ガラスケースの中の暴力,生命-アンゼルム・キーファー[Opus Magnum]展
某日、表参道から青山通り。
アンゼルム・キーファー「Opus Magnum」展(-7/13)へ。
ガラスケース内で展開する立体作品と、水彩画が展示されている。
"鎮魂"の芸術家 アンゼルム・キーファー
アンゼルム・キーファー。ドイツの歴史上の記憶を揺り起こしたと、下の記事にある。
6/21より、ヴィム・ヴェンダース監督によるドキュメンタリー映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』も公開。
また来年2025年には、世界遺産・二条城の二の丸御殿台所・御清所や城内庭園で大規模展覧会が開催される予定だ。
ガラスケースの中の世界
ギャラリー、ファーガス・マカフリー 東京は、自然光が射し込む明るい空間だった。
作品の背景に、木漏れ日が映りこむ。
Mohn und Gedächtnis/粟と記憶―パウル・ツェランのために
アンゼルム・キーファーと詩人パウル・ツェラン。二人の関係について研究した本も出版されている。
暴力と性
入口を背に、向かって左側の展示室には、
Bermuda/バルミューダ
まず、バルミューダ・トライアングルを連想させる作品、
そして、はっと目を引くような作品たちがあった。
Thor–Mjölnir/トール―ミョルニル
シュミーズと鉈。
Mater Inviolata/汚れなき聖母
全裸で開脚し、その前に貞操帯とおぼしきオブジェが置かれた「聖母」。画面前方の焼け焦げたようななにかも気になる。
danae/ダナエ
ダナエ(ダナエ―)といえば、
個人的には、非常にモヤモヤするストーリーでもある。
もちろん、クリムトの美しい絵画もあるけれど、
もしかしたら、この作品のほうが、本質的なのかもしれない、と感じる。
残酷で美しい。目が離せない。
Hexenwaage/魔女の秤
タイトルから「秤」=魔女狩り、をおのずと連想する。
魔女の疑いを持たれたら、どんな弁明をしても魔女とされる。よってこの秤がどちらに傾くかは大きな問題でなく、載せられた時点で運命が決まっている。
"Opus Magnum"
Die Palette des Malers/画家のパレット
展示室の奥には、本展の作品のなかにあって珍しい、色のある作品があった。
展覧会のタイトル「Opus Magnum」-ラテン語で「人生の最高傑作」。
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