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中小企業は、仕組み化で「イノベーション」を起こす!

「あなたは経営者として、こんな身勝手な発言をしていませんか?」では、経営者の方が良く言われる「ウチには優秀な人材が入ってこない」という不満についての考え方をお伝えしました。

また、経営者の方で、この「優秀な人材が入ってこない」という言い訳を様々なところで使われる方がいます。その一つが「イノベーション」です。

「イノベーション」と言うと、一部の先進的な大企業に求められる活動と思われがちですが、この「イノベーション」は、全ての企業に必要な活動です。

むしろ「イノベーション」は中小企業にこそ求められる活動です。

何故なら、大企業は規模の経済を利用した低価格化でも、会社を継続するための利益確保が可能です。しかし、中小企業は、低価格化では十分な利益が確保できません。

このため、中小企業の基本的な経営戦略は高価格化です。そして、この高価格化は、大企業と同じ商品・サービスでは、成立しません。

つまり、大企業が提供できない新しい価値をお客さまに提供するからこそ、お客様は高価格でも購入してくれるのです。

以上をまとめると、中小企業は、常に新しい価値をお客さまに提供することで、高価格化していく必要があります。

そして、この新しい価値を創造する活動こそが「イノベーション」です。

一般的に「イノベーション」は「技術革新」と訳されることが多く、メーカーに求められる活動と考える経営者が多いですが、その考えは誤解です。

また、同時に「イノベーション」は、頭の良い一部の人間にしかできないものだと考えている経営者もいますが、そのようなこともありません。

何故なら「イノベーション」には「やり方」が存在します。そして、その「イノベーション」のタネは、日頃の会社活動の中にも隠れています。

つまり、会社活動の中に「イノベーション」のタネを見つけ、育てる仕組みがあれば、どのような企業でも「イノベーション」を起こすことが可能です。

この「イノベーション」のタネを見つける方法をまとめたものが、ドラッガーの「イノベーションの7つの機会」です。

この7つの機会のうち、ドラッガーが最も大事な機会だと説いたのが「予期せぬ成功や失敗」です。

そして、ドラッガーはこのタネを育てる仕組み化の具体的なステップとして、次の3つを挙げています。

・予期せぬ成功・失敗が、必ず目にとまる仕組み、注意を引く仕組みをつくる
・この予期せぬ成功・失敗の情報が、マネジメント層に手に渡る仕組みをつくる
・マネジメント層が、この予期せぬ成功・失敗を体系的に探究する仕組みをつくる

ここでのポイントは、予期せぬ成功・失敗の情報が、しっかりとマネジメント層(実務を担当する以外の層)に渡るようにすることです。

何故なら、実務担当者は、現在進行形の業務への対応が主な実務となります。しかし、イノベーションは未来形の業務です。

つまり、同じ現象が発生した時、現在進行形の業務と未来形の業務では、その現象が発生した時の認知が異なってくるからです。

簡単な例えでいうと、非定常業務が発生した時、以下のように認知してしまうことを想像してください。

・現在進行形の対応思考:面倒くさい仕事が増えた。
・未来形の対応思考:何かのヒントになるかもしれない!

同じ事実でも対応思考が異なると、その事実の受け取り方が異なります。

このため、思考範囲毎に担当を分ける必要があるということです。これが「予期せぬ成功や失敗」という「イノベーション」のタネを育てる仕組みの根幹です。


以上


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