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スキルベース採用-GA TECH WEEKに参加して-

デジタル領域の教育プログラムを提供するGeneral Assembly(以下GA)が、日本で初めてとなるデジタル人材育成の国際カンファレンス「GA TECH WEEK」を2月13日~16日で開催しました。13日~15日はオンラインセッション、そして最終日の16日は「リスキリングDay」として虎ノ門ヒルズフォーラムで開催しました。

「リスキリングDay」には、いくつかのセッションへリアル参加をしてきました。そこで、初めて「skill based hiring」という言葉を聞きました。
北米の国を中心に、デジタル人材の不足が深刻化するなか、学位や経験年数にこだわらず、スキル重視の採用を取り入れる企業が増えているそうです。
それが「スキルベース採用」とのこと。

スキルベース採用とは…

インターネットで「スキルベース採用」を検索して、複数のサイトの記事を読んだところ、共通して言われているのは「多様性の向上」です。
私は「同じようなスキルを持った人が集まるので多様性が低下するのではないか?」という懸念が最初に浮かびましたが、逆でした。
性別、学位、経験を見ずにスキルを評価することで間口が広がり多様性が向上するとのことです。

マッキンゼーからは、「Taking a skill-based approch to building the futuer workforce」というレポートが2022年11月に出されています。このレポートでは、「スキルベース採用」には利点が多々あると報告されているそうです。


リスキリングとは…

このような流れになる前の2011年に米国でサービスを開始したGAは、デジタルスキルに注力して最先端かつ実戦的な教育プログラムを提供しています。その結果、10か国以上、10万人に教育やキャリア転換支援を行った実績を持っています。
正にリスキリングの機会を提供していますが、それは、BtoCだけではなく500社以上の企業に対して法人向けのプログラムも提供しているとのことです。


日本においては、「人的資本開示の義務化」(企業の人的資本に関する情報を「有価証券報告書」に記載しステークホルダー(利害関係者)の公開を義務づけること)や、昨年10月の岸田首相の所信表明演説での「個人のリスキリング支援に5年で1兆円投じる」という話などにより、reskilling(「リ・スキリング」=新しい技能の獲得)が注目されています。
アカデミーヒルズでも昨年10月に『リスキリング』の著者の後藤宗明さんにセミナーでお話をいただきました。
後藤さんは「自分のスキルをアップデートし続ける“リスキリング”」が重要と説明をされています。
リスキリングだけではなく、upskilling(「アップ・スキリング」=現在の技能向上)の両輪が必要ということですね。


自分のスキルを商品化する

「スキルベース採用」や「リスキリング / アップ・スキリング」の話から外れてしまいますが、これら言葉から連想されたのは、「ビザスク」「複業クラウド」のサービスです。

これらのサービスは、「自分のスキルを1つの商品として売る」ことだと思います。そのために商品の価値を高めることは重要で、後藤さんが言われる「自分のスキルをアップデートし続ける“リスキリング”」が大切になります。

日本型雇用(新卒一括採用、終身雇用、年功序列型賃金など)では、企業内において出世するために多様な経験を積むことが大切で、結果的に日本では、ゼネラリストが育ちやすい土壌だったと思います。
しかし、今からは「T型」(多様な経験と軸となる専門分野)や、「Π型」(軸となる専門分野が複数あること)が求められるのだと思います

そう考えると、まずは専門となる「自分の軸」を持つことがスタートになると思います。
これからはより加速してテクノロジーが進化する時代において、この軸については「ブレないが、フレキシブルに時代に流れにアジャストさせることができる微妙なバランスが必要」というのが、私のGA TECH WEEKに参加しての気付きでした。

GA TECH WEEKの「リスキリングDay」で、GAのロジャー・リー氏と対談する後藤宗明氏

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子


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