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只の日本人、ざる蕎麦を食べる

――ざる蕎麦を食べよう

草薙はざる蕎麦を食べる事にした。

今日は決断が早い。

(ざる蕎麦……)

日本食だ。

冷たい蕎麦である。

水を混ぜためんつゆ。

そこに蕎麦をつける単純な日本の料理。

(いいな、蕎麦)

蕎麦には栄養がある。
ビタミンb1やビタミンb2。
健康、美容に良い栄養が入っているとされているのだ。
蕎麦粉に含まれる植物性たんぱく質は良質だ。
蕎麦には美容にいいビタミンcの吸収率を高めるビタミンpがある。

(ざる蕎麦……爽やかな感じがする)

ざる蕎麦の爽やかさが草薙は好きだった。

そういうわけで草薙はざる蕎麦を食べる事にした。

草薙は蕎麦を用意する事にした。

蕎麦を取り出す。

(湯を沸かすか)

草薙は湯を沸かす事にした。

「……うむ」
草薙は湯を沸かす。
沸かした湯に蕎麦を入れるためだ。

(海苔は……どこだったかな)

草薙は海苔を探した。

なんせざる蕎麦である。
海苔が欲しい所だ。

草薙は海苔を探した。

(おお、あった)
草薙は海苔を発見した。

(よかったよかった)

一安心である。

そして……

(沸いたな)

お湯が沸いた。

(蕎麦をいれるぞ!!)

草薙ちょっとワクワク。草薙庶民感覚。

草薙は沸いた湯に蕎麦を入れた。

(いいな)
蕎麦を食べられるのが近づいてる感じがする。

(……ざるを用意するか)

草薙はざるを用意する事にした。

なんせざる蕎麦だ、ざるで食べようというわけである。

(ざるは……どこに置いたっけ)

草薙はざるを探す。

蕎麦を作る時毎回ざるを用意するわけではない。

だが今日はざる蕎麦を食べようという事なのでざるを探すのだなんせざる蕎麦だ。

ざるを探す草薙悠弥
そして、

(あった、ざるだ)

ざるを見つけた草薙悠弥。

(むふふふ)

これでざる蕎麦の準備はととのった。
むふふふふふ。
割りとアバウトな草薙だがざるを用意するあたり割りと丁寧。

(なんせざる蕎麦だ)

そして

(そろそろか)

蕎麦が柔らかくなった。
箸で感触を確かめる。

(よし、食べれそうだな)

テンションがあがる。
なんせ日本の蕎麦だ。

(十分……柔らかいな)

感触を確かめる。

熱いかけ蕎麦の場合は多少蕎麦が固くても、熱い蕎麦のつゆ湯で柔らかくなってくれるかもしれない。だがざる蕎麦の場合それはちょいと難しい。
そんな感じで今日は、ちょいと強めに蕎麦をゆでる草薙であった。

草薙は景気よく麺と湯を、湯ぎりざるにいれた。
湯をぬく。そして蕎麦を水につける。

(蕎麦を冷やすぞ)

蕎麦を冷やすのだ。なんせざる蕎麦だ。

草薙は蕎麦を水につけた。
冷たい水が、熱い蕎麦を冷やしていく。

水につけるのを繰り返す。最初は水につけたら水が温かくなるくらいの熱があったが、数度目でそうでもなくなってきた。蕎麦が冷たくなってきたのだ。

(冷たい蕎麦……もり蕎麦と一緒だな)

ふと考える、もり蕎麦とざる蕎麦の違い。
よく論ぜられる話だ。
草薙的にはわりとどっちでもええやんと思う所もある。
ただ、ざる蕎麦は

○ざるに乗せて食べる
○海苔をかける

これがざる蕎麦がざる蕎麦であるために重要な要素といえるだろう。

といってももり蕎麦で上記要件があるのがないわけでもないだろう。逆も然りだ。
ただ何にでも例外はあるしそれを論じても仕方ない。

(ざる蕎麦は)

なんとなく考える

(ちょっとした丁寧さ……ちょっとした高級感)

その言葉が浮かんだ。
まぁ、そんな所だろう。

もり蕎麦とざる蕎麦、その違いは曖昧模糊な部分があるが、

(――それもまた良し)

そう思う。曖昧上等。

(そろそろ、冷えてきたか)
蕎麦が冷えてきた!
草薙は蕎麦を水からあげた。

(ざるに……のせるぞ!)

草薙はざるに蕎麦にのせた。

(海苔を……かけるぞ)

草薙は海苔を蕎麦にのせた。

これでザックリ……

「ざる蕎麦だ!」

(食べるぞ)

草薙は、ざる蕎麦を箸でとる。
箸で蕎麦がざるから離れる。
蕎麦をめんつゆにつける。魚介類のダシがきいためんつゆを水で薄めたものだ。
めんつゆを絡めた蕎麦を……食べる。

(うまい)

蕎麦、うまい。

草薙は海苔と一緒に蕎麦を食べる事にした。

海苔には栄養がある。
そして蕎麦にも栄養がある。

ざる蕎麦、栄養。

草薙は蕎麦と海苔をつゆにからめた。
そして、食べる。

(うむ……)

やはり……

「ざる蕎麦、うまい」

そして、ざる蕎麦を完食した。

「うまかった」

ざる蕎麦の原価は基本安い。恐らく原価百円位か或いはもっと下。
やけに丁寧にやった気がする。
普通のざる蕎麦。大袈裟といえるかもしれない。
だが、

――それもまた良し。


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