【詩】 束の間
束の間の休息をしに訪れた寒さは
迷いのない空気を纏いつくし
立ち返りもせず 進みもせず
意識のあちこちに住み着いていく
揺れ動く季節のように
かけ離れていきながら
惑わすように記憶を暖める
自分の瞼を閉じてみると
いつしか謎めいた言葉使いに行き着いた
それは自分自身に届いた声なのか
決して分かち望み至った決心で
あふれんばかりの痩せ我慢なのか
寒さは
叙情的に自らを揺り動かしていく
そして情景すらも演出するのか
僕には永遠に去っていく寒さのようにしか
あの時に表現は見つからなかった
その記憶の断片は抽象的にしか理解できない
多分寒さは身をもって
大切な事を教えに来てくれたのだ
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