星たち

ロケットは突き刺さらずなめらかに小さな角度で宇宙に侵入する
空気の膜 しゃぼん玉を
割らないように破らないように
回転する重力が引きつけている大気圏も
いつしか薄くなっていくのだろうか
祭の風船みたくしぼんでいく惑星に
どんなものが生きているだろう
超新星はまだですか
外宇宙の観測は可能になり
距離と時間を飛び越えるワープ移動に生物は耐えられるよう進化して
予測は予測です
予定は予定なので
百年先の未来を約束はできません
お風呂が沸きましたとアナウンス
電車が到着します 未来は来ません
指で作る輪の向こうに作る前の景色はなく
私たちは常に時間移動する
約束の不確かさは言い表せない
砂漠に立てた旗が明日もそこにあるとは限らない
移り変わる景色 移り変わる人 移り変わる宇宙
不確かさの中の小さな確かさを手がかりにして
よりどころにして
生きているのですか
確かさと不確かさに点をつけてより高いものにすがって
大事にしようとする
タワーのてっぺんには 何をつけたい
クリスマスツリーのような光る星型
空から見ても目立つ旗
宇宙人が認識できる座標とメッセージ
点滅して 消えた後にはもうつかないかもしれないと
不安をかりたてられているのは私だけで
何もかもが蜘蛛の糸ほどの心許なさしかない世界は
私が作り出しているのを 知ってる
タワーのてっぺんに描いた星は二次元でぺらぺら
四次元のことがよくわからないまま大人になって
八次元のことを知らないまま死んでいく
宇宙はすぐそこにあって
惑星でなく概念的星の存在に助けられている
星とはあかり
少しだけ先行している未来
どこからか寄せる波のようなはげましのサイン
たよりないかすかな光が明るくする心があり
その明るさで旗を支えるひとが砂漠から
星空のすばらしさを伝えてくれる

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