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コロナ禍で変えた働き方

本日はこちら。

仕事がプロジェクトベース化しました。

このことが大きな変化だと思っています。今回はこのあたりについて具体的に起こった変化をお伝えしたいと思います

現状認識:コロナ前の製造業

さて、2020年はじめ、つまりコロナ感染がまだ日本で始まる前の状況を整理したいと思います。私はと言えば、目の前のオペレーション業務に追われる日々でした。それは決して悪い意味合いではなく、①顧客と直接向き合い、②課題を見つけ、③それを解決する、という一連の自然なサイクルを回しておりました。

この仕事の始まりと言える「顧客と直接向き合う」というのは、もちろんアナログ接点であり、要は営業訪問や出張で顧客に出向く、現場に出向くということです。

この頃の課題感といえば、この①〜③をそもそも高速に的確に回せる仕組みが欲しいなということでした。あるいはチームとして①〜③の進捗状況を把握、共有して部門としての最適化を図ることも重要な問題でした。

そのため、Teamsなどのチャットアプリの導入で、ちょっとした業務報告やディスカッションを手軽にチャットでしたり、Trelloのようなタスク管理アプリでの業務の共有化などが、当時のDXの大きなテーマでした。

もう一度言うと、オペレーションの効率化。そのためのチャットとカンバン。ここに主眼があったわけです。

もう少ししっかりしたところだとCRMやSFAなどの導入などもあったでしょう。

こうしたDXの潮流は当時からすでにあり、この時点で導入・運用していた会社も多くあったかもしれません。ただ、日本全体や特に製造業や建設業においては、まだDX取り組みは始まったばかりという印象だったと思います。伝統的業界の、多くの新しい物好きは、「こうしたものが緩やかに普及していくんだろうな」と他社導入事例を睨みながら、じわじわと導普及構想を描いていた時期かもしれません。

ところがここにコロナが来た。

「①」の「顧客と直接向き合う」と言う前提となる入り口から変わってしまった。こうなった時に一体何が起こったか?を次から見ていきたいと思います。

アプリを入れての変化

さて、今回はTeamsでの話をしましょう。先ほどの通り、コロナ前はチャットとカンバン(Teamsの場合はPlanner)がポイントでした。しかし、コロナで①〜③のサイクルが回らなくなると、Teamsは思わぬ効用に目が向けられることになります。

一つは言わずもがなですが、テレビ会議です。多くの場合は社内会議用に使用されていますが、場合によってはお客様との打ち合わせにも使われ始めました。そして研修会や勉強会はウェビナー化し、展示会もオンラインで実施されるようになりました。

ここまでは多くの人が経験したことだと思います。つまり今までの業務をデジタルに置き換える話です。会話がチャットになり、会議室の代わりにTeams会議を予約するようになった。オペレーションをデジタルで回していこうと言う話です。

さて、もう一つ効用がありました。これは人によって対応が分かれたのかなと思っています。その効用を享受したから良い/悪いということは無く、仕事のどの部分に関心度合いが高いかで変わる内容です。しかしながら、この対応次第でキャリアそのものも左右されるような大きな変化でもありました。

アプリを使い倒したらアプリの狙いにまんまとハマる

コロナ前の時代においては、例えばTeamsにより、①〜③の最適化の後には、おぼろげながら働き方そのものが変わるかもしれないと言う見通しはありました。しかし、それは相当時間をかけて起こる変化だと思っていました。

その状況でコロナになり、Teamsの利用が誰も彼も一気に増えた。そして自分で言うのもなんですが、私はわりとTeamsを使い倒しているほうです。

なので、緩やかに起きる変化が、少なくとも私にはすごい早さで起きていきました。その最たるものがチームやチャネルの利便性であり、この利便性に気付くほどに、現状の組織体制への問題意識が強くなっていきました。

つまり、解かねばならない課題をTeamsのチームやチャネルに放り込むと、すごい勢いで解決に進むのと同時に、新しい課題(厳密には前からあるが顕在化していなかった課題)が生まれるのです。それはオフィシャルな組織構造がおかしいという課題。Teamsで結ばれたほうが物事が上手くいきそうな可能性があり、裏を返すと、現状の組織が足かせになる、あるいは何が経営資源として不足しているのかが顕在化するということも出てきました。

私はこれまで①〜③を割と手軽にDXで効率化し、その中で自身も①〜③を磨く、オペレーションとしてのプロ化をより高めることを意識してきました。しかし、根本的に①〜③をDXで最適化するには、組織構造や社員の価値観やひいては経営戦略まで全てを見直す必要があることに気づきました。

つまりこれ、日々のオペレーション業務ではなく、プロジェクト業務です。

チームやチャネルはプロジェクトを進めるほうが得意な仕組みのように思います。特に部門やエリアをまたいだりするのも得意ですね。Teamsを使いこなすと必然的にそうしたアプリの特性に合わせた仕事の進め方に変化していきます。

気づけばたくさんのチームやチャネルを立ち上げたり、あるいは招かれていました。これにより部門やエリアを超えて、私がプロジェクトの進め方を説明していたり、えらいマニアックな仕事を請け負ったりということが増えました。

あるときはリーダーで、あるときはメンバー。あるときは教えられ、ある時は教えている。

仕事がプロジェクト化した

そしてどうやら、私はこうした業務の仕方の方が圧倒的に好きだし得意なようです。オペレーション回すよりもプロジェクトとして仕事を捉えて、メンバーを集めて(あるいはメンバーになって)、計画して、実行していく。そのために必要な人とはどんどん繋がる。

どんどん繋がれる。デジタルだからお互いに時間が空いていれば会議できる。初対面でもおかまいなし。直接会ったことのない仲間がどんどん増える。別にお互いに困らない、時に雑談めいたテレビ会議もする。チャットもする。楽しいし、早いし、実行力が高い。

上司が勝手に僕を会議に入れる。上司の人脈からどんどん仲間が増える。レイヤーの高い人とも議論する時間が増える。

資料は紙でもらう必要もない、パワポで貰えるし、必要な箇所だけ削り出し、別の場所で即座に生かすことができる。

お互いの知らない部分がどんどん減り、まさにコラボレーションが起きる。

一方で、やっぱりオペレーションが好きと言う人もいる。そう言う人にどんどんオペレーションをしてもらう。そこで上がってきた課題を、プロジェクト化して私が解決する。オペレーションにそれを返す。それでお互いにハッピー。

オペレーションが好きな人は、プロジェクトとしてわざわざ紙に計画書を書くのが苦手。そして、オペレーション後の、成果を資料にするのまた苦手、いきなりオンラインでメンバー集めも苦手。

だんだんと新しい分業体制ができていきました。オペレーション好きがオペレーションを回し、プロジェクト好きがプロジェクトを回すという分業。

ふと気づけば、私は今日もプロジェクトをぶん回し続けてきます。

ということでまた。

#日経COMEMO #コロナ禍で変えた働き方

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