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営業の売上管理法(2)目標作成

本日は売上目標金額の管理方法の第二弾です。

前回の記事はこちら。

前回の話をまとめますと、以下の3つが目標管理の障害になっているとうことをご紹介しました。

・目標の精度が甘い
・バックアップがない
・予定オーバーを止めない

今日はこの3つをどのようにうまく対処していくのか、具体的なやり方について詳細を見ていきたいと思います。

■目標の精度が甘い→目標精度の高め方
まず一番初めに大事なのは営業スタイルにの違いを理解することが必要です。具体的には、農耕民族型なのか狩猟民族型なのかということです。あるいはその混在型という方もいらっしゃると思います。

農耕民族型
基本的に農耕民族型の営業は、例えば製造業を相手にしている場合が典型となります。これはだいぶ前から採用されるまでの仕込みが必要であり、逆に言えば、決まればいつまでにどのくらいの金額になるかは大体目処が付く営業です。

畑と同じです。ある広さの土地に(顧客数やモデル数)、種をまき(提案を行い)、芽が出て(顧客が注目して)、実をつけ(受注し)、刈り取る(売り上げる且つ入金を受ける)という営業方法です。

製造業は、毎月工場でどれくらいの生産を行うか決まっています。もちろん、景気や人気で数字が左右しますが、大体のベースラインは決まっていることが多いのです。なので、製造業向けの営業は大体どのくらいの生産数かが読めるわけです。

農耕民族型営業のメリットは、決まれば比較的安定して大きな金額を継続的に受注できる点です。デメリットは、決まらないとしばらく大きく数字を落とすことになる点と成果になるまでに時間がかかる点です。

狩猟民族型
一方で、狩猟民族型はもう少し短期的な内容となります。例えば個人を相手にしている場合、保険の営業や自動車の販売などがそれに当たります。いかにたくさんの顧客に出会いその場で成約に結びつけていくかがポイントとなります。

あるいは家電での量販や割と小規模な工事業なども狩猟民族的なお話です。数ヶ月、下手をすると数日で仕事が決まる、決まらない(売れる、売れない)がという世界です。

メリットとしては、その月に頑張った分だけ成果がでやすい部分です。デメリットはその逆です。頑張らないと勝手に売上が降ってくるようなことはありません。

混在型
この2つのスタイルの混在型が建設業界などのプロジェクトベースでの営業です。建設業界で注文を取るためには、設計段階から様々な仕込みが必要になります。この点では農耕民族型となります。一方で、それぞれの仕事が一発もののプロジェクトなので、採用をもらっても継続的な売上というよりは、わりと短期的に納入をして売上が完了します。この点では狩猟民族型です。プロジェクトベースの場合は、毎月の売上を平準化するのはなかなか難易度が高いと言えます。

さて、長い前置きでしたが、毎月の売上精度を高めるにはどうしたらいいでしょうか?理想論から言えばこれらのスタイル別の売上をバランスよく持っていることです。営業担当としてのポートフォリオをうまく組み立てられるか?と言うことになります。

狩猟民族型でベースを作り、その増減を狩猟民族型で平準化するということになります。以下のようなイメージです。

例えば、来月の目標金額が3000万円の場合・・・

1)まずは短期では数字を変えにくい農耕民族型の顧客の例年の数字の把握を行います。例えば、前年の同時期の金額や先月の売上金額からだいたいのイメージをつかんでいきます。今回の例題の場合、毎月大体1500万円のポテンシャルを持つA社と750万円のポテンシャルを持つB社がベース、だとします。

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2)同時に毎月の狩猟型民族で獲得できる大体の金額も把握します。大体、それなりに通って訪問すれば毎月E社で400万円、F社で100万円の売上が得られるとします。つまり狩猟民族型の営業をすれば、そこそこ頑張れば500万円くらいは毎月得られるとします。

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3)さて、この段階で次にA社とB社の来月の生産計画を顧客から聞き出します。よほどいい加減な顧客でない限り、彼らだって来月の計画を立てるのですから、その計画を聞き出せば、大体来月の自分の売上金額も把握できるわけです。

例えば聞き出した金額が以下の通りだとしたらどうでしょうか?

A社の来月の予定金額は1500万円(イメージ通り)
B社の来月の予定金額は 600万円(イメージ150万円少ない)

B社が150万円少ないですね。ちょっと辛い。

現時点ではこんなポートフォリオです。

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あと400万円をどうするか・・・。

4)突発的な要素を把握しましょう。農耕民族型のお客様でも途中で命の水をくれる場合があります。それが試作の発注です。今まで出てきませんでしたが、量産に至るまでには試作の発注が必ずと言っていいほどあります。なので、試作品の注文の可能性がないかは確認が必要です。

今回は新規で回っている2社が試作発注をしてくれるようです。

C社が試作で200万円発注してくれる
D社が試作で100万円発注してくれる

この場合、以下となります。

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あと、100万円たりません。

5)来月の狩猟民族型の頑張り具合を決めます。というより決まっちゃいますね。おそらくE社でいつもより100万円頑張って注文をもらってくるしかありません。ということで、来月のポートフォリオが完成します。

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ということで、今日はここまでです。

ではまた。

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