金(ゴールド)だろうが紙幣だろうが政府が発行しなければそれは通貨にはならないもしくはなりづらい！

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MMTや積極財政に否定的な方とネット上で通貨の出所について聞くと逃げるような回答をします。例えばこんな感じです。

否定派:税は財源である

私:税は財源ではない。国は通貨を作れるのだから足りない分は作れば良い。現にそうしている。

否定派:歳入と歳出の内訳を見れば税金が使われている。

私:回収したお金を再び使うことはあっても、そのお金自体は国が支出しない限り、得られない。

否定派:民間の銀行で信用創造で作られる。＾＾

私:民間銀行で信用創造して借入金を作ったとしても国が円という通貨を制定しないと円は手に入らない。銀行より先に円を制定しないと無理。

否定派:先にモノ無ければ円を作る意味がない(キリッ)

私:？？？？？!

とまぁこんな感じで話を逸らしていきます。よほど国の通貨発行権は彼らにとって都合が悪いのだと思います。どうやったって先に支出しないと国民は通貨を手に入れることが出来ないのに、屁理屈こねるか逃げるかをします。分かってて逃げてると思うのですが、本当に通貨発行権を理解していない可能性があります。とは言え通貨が金(ゴールド)だろうが紙幣だろうが、貨幣を通貨にするには…

どちらも通貨発行権の力が必要！

だったりします。どういうことを考えていきます。

まず、貨幣と通貨を定義する必要があります。

貨幣とは通貨を含めたお金全般を言います。そして貨幣は誰でも作れます。貨幣とは貸借関係を記録したモノだったり貸借関係の記憶そのものだったりします。例えばAさんがBさんに対して何かしらの貸しが出来たとします。その貸しをすぐには返せないのでBさんに借りがある証拠としてAさんがメモの書いた紙切れをBさんに渡したとします。Aさんが信頼に足る人物であるとBさんが考え、その紙切れを受け取ったらそれは貸借関係を記録したモノになるので、立派な貨幣と言えます。しかし、それはAさん、Bさん間では成立しても両者を全く知らない赤の他人には効力が及びません。

それに対して通貨は先ほどの貸借関係で発生した貨幣がもっと流通することで通貨となります。先ほどの例で行けばAさん、Bさん間でしか通用しない貨幣ですが、2人以外の多くの人がAさんの事を知っていてAさんの書いた貸借関係を記録したモノが信頼に足ると知っていればそれはその集団にとって貨幣となり、同時に集団内での通貨となります。

集団が大きくなっていけばそれはやがて国になります。国というのはその共同体の権威や権力が集中したものになります。その権威権力を使って国を運用します。その国を運用していくためには今までバラバラだったモノをある程度統一していく必要があります。いわゆる度量衡です。当然貨幣の統一も含まれます。貨幣が国内で統一されて初めてその国での通貨が決まります。通貨が決まる＝通貨の単位が決まります。いわゆる円やドル、といった単位です。実は…

この単位が決まることが重要です！使われる貨幣の材質は関係ありません！

歴史上、金貨という貨幣が生まれて以降、金という鉱物そのものの希少性から金そのものに価値があるから流通し通貨となったという誤解が生まれてしまいました。もし金そのものの価値によって流通しているのが、正解ならば金貨という形状を取る必要はこれっぽっちもありません。でも対価として受け取るなら間違いなく、掘り出したそのままの金よりも、金貨を受け取る人の方が大半だと思います。理解しやすい一例として「もののけ姫」のとあるシーンが分かりやすいると思います。

アシタカが市場で米を購入する際にこれで良いか？と言って砂金の大粒を差し出します。でも米売りの商人はこれが何か分からなかったため、一旦は拒否します。そこへジコ坊がやってきて鑑定した結果、砂金の大粒であることが判明したため米売りの商人はそれを受け取り、取引は成立しました。これって現実でもかなり当てはまると思います。お店に来た客がお金の代わりに金やダイヤモンドなんかを渡されてもお店の人は困ると思います。本物かどうかも判断つかないし、買おうとしてる品物に対して妥当な量、サイズなのかも分かりません。

でも、それが自国が発行した金貨であれば何の問題もなく受け取ると思います。もちろん偽造されてる可能性がありますが、貴金属の現物を渡されるより遥かに信用度は高いでしょう。その際にその金貨の金の含有量を考えて受け取る人はいるでしょうか？まず間違いなく…

そんなこと考えません！

その金貨に書かれている単位で取引を考えます。例えその金貨が金メッキレベルでしか金が入って無かったとしても関係ないのです。大事なのは…

これは国が発行した貨幣！　

であることが重要になります。国という巨大な権威権力は他の何よりも大きいためです。何せ悪いことしたら牢屋にぶち込まれるし、最悪罰として命を奪われます。ただし、通貨にさせるにはその貨幣での徴税が必要になります。税を支払うために国が決めた貨幣を集める必要があるからです。とは言え、徴税を行うためには前述した通り、国という大きな権威権力が必要になります。

宋銭のように海外の貨幣が輸入されて通貨となった場合もやはり時の権力者の意向によって行われています。そういった強いパワーを持った組織、存在こそが通貨発行権を持てる理由です。まぁちょっと考えると分かりますが、軍隊という巨大な暴力装置を持った組織がこの貨幣を使え！と言って逆らえる個人なんかいますでしょうか？フィクションはともかく現実にはいませんよね。

最後まで読んで頂きありがとうございます😊