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NoCodeに置き換わるITエンジニアの仕事とは

NoCodeとは、プログラミングなしでサービス開発ができるサービス群のことです。

例えば、Bubbleは、

・表示画面をドラッグアンドドロップで作成
・ボタンを押した後の挙動を選択肢から選択
・データベースもExcelに記入するような管理画面で設定

してサービスを開発できます。

もちろん、HTMLやCSS、PHPやRubyのようなコード、MySQLなどのDBMSが裏側にいて、その動作や画面表示を実現しています。

しかし、注目すべきところは、専門性がなくてもビジュアルで直感的に操作ができるところです。

つまりプログラミングを学習するよりも圧倒的に学習コストが少ないのです。

ただし、全てのプログラミングやITエンジニア業務がNoCodeサービスで置き換わるかというとそれはないと私は思います。

では、ITエンジニア業務のどの部分が置き換わるのでしょうか。

SIerはかなり置き換わる

IT業界の言葉でいう「SIer(システムインテグレータ)」と呼ばれる業務は置き換わることが予想されます。

SIer(エスアイヤー)とは、顧客の要望に応じて0からシステムを開発する会社や業態のことです。

フルオーダーメイドのスーツを作るイメージですね。全ての部分を採寸し、デザインを起こし、お客様に確認してもらって、生地から作ります。

大企業など財務的な体力がある会社は、フルオーダーメイドの開発を行う業務もあるので、完全になくなることはありません。

しかし、NoCodeで使えるクラウドサービス(SaaS)が活用できる業務は確実に増加しているため、需要は確実に減少します。

Webサービスの開発はなくならない

一方で、SaaSを始めとするNoCodeで使えるクラウドサービスは今後どんどん新しく開発されます。

SIerで働くITエンジニアのうち、より高度なエンジニアキャリアを望む方は、Webサービスを開発する会社に転職することをおすすめします。

なぜなら、NoCodeを支えるアプリケーションやインフラ基盤は、技術的に先進的で高度なものであり、キャリアアップになるからです。

これまで会社単位で個別に開発されていたものを、サービスとして汎用的に開発し、かつ他社と競争するので技術的にもレベルが高いです。

※もちろんSIerでWebサービス開発を行うことも可能です。異動を申し出ましょう。

要件定義はなくならない

技術が高度化するに連れ、顧客はどんどん技術に置いていかれています。

一方で顧客のビジネス課題は多種多様に渡っていて、それは新しいビジネスチャンスでもあります。

ここで必要なのは、利用者のことをよく知っている企業と、技術をよく知っている企業が、膝詰めで頭に汗をかいて新たな解決策を考えることです。

つまり、これは要件定義に当たる部分です。

ただし、顧客が要望を伝えて要件を定義するこれまでのやり方ではなく、ビジネスの作り方(営業・マーケティング・広報PR)を双方が熟知した上での要件定義になります。

業務システム開発はなくなる

情報システム部門で社内SE(システムエンジニア)として働いている方は、NoCodeやSaaSを学びましょう。

現時点でも新しい業務システムを0から開発することはかなり減少していると思います。

また採用管理システムは人事部門が直接運用し、在庫管理システムは生産管理部門が直接運用していることも多いです。

このような状況でも、情報システム部門がなくなるとは私は考えていません

部門ごとでNoCodeやSaaSを調達すると部門最適になりがちで、全体最適を維持する機能として、情報システム部門は残ります。

ただそれは業務システムを開発するのではなく、NoCodeやSaaS間のデータ連携をする、や業務の自動化をする、ガバナンス維持のための管理をする、というように役割が変わってきます。

ソフトウェアの民主化

この30年でハードウェアは完全に民主化しました。

私は最近Mac Book Proを購入して使用していますが、ハードウェアは全く意識しなくても使用できます。(Windowsは少し意識が必要です)

そして、ソフトウェアの民主化、プログラミングの民主化が徐々に始まっています。

これまではエンジニアの専門性であり、それで稼いでいたわけです。

これからは多くの非エンジニアがNoCodeで様々なサービスを開発し、一部の高度なエンジニアだけがNoCodeサービスを開発する時代です。

NoCodeの時流に乗って、新しいサービスを開発しましょう!

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