書くことについて / poetry

何を書けばいいだろう
そう思って気づく
いいとは 何か
ひとに読んでもらえる
ひとに見てもらえる
ひとの内面を刺激する
そのために書いている?
ノー
ではなんのために
ひとのためではなく
なにのためでもなく
私は
ただ書く
私自身の衝動から書く
書かねば
書かねば
書かねばならない
記さねばならない
その衝動がある
たとえば私がひとりでいて
誰に見てもらえる環境でなくとも
それでも書くだろうか?
イエス
私は書くだろう
牢屋に閉じ込められても
無人島に流されても
世界にひとりきりになっても
書くだろう
ペンがなくても
紙がなくても
私は頭の中で書くだろう
言葉をだし文章をつくり改行をして
ずっとずっと忘れないように繰り返しているだろう
いっとき書くのを休んでも
いつかまた書き出すだろう
いままでと同じに
いつかもだれかもなくなって
いつかだれかが読まなくても
書くだろう
書く行為によって私はなにかを
なにかを消費している
消化している
書くことによってしか消費しないなにか
消化しないなにか
言葉にならないちからが
体の内にあって
私に言葉を書かせる
おかしなことにそうなっている
そうなってしまっている
絵でも音楽でも演劇でもなく
私にとっての書くことは
感じすぎる感覚と
覚えすぎてしまう記憶の記録の行き先であって
昇華というほどきれいなものではない
排泄というほど密接なものでもない
ただ単純に行為だ
書くことは
この身ひとつで私にできること
そうだ
私は書くことができる
私は書き上げることができる
完成させることができる
この体とこの頭で成し得る
もしかしたらただひとつのこと
ただひとつ書くこと
それに
全力を尽くさずにいられない
惜しみなく力を注げる
書くことならば

書くことが大事だ
書くことがこんなにも
私を支えて
立たせてくれる
頼ることができる
書くことが私を立たせ
私は書くことができる

私は何度も立ち上がれる
書くことの上でなら

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