#9 雪隠と留学 [第2部 ドイツ編] ep.I 「アウトバーン」
2017年2月、ロシア上空 ―――
初めて会ったスペイン人はあまりにも日本語が流暢だった。関空発フランクフルト行きのルフトハンザで京都での留学を終えたアンヘルは流れるようなドイツ語でトマーテンザフト(Tomatensaft/トマトジュース)を塩なしで注文した。
記念すべきヨーロッパ一ヵ国目はドイツ。
今回の渡航は大学のドイツ語履修者の有志で約3週間、ホームステイしながら語学学校に通うプログラムだ。単位のおまけ付き。大学2年の春休み、2月中旬から3月にかけての日程。[第1部 インドネシア編]から約半年後にあたる。
果たして二年間で身につけた付け焼刃のドイツ語はどこまで通用するのだろうか(全然通用しなかった)。
ホームステイ先はちょうど五百年前に宗教改革を行ったマルティン・ルターが妻のカタリーナと過ごしたその名もルターシュタット(ルターの街)・ヴィッテンベルクだ。
新千歳空港から関西国際空港を経由し、フランクフルト空港へ。そこから国内線に乗り継ぎライプツィヒ空港に飛んだ。ライプツィヒ空港からはアウトバーンを120km/hでのんびり車移動。
このドイツの高速道路、「アウトバーン」は言うまでもなく速度制限がないことで有名。「アウト(Auto)」はドイツ語で「車」、そして「バーン(Bahn)」は「道」、つまり「車道」という意味になる。雪国に住んでいるとよく聞く言葉「アイスバーン」というのは「氷の道」という意味のドイツ語由来だ。
次回予告『#10 雪隠と留学 [第2部 ドイツ編] ep.II 「もくひょう」』
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