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採用が強い組織は「視座のアッパーとロウワーの差が無い」という仮説

こんにちは、HeaRの安部(@abe_motivator)と申します。

経営者がよく「従業員の視座を上げたいんだよね」と口にしているのを聞いたことはありませんか?また、最近は自ら「視座を上げたい」と意識高く発信する方も増えたなと、シゴトレの運営を通して感じています。

僕自身も自分の視座を上げたいと常々思っていますし、HeaRで一緒に働く従業員である仲間の視座をなるべく高いレベルで統一したいと、日々組織開発を通して試行錯誤を続けています。そして昨今、事業が伸びているスタートアップや、採用がうまくいっている企業の共通点として「視座の高いメンバーが揃っている」という点ががあると感じています。

もう少し深掘りしていきます。”組織”を一人称として考えた際に、その組織を構成するメンバーにおける「視座の高さのアッパーとロウワーの差が大きいか/小さいか」が大切になってくるのではないかという仮説を持っています。多くの組織は視座のアッパーが経営者もしくはCxOレイヤーになるかと思います。日々、具体と抽象を行き来しながら中長期的な目線で物事を考える必要があるので、当然だと思います。

一方ロウワーはどうでしょうか?新卒社員やメンバークラスレイヤーが該当するでしょうか?任されている役割を考えると、中長期的な展望を含めた抽象的な考えを巡らす必要がなく、短期的なオペレーションにリソースを割く役割を担う場面が多いのでこれも当然かと思います。

今回は「視座の高い組織」に着目をし、”採用が強い組織”にするために「アッパーとロウワーの差を無くすためにはどうしたらいいのか」という点について、実際にHeaRで行っている施策にも触れながら、見解を述べていきたいと思います。

■視座が高いとは一体どういうことか

そもそも「視座が高い」とはどういう状態を指すのか。なんとなく、カッコいい言葉として一人歩きしてしまっている気もしますし、恐らく定義は人/組織それぞれだと思います。

例えば弊社代表大上(@ryoooue)の定義=HeaRの定義はこちら。

視座=Why-What-Howの「Why」
あとはこれをどこまで高められるかという話。しかし、ただWhyのみを高めるだけでは意味がなく「どうやってWhyを実現するのか?」というWhatやHowの解像度も上げていくことが重要です。

- Why(視座)
 - 定量的:時価総額、売上、利益 etc.
 - 定性的:ミッション、ビジョン etc.
- What (ヒト・モノ・カネ・イギの戦略策定)
 - 事業ポートフォリオ
 - 事業戦略
 - 採用戦略・組織戦略
 - ファイナンス戦略
 - パーパス etc.
- How(ヒト・モノ・カネ・イギの戦術策定)
 - 事業をグロースするための戦術
 - 採用をグロースするための戦術
 - 組織をアップデートするための戦術 etc.

※HeaRが追及する視座の高さについては、また別の機会にご紹介します

少し弊社の話をすると、HeaRの組織としての視座は代表の大上の視座に依存してしまっています。これは会社としての課題であり、僕個人としても人事責任者として解決しなければいけない事の一つです。弊社はまだ20名弱の組織ですから、スタートアップの利点である「経営に近い立場」で働けている分、全員がアッパーである彼に近づく必要があると考えています。つまり、経営者である大上との溝を埋めることが大切と考えています。

■視座の高さにばらつきがある組織の弊害

自分が与えられている役割や期待されていることがオペレーション部分に近い場合、どれだけ一生懸命仕事をしても、スキルは身につきますが視座が上がることは無いと考えています。いや、正確に言えば「視座が上がるスピードが遅い」でしょうか。

目の前のことを一所懸命に捌く事に必死になるのは悪いことではありません。ただ、どれだけ頑張っても個人のスキルや視座の+10%~20%程度しか広げられないのではないかと、個人的には思います。

経営から落ちてくる課題をどんどん捌いていくのも大事な経験ですが、視座をあげるには待っているだけでは自分の下に落ちてこない”理想”を掴みに行く事が不可欠。逆に言えば、経営者は自然とこの状態を作り出さなければいけない立場なので、視座があがるのは必然なのかもしれません。

ばらつきがある状態が続くと、事業と組織双方に弊害が出ます。

①経営と現場の見ている景色に違いがありすぎることにより、現場から経営の意思決定に不満が出る

②ばらつきがある(前提がことなる)為、忖度の無いディスカッションが出来なくなり、権限譲渡に時間がかかる

③中間管理職的なポジションを採用しなければいけなくなり、採用ハードルが上がる

代表的なもので言えば、上記でしょうか。まだまだ挙げれば出てきそうですね。逆に視座の高い(アッパーとロウワーに差が無い)組織は上記3つの弊害が生まれにくい。

なので事業が伸び、魅力的なヒトが増え、採用が強くなります。レベルの高い組織が、ヒトを惹き付け、結果的に事業を伸ばします。

■組織として、視座の高さを統一する(ロウワーをアッパーに引き上げる)方法※HeaR事例)

ここから少し、具体的な施策をお話していきます。

まず前提として、視座のアッパーを上げ続けることは経営者個人の永遠の役目です。一方、組織として高い視座を保つためには、アッパーではなく、ロウワーを引き上げるが大切だと僕は考えています。そしてこれは、人事の役目です。

大きく分けて方法は2つ。

①アッパーからロウワーに対して「解いてほしいイシュー」を提供し、「問い」のレベルを上げる

しかし、これには注意が必要です。全てのリソースを上記レベルの高いイシューや問いに割いてしまうと、当然日々向き合っているオペレーションが回らなくなります。20%くらいの要領で、一段レベルの高い期待値を設定し続けると良いでしょう(一回ではなく、頻度を多く)

例えば弊社COOの高谷(@tt_HeaR)は、毎週行う定例MTGの際に、事業目標を達成させるための"思考"からメンバーに渡しすことを意識しています。

・ABMを扱ったマーケティング戦略
・市場で勝てる新商品開発
・営業効率の最大化を考えたセールス戦略

ただ数字を基に「達成するために頑張ろう!」で終わらすのではなく、メンバーに対して0→1の思考から問いを投げかけています。COOとしての役割はあくまで「あがってきた戦略戦術の磨き込み〜実行に向けたオペレーション整備」をすること。

②アッパーのアウトプットに対する、途中式(プロセス)を公開する

アッパーの出す結論のアウトプットだけを公開しても、ロウワーの視座が上がることは難しいと思います。正確に言えば読み取るハードルがかなり高い。結果的に結論だけは知っていても、そこに至るまでのプロセスを読み取れず、意図を汲み取ることは出来ません。この途中式(プロセス)が細かい粒度で公開されていればいるほど、他のメンバーは「視座の高い結論の出し方」を学ぶことが出来ます。

この②の考えを組織施策にどのように落としていくのかを、HeaRの事例を用いて紹介します。結論、ハードルが低く始めやすい手法として、HeaRでは従業員全員の「Timesチャンネル」を活用しています。

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〇目的
・思考プロセスを公開することで部署/ポジション問わず、周囲の視座や視野ををいつでも盗める状態にする

・DM率を極力「0%」にする(情報保持の濃淡を無くすため及びメモで自分のSlackを利用することも基本的には無しにしたい※もちろんセンシティブな内容や緊急の用事はOK)

・メンバーがどのように青春しているのかを覗きに行ける状態にする(青春を共有する)

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\3つのバリューのうちの1つである「史をつなぐ」の体現施策でもあります/

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\「史をつなぐ」の詳細/

〇ルール
・コメントなどももちろんOK
・チャンネル名は「times-○○(弊社はあだ名文化のため、〇〇にはあだ名を入れています)
・チャンネルには全員参加
※投稿が頻繁に行われるため、通知を消してもOK(つけたい人に関してはつけてもOK)
※見なければいけないものではなく、自主的に見るもの(覗きに行っても行かなくてもOK)
・発信内容はTODO整理、進捗共有/プライベートなど問わず

このようにSlack内にTimesチャンネルを作っている企業は珍しくないと思います。しかし、目的をしっかり定め運用することで視座の高さを統一することにも繋がります。実際にメンバーマネージャー間の思考プロセス可視化することで……

・「へ~、この文脈からこんなアイデアが浮かぶんだ」
・「脳内を見れているみたいでありがたい」
・「これこそHeaRの福利厚生かもしれない」

実際に運用をしてみて、このようにポジティブな声が多く、独り言のように自分の考えをアウトプット出来るため思考が整理されます。今後も運用方針などをアップデートしていこうと考えておりますが、適切に運用すれば、途中式(プロセス)を盗み放題な状態を意図的に作ることで視座を引き上げることが可能です。

副次的な効果としては、仕事に関係ないラフな発言をする場ができたことも大きいと感じています。これは視座と関係ないのですが、今までのHeaRは「コトに向き合っていない発言はしづらい」という声が定期的に挙がっていました。この課題も解決に向かっています。

■さいごに

今回も長くなってしまいましたが、HeaRの事例もご紹介しながら、「視座の高さが採用にもたらす影響」について述べました。あくまでこれは採用が強い組織になるための一部にしか過ぎませんが、何よりも事業を伸ばすために必要な視点であることは間違いないと思います。採用は、事業を成長させるためのレバレッジが効く代表例だと思っているので、採用が出来ない=事業の非連続成長に多大なるマイナスな影響を及ぼします。

話は変わりますが、HeaRは「青春の大人を増やす」をミッションに掲げ、一緒に闘ってくれる仲間を大募集しています。まだまだイシューは山ほどありますが、視座の高い組織を目指して一緒に事業と組織の両輪をスケールしていくことに興味を持っていただけましたら、ぜひお気軽にお話しできれば嬉しいです(下記WantedlyかMeetyからお気軽に)


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