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1月27日開催『強さの磨き方』読者交流会~Dojo プロジェクト Vol.01~参加レポート

2023年1月27日(金)に、『強さの磨き方』著者の二重作拓也先生主催のオンライン・トークセッション「Dojo」が開催されたので、その様子を少しだけお届け!  ちなみに今回は、参加者が本書の読者に限定されていたため、読者交流会という役割を担うイベントでもありました。

参加者は、ストレッチインストラクターとしても活動する音楽家、理学療法士、もうすぐ神父になるカトリックの助祭、ゲームクリエイター兼カポエィラ(ブラジルの伝統武術)の指導者、麻酔科医、国際政治記者、歯科医師、競輪選手、空手指導者……と、バラエティに富んだ面々。

メインスピーカーを立てた講演形式ではなく、参加者たちが日々抱えている課題や疑問を提示し、それに対しそれぞれが考えをシェアするフリースタイルな会でした。

古武術のひとつである「活法」を紹介しそれに対する印象をヒアリングしたり、自身の「強さのロールモデル」を自分に落とし込む方法を問うたり、子育ての相談をしたり(参加者の方が話された、お子さんに「強さ」を背中で語ったエピソードにはうるりときてしまいました)と、話題は四方八方へ。

何が正しいか、答えは各々の立場や状況によって異なるのは当然のこと。そもそも正しい答えなどないのかもしれません。そんな答えのない問いに、それぞれが経験と知識、そして思考力を持ち寄り、ともに対峙することで思考をアップデートしていく。

一方通行ではなく双方向性があり、古代ギリシャのアゴラ(古代ギリシャにおける公共広場のこと。人々が集まり活発な議論を交わし、現代に続く哲学や自然科学といった学問の基礎が築かれた)のような雰囲気を感じる会でした。

「取り入れる」のではなく「飛び込む」

そして今回、特に印象的だったのは、二重作先生が発した「飛び込む」という言葉です。この言葉が出たのは、一見自分の専門とはかけ離れていることに目を向けることの重要性が話題に上がったときのことでした。

僕は(専門外のものを)「取り入れる」とは考えていなくて、(専門外の世界に)飛び込むと考えています。向こうの世界からこっちを見ると、例えば、演劇のなかに空手が見つかるといったことがあるんですよね。
 
「何かを取り入れよう、取り入れよう」としているときって、大事なもの(=いまいる世界)を手に握ったままの状態でいるから、結局(何も)入ってこない。だから一度、(いま軸足を置いている世界を)自分から切り離すんです。
 
たとえば僕は、ずっと格闘技をやってきたわけだけれど、そこから医学の世界に飛び込んで、医学の世界から空手を眺めた結果、「格闘技医学(※)」を生み出せた。そして今度はK-1の選手たちのセコンドという世界に飛び込んでみたら、そこで学んだノウハウがミュージシャンたちの世界で活きたんです(二重作先生は音楽家のツアードクターもされています)。
 
プリンスに「お前、俺のセキュリティをやれ」って言われるところまでいけたのは、音楽ばっかりをやっていたわけじゃなかったからなんですよ。怪我をしてでも闘うという格闘家たちをサポートしてきたから、「ミュージシャンも診れる」という方向に自分を振れたんですよね。
 
ここ(=いまいる場所)にいる状態のまま、「(専門外の世界から)何か盗んでこれないかな」と思ってやっているうちは、おそらくあんまり吸収できないと思います。

2023年1月27日開催 「Dojo プロジェクト Vol.1」二重作先生の言葉より
※格闘技医学:医学的なエビデンスをベースに、格闘技の真の強さを追求する医学分野。

現役の医師でありながら、格闘技ドクター、音楽家のツアードクターとしても活躍し、格闘技のセミナーなども開催。さらに『プリンスの言葉 Words of Prince』(秀和システム)という書籍を執筆するなど音楽への造詣も深い(『強さの磨き方』でもプリンスやデヴィッド・ボウイ、ケイト・ブッシュなどの音楽家たちが登場します!)二重作先生。

なぜ先生がこんなにも多方面で活躍できているのか。その理由は、先ほど引用した言葉に凝縮されていると言えるでしょう。
そして今回の「Dojo」こそ、多種多様な人に出会えて、未知の世界に飛び込むきっかけが生まれる場、すなわち、二重作先生の行動指針を実践するための、足掛かりになりうる場なのかもしれません。

せっかくなのでここからは、参加者の感想をご紹介させてください。

昨日はお疲れ様でした!楽しい機会をありがとうございます。
参加前はゴッツい武道家が集まりゴッツい技の出し方や試合での勝ち方の話になると思っていました。 蓋を開けたらそれは少数派で…政治記者、音楽家、宗教家など多彩なメンツが地政学、競輪競技、子育てと幅広く"強さ"を語り合う素敵な場でした。 このジャンル横断的トークは参加者達の脳を刺激したようで「1つの事を考えるときに他の視点や経験から考える大切さ」に感動する方多数! かくいう私もゲームクリエイターとカポエイラ道場長という畑違いを両立させているので「わかる!面白いよね!」と共感しきりでした。また人生を生きる"強さ"を語り合わせてください。

カポエィラ・テンポ笹森道場 笹森智之さん

昨晩は素敵な一時を過ごさせて頂きありがとうございました。
自分個人としては、本当にこの場に参加させて貰って良かったのか?と思える程名のある方々がいらっしゃって、最初は凄く緊張してたのですが、真剣にお互いの質問に考え、それぞれの視点で応えてくださる姿を見て、ああ、本当にこの集まりは素晴らしく緊張しているのがもったいないと思える、そんな場でした。空手家として、他の世界を見るのでは無く、その世界に飛び込んで、そこから空手を見る。この視点というか考え方は本当に 衝撃的でした。他の世界との掛け算がmovementを引き起こす。この場はそんな日本人としては考えにくいかもしれない新しい事や他の世界にチャレンジする勇気を沢山頂きました。 これからは、体験する時だけでなく、本を読む時にも視点を変えて読んでみたいと思いました。 多くの刺激をこれからもよろしくお願いいたします!
押忍

昭武館カラテ本部 岡田努さん

始まるまでの期待通り、色んなジャンルの方々の強さの磨き方や抱えている問題などをテーマに多角的視点からディスカッションするという素晴らしい企画でした。 また次回もあれば参加したいですし、プロフェッショナルな方の一つのテーマのお話を聞ける場としても、貴重なコミュニティかと思いました。 また昨日参加された皆様の互いを尊重し合い真剣に喋り合うという、安心感と空気感が非常にありがたいと感じました。参加させて頂きありがとうございました。

理学療法士・勝井洋さん

おはようございます。 昨夜はありがとうございました。 「強さの磨き方」という幹から 枝葉となる話の視点、また根となる考え方 生き方の異なる皆さんの中にある 経験や体験を惜しみなく話して頂いた。 専門性を突き詰めることだけではなく 自らをちがう環境に移す、飛び込むことから 得られるものは、専門性にも活かせるということ。 それぞれの道を突き進んできたからこそ 出会える感覚。肉体と思考に刺激を受けました 普段ならば会うことすら難しい、第一線で活躍されている方々と書籍を通じてこのような時間を共有できたことがとても嬉しく感慨深いことでであり、場を作る凄さにただただ圧倒されました 絶望の中の希望 こうして一歩踏み出す時に起こる波を 自分でも起こしたい そんな場を作っていきたいと思いました ありがとうございました

コンディショニングサロン 人間研究室 柔道整復師 伊賀雅信さん

おはようございます 昨晩は刺激的な出会いをありがとうございました! 全く違った環境、世代、職業の方々と画面を通して初対面でのディスカッションは緊張MAXでしたが、素敵なみなさんとのお話しやそれぞれの視点からの意見交換を繰り返す中で前向きに真剣に学び生きていくというマインドの共通点を強く感じました! そして、自分自身の強さについても再認識することが出来、今後に活かして生きます! ありがとうございました。

競輪選手 八谷誠賢さん

はじめに、各分野でそれぞれに『強さ』を持った方達が集まった、非常に熱のある会でした。ご厚意により参加させていただき、感謝の念に堪えません。 日々の生活、あるいは仕事で、より『強く』あるためにはどうしたらよいか?が語られ、時間を忘れて楽しませてもらいました。 そんな中、二重作先生の「強くなるために格闘技を始めたのに、かえって弱くなってしまうことがある」というお話が非常に印象的でした。体を鍛えようと酷使した結果、年齢とともに関節や身体の各所に故障を抱えてしまうという、一種のジレンマを感じるお話でした。 進化論において「適者生存」という概念がありますが、環境に適応できることは『強さ』の1つの形だと思います。例えば、物理的な負荷の大きい環境(トレーニング)に適応することで体が鍛えられるように。 ただし、環境に適応しようとして無理が祟ると先述の身体の故障のように心身を壊しかねないこともあります。そんな時は自分にあった別の環境に変えてしまったり、逃げてしまうようなしなやかさ、柔軟性も『強さ』なのだろうなと思います。 競技において正攻法で勝てない相手でもやり方次第で活路を見いだせるエピソードを拝聴しましたが、自分の持ち味、弱さを見つめることや、今回のDojoのような客観的な第三者の視点や意見をもらうこと、それを受け入れられるしなやかさが次の『強さ』につながるように感じました。 今回のDojoのような活動がますます活発になることを祈念し、願わくば次の機会にも参加したいと思う次第です。 非常に有意義な時間をいただき、改めてお礼申し上げます。

ひるあんどんさん

もちろん初対面の人と話しをするのはそれなりに緊張することですし、参加表明をするには勇気もいるでしょう。

でも、ひとつだけお伝えしておきたいことがあります。それはDojoが、同じ書籍を読んで共鳴し合った人が集まっているだけあり、参加者全員が他者への敬意を持っていて、真摯に耳を傾けてくれる場であったということ。つまり安心して飛び込んでみてください、ということです。

自分の知見を惜しみなく披露してくれる人がいて、多様な価値観に触れられる。そんな素敵な人たちとつながれる場であり、そこは、”知恵が掛け合わさることで新しいものが生まれる”、そんなワクワク感に満ちていました。

今後も引き続き、開催予定とのこと。
気になる方は、二重作先生のtwitterをぜひチェックしてみてください。↓
https://twitter.com/takuyafutaesaku?s=20&t=67JzuiAPuW8NjiVbimMSpg

最後に……今回参加者に配布された参加したという証のパスをいただいたのでご紹介。

『強さの磨き方』の「第4章 強さのロールモデル」にも登場した、モハメド・アリ。
第2回は誰が描かれるのか…?

二重作先生、そして参加者の皆様、ザ・グレイテストな対話の時間、誠にありがとうございました!

ちなみに『強さの磨き方』には、二重作先生が演出家の木村龍之介さん(今回の「Dojo」にも参加してくださっていました!)に出会ったことで「演劇」という世界を知り、演劇の世界から「空手」を眺めたからこそ手に入れた”空手に対する新たな視座”についても書かれていますので、こちらも注目です(第3章の「無知の知と大きな橋」参照)!

↓著者の二重作先生のイベントレポートもぜひ!


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