見出し画像

興味が次々移り変わる子どもほど良く伸びる

「集中力が心配なんです」
保護者様からよく受ける相談の一つだ。

そもそも集中力は、
月齢+1分が限界と言われているが、
集中力は声かけ次第でいかようにも変わる。

集中力が伸びしろの子と並んで、
衝動性の高さに関する相談もある。

すぐに手が伸びてしまったり、
周りが見えずに自分の好奇心を優先させてしまったり、
前触れもなく感情を爆発させてしまったり。


どちらも似ているようで、
ひとくくりにされそうだが、
集中力と衝動性はもちろんのこと
中身も成長も一人一人、まったく違う。


Sちゃんは、いわゆる注意散漫型で
一つの教材にじっくり取り組む集中力は、
これからだ。

ロングヘアのアレンジが可愛らしく、
私のクラスへ進級してきた3歳になったばかりの頃、
次から次へと手が伸びた。

講師のものを奪い、
友達のパズルを取り、
椅子には着席していられずに
次から次へと興味が移り変わる。

耳からの情報よりも
目からの情報に翻弄されて、
「聞く」がそもそも難しい。

Sちゃんの場合は、
言葉の力がしっかり育っている一方で、
純粋な好奇心で動いている。


どうしていけないのかを
分かっていないだけなので、
毎週毎週、
理由を話して聞かせるを重ねた。

「レッスン中は、椅子に座ります」
教室でのお約束を伝える。

体がうずうず。離席してしまうと
「自分で座りますか?先生が座らせますか?」
会話の力は長けているSちゃんなので、
ときに決定権を持たせながら。

先生によっては、
先に教室の中を3周ほど走らせて発散させる!ということをされているけれど、
私の場合は、一度それをしてしまうと
無限ループになってしまうので、
あまりやらない。

「今は、レッスン中です。またあとでね」
時間間隔を伸ばす声掛けをする。

お母様には、
ご自宅で、教材に限らずに
お手伝いでもなんでも、
Sちゃんと一緒にじっくり
取り組める時間を意識してみてくださいと伝えた。 

守ってほしいお約束ごとは決めておいて
意に添えないときは、
気持ちだけは受け取ってあげつつ、
「また今度ね」
と毅然とした対応をしていただくと、
理性行動と時間感覚が育ちやすいですともお伝えする。

次第に教室がどういう場所かが伝わり、
2、3か月後かには、ついに45分間、
自分から椅子に座ってしっかり教材に取り組めるようになった。

ご多忙の中、
協力して下さったお母様に感謝である。
また、ワンツーマンなら、こうはならないだろう。
きちんと座れる友達がいる集団レッスンであってこそだ。
共に学ぶ友達にも感謝だ。

「手はお膝のお約束」
「友達の順番」
など、まだ難しいところもあるが、
「椅子には座る」が届いた。



余談だが、
自分から椅子に座るときの3歳のSちゃん。

「勘弁してくれ~」と言っていた。

好奇心が旺盛な分、
いろんなことを吸収しているようだ。


そして、現在。
4月には年長になるが、
並大抵ではない探究心から
吸収してきたものが多い分、
今では集中力も相まって頼もしいことこのうえない。

記事を見つけて下さり、最後まで読んでいただきありがとうございます。 少しでもなにか心に残るものを届けられていましたら、こんなにも嬉しいことはありません。