見出し画像

DAY 48:「夜泣きとジャズ」 A DATE WITH JIMMY SMITH BLUE NOTE 1548 VOLUME TWO

画像1


娘が夜泣きした。



寝ない。


妻が抱っこしてあやしても
寝ない。


こういう時は、
いや、
こういう時こそ、
私の出番である。


何のために今まで鍛えてきたと
思っているんだ。


こういう時に、役に立つために
トレーニングしてきたんじゃないのか。


だっこひもを身に纏う。
妻に「代わるよ」と声をかける。


妻と息子に眠ってもらうため、
泣く娘を胸に抱き、
1階のリビングへ降りた。


暑いのか、どこかかゆいところがあるのか、
娘は辛そうに泣いている。


おとうさんも泣きそう。


だっこひもに娘を抱え、
スクワットするように、
縦に揺らす。



寝ない。



子守唄を歌ってみた。



余計に泣いた。


悲しい。




…どうせ寝ないならレコードでもかけてやろう。
そう、半ばヤケになって、

「A DATE WITH JIMMY SMITH  
 BLUE NOTE 1548  
 VOLUME TWO」

を、小さい音でかけてみた。

「I LET A SONG GO OUT MY HEART」
が、ゆったりと始まる。

それに合わせて、縦に揺れてみた。

娘は暗がりの中に光る、
ターンテーブルと、ミキサーの光をしばし見つめ…


眠らなかった。楽しそうに笑うとる。


逆効果だったか…
もう日付はてっぺんをとうに回っている。
私の方が眠くてしょうがない。

だがしかし、ここで諦めるわけにはいかない。

小さい音に合わせて、
ふたりでダンスするように、
縦に揺れ続ける。

やがて娘の泣き声はやみ、私の胸の中から、
ちいさくて、かわいい寝息がきこえてきた。

ジャズの寝かしつけ、大成功である。
…お勧めはしないが。



娘がしっかりと寝たことを確かめ、
慎重に、床に敷いたふとんに寝かせる。
なんてかわいい寝顔。
誰がなんて言おうと、
私には世界一かわいい寝顔のひとつだ。

その寝顔を見ていたら、私も眠くなってきた。
レコードは回り続けていた。
「1548」が流れ続ける中、
床で眠りについた。

翌朝目覚めたら、身体中があちこち痛かった。
とくに腰。一晩中だっこしたのと、
床で寝たのが良くなかったみたいだ。



でもね、おとうさんは、
このために、
おとなになったんじゃないかって
おもったんだ。

夜泣きする君を、夜通しだっこして、
安心して、眠ってもらうために。

君が気持ちよく眠れるのなら、
いくらでも、おとうさんと、おかあさんは
起きていられるよ。
そして、だっこしていられるよ。

また夜、泣くことがあったら、
おとうさんは子守唄がヘタだから、
またレコードを聴こう。
今度はだれの、どんな曲で眠るかな。

おとうさんは、そういう思い出をひとつひとつ
たからものにしたいとおもっているよ。
もちろん、泣かないで
良く寝てくれるのが一番だけど。

家族となら、どんなことも前向きに
考えられる気がするんだ。

そう感じさせてくれて、いつもありがとう。
今夜もゆっくり、おやすみよ。

ここまでお読みくださり、
ありがとうございます。

noteの時系列は、現在とリンクしてません。
追いついてきましたが…。
若干の違和感がある場合もあるかも
しれませんが、どうかご容赦ください。

今後も、
あなたのちょっとした読み物に、
私のnoteが加われば、
とても嬉しいです。

今日があなたにとって
いい、いちにちでありますように。

人生は続きます。どうか希望が、
小さくても、少しでも、
あなたの今と、
未来を照らしますように。

アイ





P.S. Twitterもやっています。
よろしければ、フォローしてみてください。

https://twitter.com/aai_captain

サポートいただけましたら、とても嬉しいです。