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自選詩

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記事一覧

良心

良心とはなんだろう 信頼とはなんだろう 荷物を見てて、と預けられる買い物袋と鞄 売り場を見…

林明乎
4年前
9

波 / poetry

七月の日が暮れる せまい六畳間で手元の灯りもつけず 窓を開けたまま 寝そべって 薄暗くなって…

林明乎
4年前
13

世界を壊す / poetry

漏らした嗚咽が 音を立てて落ちるアスファルトの上で どうしてこんなになるまで放っておいたの…

林明乎
5年前
1

書くことについて / poetry

何を書けばいいだろう そう思って気づく いいとは 何か ひとに読んでもらえる ひとに見てもら…

林明乎
5年前
8

話をしようよ / poetry

アイスコーヒーの氷が溶ける速度で話をしようよ 薄くなるのも構わずに パキンと鳴って崩れる氷…

林明乎
5年前
7

告白 / poetry

生理だって言ってるのにじっと見てくるので 咥えてやった えらすぎる 奉仕だとか横文字だとか…

林明乎
5年前
3

忘れない / poetry

きょうのことを忘れていく さっきあったことを忘れていく どんどん忘れていくことを止められない そうやって日々を生きて 忘れながら生きて 何を忘れないと言えるだろう 忘れないと言った事柄を 本当に宝物のように箱に入れて 絶対に忘れない棚にしまって 本当に忘れないでいられるか 私には断言できない 日々、思い返して 思い出して 寝る前ごと思うような事柄こそ 続いていくのかもしれないと思いながら いつかは思い返さなくなる その日がくることを知っている 知っていて 思い返したり思い出し

希望 / poetry

希望ってなんだろう 僕らはそれを抱く きらきらした光の粒 虹色の光線 靄が晴れていく朝の林 …

林明乎
5年前
3

タンポポ / poetry

涙がでるくらい笑いあったあと ひとり 夜道を帰る 信号で立ち止まれば 白い息が 空にのぼって…

林明乎
5年前
6

Beautiful World / poetry

友人の家に行くと ソファで猫が眠っていた となりに座ると 少し身動きをして 前足で顔をかくし…

林明乎
5年前
2

星たち

ロケットは突き刺さらずなめらかに小さな角度で宇宙に侵入する 空気の膜 しゃぼん玉を 割らな…

林明乎
5年前
6

並べられた朝

テーブルの上に並べられた朝を ひとつずつ食べていく 月曜の朝 火曜の朝 ひとつずつ食べていく…

林明乎
5年前
2

ストリングスの奏でる音は群青色 足元の雫から立ち昇る季節 雨 さらさら 信号機を濡らす 街路…

林明乎
5年前
2

通り過ぎていった雲の群れ そのひとつに乗った三毛猫のあくび 虫の声はしゃらしゃら鈴を鳴らすよう 窓の隙間から入って耳を満たす 草むらは大渋滞だろう 柴犬の毛並みはさくさくと ひんやりしはじめた空気をかき混ぜていく 乾燥と湿気の中ほど 空は晴れ晴れとして抜けている 忘れないうちに言っておこう 冬になる前に言っておこう いま いまが秋だ 秋そのものの日があるとしたら きょうがその日だ そのときだ 秋がきたのだ