大学生
作文を書くだけで大学に進学できた。
エスカレーターに乗せてくれた親には尽く感謝だ。
とにかく苦しくて、世界が煩くて、感情が尖っていて、毎日バクバクしていたし、焦燥感に駆られていた。
体は起き上がることが出来ないし、誰にも言えずに死ぬのかと思っていた。
ある男の子が眠れるまで1年間毎日電話してくれて、完全に依存しながらも少しずつ元気になっていった。毎日家に帰ってから次の日の朝起きるまでずっと電話を繋いでいた。その人が居ないと生きていけないと思っていた。
まあ、いなくなった今もめちゃくちゃ生きているのでそんなことはないのだが。
でもあの時手を差し伸べてくれなければ私はどこかのタイミングで死んでたのかもしれない。20歳になる前に20歳になった自分に向けて手紙を書いていた。汚い字で書きなぐっていたし、生きてたら読んでね、と書いてあって生きてるよ、と笑ってしまった。
大学に入って半年ほどで経験人数を数えるのをやめたし、命の恩人とは私が浮気をしてひどく振られたし、本当に好きな人には振り向いて貰えないし、やってはいけないことも沢山してきてしまって、すっかりと汚れてしまった。
サークルに入ってバンドや飲み会をして所謂大学生のような楽しみ方だってしたし、バカでアホになるのは楽しかった。ずっと続いてほしいと思っていた。
ただ他人との関わり方は、依存するか突き放すかしか出来ないし、自分の事を理解するのも難しかった。他人に期待しながら、どこか完全には分かり合えないのだろうと諦めていた。でも1人で生きていくには幼すぎて弱すぎるので、他人に寄り掛かりうとしてしまっていた。
(茨の社会人編へつづく)