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デザイナーとしての「良い問いかけ」とは何か?

こんにちは!2023年4月に、くふうAIスタジオにデザイナーとして新卒入社した山川と申します。

入社して3ヶ月程の間に、研修や実際の仕事に携わる中で失敗したこと、上手くいったこと、様々な経験から考えたことの一つを、自分なりの言葉でまとめてみようと思います。

新卒入社のデザイナーとして学んだことをまとめてみた上で、今回設定したテーマは“デザイナーとしての「良い問いかけ」とは何か?”ということです。

<筆者のプロフィール✍️>
東京都出身・茨城県在住
美大でインタラクション・デザインやメディア・アートを学ぶ
2023年4月にくふうAIスタジオにデザイナーとして新卒入社
映画と音楽とDIYが好き

初めて仕事に携わる上で、最も苦労した点はクライアントやチームメンバーとのコミュニケーションです。デザイナーとしてやり取りを行う上では「中間成果物(プロトタイプ)」を使うことが多いですが、それらを上手くプロジェクトのゴールに向けて活用していくことがとても難しく感じました。

以下の記事でも解説されていますが、プロジェクトを進めていくためには、言葉によるコミュニケーションを含め、中間成果物を使って必要な情報を集め、合意を形成するための「良い問いかけ」をすることが大切だと感じています。

では、自分の作っているものが「良い問いかけ」になっているかどうか、どう判断すれば良いのでしょうか?自分なりに感じた課題や上手く行った点から、その条件を3つ考えてみました。

1. 意図が明確か?

これは、その中間成果物において「何を確認したいのか」が明確であるかどうか、ということです。例えば画面のプロトタイプを作ってクライアントに共有する際、「情報構成」の確認なのか「トンマナ」の確認なのか、見せ方を一つとっても、この順番でいいのか、この並べ方でいいのか、この色で確定なのか、など、確認するポイントは無限に出てきてしまいます。
しかし、全てに100%の合意をとってプロジェクトを進めることは現実的に難しそうです。そこで、デザイナーが主体的に問いの意図を設定することで、その段階で重要なポイントを可視化したり、議論したり、合意を取ることができます。
実際の業務の中でも、その中間成果物を作る上で何を確認したいか?を簡単にでも言語化することで、プロトタイプが作りやすくなったり、その後のコミュニケーションがスムーズになることを実感しました。
また、アウトプットすることは自分自身への問いかけでもあります。とにかく作って、手を動かす中で知りたかったことに気づいたり、新たな問いが生まれたりすることもあると感じました。

2. 粒度と方法が適切か?

例えば、情報構成の順番や大まかなレイアウトについての確認をしたい時、色やフォント、細部のあしらいまでも完全に作り込んだプロトタイプをクライアントに見せたとします。すると、本来確認したい「情報構成の順番や大まかなレイアウト」よりも、デザインのディテールに目が行ってしまい適切なフィードバックを得られないかもしれません。「大まかな部分だけ見てください」と言葉で補足しても、プロトタイプとして具体化されたものがある以上、クライアントとしては「この色とフォントの感じはイメージと違うから、指摘しないと」と考えてしまいます。
私は特に、「イメージ通りのものを見せたい!」という気持ちから、つい手が動きすぎてディテールの完成度を上げたくなってしまう癖があります。しかし、中間成果物の目的はあくまで必要な情報を得ること(=問いかけ)です。
一例ですが、情報構成の確認であれば「モノクロのワイヤーフレーム」、色の確認であれば「レイアウトは統一・色だけ変えたページの一覧」、あるいは、情報の種類によっては手書きのプロトタイプや、口頭での確認やテキストでの確認で済む場合もあるかもしれません。
より完成度の高いものを見せるのではなく、その段階に応じた適切な情報量と手段を判断し、それに応じた成果物を作ることが大切だと感じました。

3. 承認と提案を含んでいるか?

クライアントから依頼されたものを作る場合、当然ですがその要求(要件)を満たすものを作る必要があります。しかし、自分の考えや要求を初めから的確に言語化することは誰にとっても難しいことです。私も、「自分はこう考えていたのに!」「こういう前提じゃないの!?」といった認識違いの壁に何度かぶち当たりました。
おそらくプロジェクトの過程においては「だいたいこんなイメージかな〜」という曖昧な基準をメンバーやクライアント全員が持っていて、プロトタイプを作ったり、会話したりしながらその曖昧なイメージを擦り合わせて具体化していく作業なのだと感じました。

その中で、デザイナーが中間成果物によってどんな姿勢でコミュニケーションを行うのが良いか、私は大きく2つあると考えました。

  • 「それってこういうことですよね?」(相手の考えを理解し、合意する)という承認

  • 「それなら、こういう考えもあるのでは?」(相手の考えを受けて、新しい視点や形を与える)という提案

これらは、どちらか一方に偏ってしまうと相手の言うことを聞くだけ、または自分の考えを押し付けるだけになってしまいます。これらの2つの姿勢をバランスよく取り入れて問いかけを行うことで、クライアントやメンバーの考えを引き出したり、議論を活性化させたりすることができるのではないでしょうか。

まとめ

以上が、入社3ヶ月で自分なりに考えてみた「良い問いかけ」の基準です。このように文章化することも、自分に対する問いかけとして役立てていきたいです。
これから仕事を続ける中で新たな発見や、考えの変化があると思いますが、さまざまなことを取り入れながら柔軟に、成長していきたいと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!


私が所属しているくふうAIスタジオデザイン推進部では、定期的に日々の発見や学びを発信しています。
ぜひチェックしてみてください!

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