ります。
あともう一曲、弾き合い会の出番では最初に坂本龍一さんの「andata」でプログラムをはじめたく練習しています。
この曲もスカルラッティのソナタ同様、練習時間をあまり割いていなかったので弾き合い会で弾くにはかなり心配があったのですが、これも楽譜超ガン見で意地でも間違えないようにしつこく練習していたら、なんとなく週末の本番に間に合いそうな気がしてきました。
そんなこんなで、週末にピアノ本番を控えつつの仕事も全開に思考が多いモードでなかなかタイヘンな一週間ですが、状況の波を楽しみつつサーフィンしていきたいと思います!
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