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ジャンプ!”Jump in2 The Water”

言い出した本人(=やりだした本人)も、どうなるかわからない実験企画、Dojoプロジェクト。

まずは拙書の読者を対象にとりあえずやってみよう、「参加費は無料、熱量優先でいこうぜ」ということで、第1回をやってみたら、予想を遥かに上回る収穫があったので、少しだけ紹介してみたい。

憧れのヒーロー、そしてロールモデル。そのような存在とどのように対話していけばいいのか?そんな流れの中、演出家・木村龍之介さんはどのようにシェイクスピアを内在させてきたのか?という問いが生まれた。木村龍之介さんはこのように答えてくれた。

シェイクスピアの場合、「シェイクスピア(作品や存在)と戦った人たち」がめっちゃいる。たとえば、研究者であったり、俳優であったり、演出家だったり、シェイクスピアにライバル意識をもって小説や詩を書いた人だったり。

ボスであるシェイクスピアに辿り着く前に、そういう人たちがいるから「あの人はシェイクスピアとこういう格闘をした」とか、闘う準備として「ちょっとそれを真似てみよう」とか、そういうのが結構面白いですね。

たとえば「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」なんかは、めちゃくちゃ何パターンも演出されているんだけど、「あ、でもここないじゃん、こういう形では演出されてないな」とか「これは僕の演出家としてのやり方になるぞ」というのを見つけてやっていく。そうしていくうちに、少しづつシェイクスピアに近づいている、というか。

Dojo プロジェクトVol.1より 

なるほどー!木村龍之介さんは、そうやって自分のやるべきことを見つけていったのか。シェイクスピアという「頂点」だけを視ていない、「裾野」も「土壌」も「基盤」もしっかり俯瞰しながら、きっと視えないものまで感じているんだろうな。この公式は凄いな。

そして、田中孝幸さんはなぜ『13歳の地政学』というコンセプトを見つけたのか?

誰もやってなかったんですよね、こういうことってあんまり。人間って専門家になればなるほど、そこから出たくなくなる。フィールドの中でお城を立ててその中にこもる、というのは(人間として)本質的なもの。

「地政学や国際関係の込み入った話をやさしく語る」って人があんまりいなかったんですよね。いそうでいない。

これは構造的な問題で、学者はものすごく忙しいし論文も書かないといけないので、物語形式でざくっとしたものを書く余裕はない。だから記者である私のようなものがちょうどいいのかな、と。記者は、普段、ふつうの人(一般読者)に向けて記事を書いているので、コミュニケーションのチカラは多少ある。それを組み合わせてやった、ということですね。

Dojo プロジェクトVol.1より

田中さんは「立場を思いっ切り変えてみる」重要性を説かれていた。
地政学は、人の立場に立って考える学問、だとも。

 おふたりのお話から僕の脳裏に浮かんだ言葉は”Jump in2 The Water”だ。やはり浸かってみないとわからない。シェイクスピアは400年前から、国際政治は国家成立のころからある、長大で重厚な流れであるが、おふたりとも「自分が新しい何をプラスできるか」を実践している。

いまや、一方通行の講演なら動画サイトにたくさん上がっている。Dojoはもっとインタラクティヴな場だ。話題は多岐に渡り、それぞれの参加者が他者の経験や知見、やりとりを公式化しながら自分のこととして捉え直す機会になったようだ。僕にとってもこの企画は新しいWaterであるだろう。

ここからは第1回、ご参加くださった方から、感想レポートをいただいたので紹介します。ありがとうございます!

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始まるまでの期待通り、色んなジャンルの方々の強さの磨き方や抱えている問題などをテーマに多角的視点からディスカッションするという素晴らしい企画でした。 また次回もあれば参加したいですし、プロフェッショナルな方の一つのテーマのお話を聞ける場としても、貴重なコミュニティかと思いました。 また昨日参加された皆様の互いを尊重し合い真剣に喋り合うという、安心感と空気感が非常にありがたいと感じました。参加させて頂きありがとうございました。 (理学療法士・勝井洋さん)

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「強さの磨き方」という幹から 枝葉となる話の視点、また根となる考え方 生き方の異なる皆さんの中にある 経験や体験を惜しみなく話して頂いた。 専門性を突き詰めることだけではなく 自らをちがう環境に移す、飛び込むことから 得られるものは、専門性にも活かせるということ。 それぞれの道を突き進んできたからこそ 出会える感覚。肉体と思考に刺激を受けました。 普段ならば会うことすら難しい、第一線で活躍されている方々と書籍を通じてこのような時間を共有できたことがとても嬉しく感慨深いことでであり、場を作る凄さにただただ圧倒されました。 絶望の中の希望、こうして一歩踏み出す時に起こる波を 自分でも起こしたい、そんな場を作っていきたい、と思いました。ありがとうございました。( 柔道整復師・伊賀雅信さん)

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全く違った環境、世代、職業の方々と画面を通して初対面でのディスカッションは緊張MAXでしたが、素敵なみなさんとのお話しやそれぞれの視点からの意見交換を繰り返す中で前向きに真剣に学び生きていくというマインドの共通点を強く感じました! そして、自分自身の強さについても再認識することが出来、今後に活かして生きます! ありがとうございました。( 競輪選手・八谷誠賢さん)

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自分個人としては、本当にこの場に参加させて貰って良かったのか?と思える程名のある方々がいらっしゃって、最初は凄く緊張してたのですが、真剣にお互いの質問に考え、それぞれの視点で応えてくださる姿を見て、ああ、本当にこの集まりは素晴らしく緊張しているのがもったいないと思える、そんな場でした。
空手家として、他の世界を見るのでは無く、その世界に飛び込んで、そこから空手を見る。この視点というか考え方は本当に 衝撃的でした。他の世界との掛け算がmovementを引き起こす。この場はそんな日本人としては考えにくいかもしれない新しい事や他の世界にチャレンジする勇気を沢山頂きました。 これからは、体験する時だけでなく、本を読む時にも視点を変えて読んでみたいと思いました。 多くの刺激をこれからもよろしくお願いいたします!(空手指導者・岡田努さん)

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参加前はゴッツい武道家が集まりゴッツい技の出し方や試合での勝ち方の話になると思っていました。 蓋を開けたらそれは少数派で…政治記者、音楽家、宗教家など多彩なメンツが地政学、競輪競技、子育てと幅広く"強さ"を語り合う素敵な場でした。 このジャンル横断的トークは参加者達の脳を刺激したようで「1つの事を考えるときに他の視点や経験から考える大切さ」に感動する方多数! かくいう私もゲームクリエイターとカポエイラ道場長という畑違いを両立させているので「わかる!面白いよね!」と共感しきりでした。 また人生を生きる"強さ"を語り合わせてください。( カポエィラ指導者/ゲームクリエイター・笹森智之さん)

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以上、とにかくやってみた、Dojoの1回目。これからどう転ぶのか。どんな流れになるのか。全くわからないけど、「続ける」を続ける、のスピリットで楽しんでみたい。その過程で弱さが見つかり、強さが磨かれるかも知れないから。


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