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意味を纏った後に見えるもの -山本雄教(グループ展「ART NOW→FUTURE」)
某日、銀座シックス。
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蔦屋書店 銀座の展覧会で、面白い経験をした。
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アーティスト・山本雄教の作品。
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遠目からは、ピクセルのようだが
ドットで描かれているような、これらの絵は
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近づいてみると、敷き詰めた1円玉の上を、なぞって描いたものだ。
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子どものころ、そんな遊びをしたかもしれない、と、まずは、なつかしさを覚える。
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山本雄教
1988年京都府生まれ
京都造形芸術大学大学院修士課程修了
https://yukyo-yamamoto.jimdofree.com/
一円硬貨や米粒といった身近な存在を用いて、様々な事物を表現している。「すぐそこにあるものこそが、あらゆるものにつながっている」という作家の世界観のもと、日常的な価値観や現代社会とのつながりを見つめ直す。国内外でのアートフェアやギャラリーで存在感を示し始め、数々の賞を受ける注目の作家。2024年2月12日まで京都市京セラ美術館[ザ・トライアングル]にて、個展「山本雄教:仮想の換金 (priceless museum)」が開催された。
既視感のある有名作品のシルエット
こんなふうに、
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ああ、どこかで見た、と思うような作品に
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まずは素直に、面白いという視点で楽しむ。
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見方にひとつの方向性が生まれると
しかし、この作品を見ると「あっ」となる。
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追い打ちをかけるように、これらの作品を観れば、「ああ」と。
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そして、今回のシリーズ「One coin」シリーズの解説を。
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作品の下には、1円玉が敷き詰められたままになっているとは。
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この展示の並びといい、なかなかのインパクトだ。
作品の印象ががらりと変わる面白さ
そして興味深かったのは、
はじめは作風の面白さに、なるほどと思っていただけだったところが、
米国のIT長者たちと、ビットコインのアイコンを観てしまい、作家からの投げかけのようなものを「やっぱり?」と受け取ってしまった以降は、
作品たち全般に、何か、含み感じられてきたりすることだ。
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さきほどの名画たちも、高額で取引されている美術品のアイコンと見えなくもないし、
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この作品も、
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就活生? というつながりから、頑張っている若者というよりは、どこか、資本主義に取り込まれていく姿? といった方向に。
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この、人のシルエットに至っては、
我々はしょせん、1円硬貨で造られている?
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さらには、頭部から首にかけてが、クエスチョンマークを内包しているようにまで、見えてきてしまう。
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なんという、アートの面白さ。
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