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2023年2月に見たライブ(cinema staff,ユニゾン/VG2/アニソン派)

**. 02/17 アニソン派! vol.10@新宿ロフトプラスワン

出演:田淵智也、田代智一ほか

ライブではなくイベントなのですが、忘備録として雑感を。アニソン好きではない者からの目線です。本編と打ち上げに参加しました。オールのイベントなんて10年以上ぶりだったから疲れたよ、けど楽しい体験だったよ。

「アニソン」とはなんぞ

アニソンと言うジャンルが好きなわけではないのですが、子供の頃から人並みにメジャーなアニメは好きだし好きな曲もある(昭和アイドルが歌うものもあれば声優さんが歌っているものもある)。
「そもそもアニソンの定義って何なのかよくわからないな」とずっと思っています。私の好きなロックバンドもアニソンバンドとも言われるけれど、私は特に意識したことはないし、アニソンバンドというワードの実態がよくわからないし、カテゴリー分けの意味があるのかなと疑っている。

「邦ロック」なども妙な言葉だなと思います。良い曲だなと感じるのに「これは洋楽」「これはジャニーズ」とか意識しない。便宜上、カテゴリー分けされるのは仕方ないとは思うけど。
脱線しますが、昔はよくレコ屋で「J-POP」「パンク」「エモ」「ロック」「インディーズ」など仕分けされているのを見て、「エモとロックの違いがわからん。あいうえお順にしてくれないか」と思っていました。探しづらいことこの上なし。最近はレコ屋で何かを探すことがぐんと減っちゃったから困らないけど。

イベントオーガナイザーのユニゾン田淵は「ロックファンとアニソンファンは交わらなくてもいい(ざっくり)」って言ってるけど、両方好きな人もたくさんいます。最近は有名なバンドもアニメ主題歌を歌っているので、ロック好きもアニメ主題歌に注目することが増えた気がします。

そんなぼんやりとした気持ちがあったのでイベントを通じてアニソンとは?という問いの何かヒント掴めるかもと思ったのと、私が好きな曲を作る田淵がおすすめのアニソンに興味があるのと、第一線で活躍するクリエイターさん達(ユニゾンの楽曲をお手伝いしてくれている方々も多数)の話も面白そうだ、という動機で参加しました。

配信での参加経験はあったのですが、私のようなアニソンに疎い者が現地に赴いて大丈夫なのかすごく迷いました。「話について行けず辛いかもしれない」「アニソン好きじゃないってバレたら視線の袋叩きかもしれない」(陽キャを演じられる陰キャなので後藤ひとり的思考に陥りがち)って不安と緊張があったけど、行ってみたらとても楽しかったです。
もちろんわからない話題もあったけれど、異業種の方々のトークを聞くのは当たり前に面白かったし、アニソン愛に溢れたお客さんの雰囲気も素敵だと思いました。ユニゾンの客層ともまた違うね。勇気を出して良かった〜。打上げの時に隣に座ったお姉さんが、よく私と同じタイミングで頷いたり笑ったりしていたのも心地良かったです。

楽曲アワード2022グランプリ発表

今回は2022年のアワードという華やかな回でした。田代さん(Q-MHz)、草野華余子さん(説明不要)、やしきんさん(ユニゾンの楽曲に関わっている、あと私にとって「夜桜四重奏」のイメージ)、伊藤翼さん(「kaleido proud fiesta」のストリングス神アレンジ)、ebaさん(ユニゾンの楽曲に関わっている、最近だと「カオスが極まる」の神トラップビート)、渡辺翔さん(sajou no hana)、その他の方々も名前は知っていたり、アニソン派のスペースでお話を聞いたことがあったりして、現地初参加にして非常に贅沢だったなと思います。

打ち上げには黒須さん(Q-MHz)も登場してテンション上がりました。クリエイターさん達の仕事の話が面白かったのに加え、「この人はこういうキャラクターなんだ」と知ることができたのも楽しかったです。伊藤翼さんからは、心底良いものを作りたいのだろうなぁという圧倒的な陽のオーラを感じました。

ノミネートした80曲は事前にチェック。知ってる曲が9曲しかなかったから聞くの大変だった、でも楽しかったわ。「こういう曲は苦手」というものから、「こんな感じのアニソンもあるのか、面白いな素敵だな」と言うものまで。知らない音楽に触れることは楽しい。

当日、グランプリの20曲が発表されました。そのうち事前に聞いて「この曲好き」と思ったのは「かたち」「シャル・ウィ・ダンス?」「ソワレ」「カオスが極まる」「ミックスナッツ」「Super Candy Funk :)」「星座になれたら」「リトルハミング」の8曲でした。この中でアニメも見ていたのは「カオスが極まる(ブルーロック)」と「ミックスナッツ(SPY×FAMILY)」と「星座になれたら(ぼっち・ざ・ろっく!)」だけです。メジャーど真ん中。そんなメジャーどころも選ばれるんだな、とほっとする。
その他の曲は、単純に曲として「好き」と思いましたが、アニメも見ていたらより感動が大きかったのだろうな。

逆に、田淵が推している「トキメキ☆イチゴいちえ」は苦手なタイプ。クリエイターさんのお話は面白かったけれども。
打ち上げではやしきんさんのアニソンDJタイムがありましたが、そういうタイプの曲が多かった印象(星野源の「ドラえもん」も入っていたが)。私は、アニソンでなくてもそのような歌唱や曲調(速くて声がキンキンしがち)が苦手なのです。アニソンの中でもこういうタイプが人気のイメージが勝手にあります。なぜなのだろう。いつから主流なのだろう。

やしきんさんのDJっぷりはかっこ良かったよ。頻繁にDJやってる人のプレイ。曲が変わる度に、オタク達の野太い歓声が上がって面白かった(笑)あと、やしきんさんはトークの切れ味が鋭くて語り口が好きだなと思いました。加えて、マスクしてたけどきっとイケメンに違いない。

受賞曲の制作に関わったクリエイター、推したクリエイターが、プレゼンターとして登壇(またはコメント出演、リモート出演)。自分が見ていないアニメの話題は内容を細部まで理解できたとは言えませんが、逆に「アニメ見てみたいな」と思ったり、アニメを知らなくても曲作りに関わったクリエイターの熱を感じて面白かったり。

アニメタイアップで、「歌う人」と「曲を作る人」が異なる場合は、作る人は「アニメサイド」と「歌う人サイド」に配慮しなくてはならないと聞いて、言われたら当然のことなのですが、なるほどハードル上がるんだなぁと改めて思うなど。アニソンじゃなくてもある構図ですけどね。

好きなロックバンドのインタビューを聞いたり読んだりすることに興味がありますが、曲に対する思いを知るのが楽しいのは、ジャンル関係ないなと思いました。やしきんさんが「名曲はロマンから生まれる」と発言をしていて、まさに!と。

ロックバンド好きとしては、バンドでの曲作りや業界について思うことなど、こういうイベントでトークを聞けたら面白いのになと思います。

ebaさんは体調不良でリモート出演。出番の度にご丁寧にTシャツ(ネタ系文言入り)を着替えていた、サービス精神。最も多くノミネートしたので、オーガナイザーが「ebaくんが色んなところで大活躍していて嬉しい」と顔をほころばせていたのと、ebaさんが「今が楽しい」とはにかんでいたことに、なんだかグッと来てしまいました。

「一般アーティスト系のタイアップ」の立ち位置

選出基準としてOfficial髭男dismのようなメジャーなロックバンドは排除することも考えた、アニソン派関係者に対する忖度が見受けられる、VTuberの存在は無視できない、などの話を聞いていて、選ぶ側もルール設定が大変そうだなと思いました。好きな曲でも「どメジャーだから自分が入れなくても誰かが入れるだろう」という考えに捉われるなら、もはや何を基準したら良いのかわからなくなりそう。田代さんが、「最終的には俺の好きなアニソングランプリで良いのでは?」と言うようなことを言っていたけど、私もそれでいい気がする(笑)

ロックバンドのタイアップでも、アニメにぴったりな書下ろし曲もたくさんあるから、入れて良いのではないかと言う気持ちもあります。UNISON SQUARE GARDENなんてまさにそう。私はユニゾンファンになってから後追いで「TIGER & BUNNY」や「夜桜四重奏」を見ましたが、アニメの内容を知らなくても曲は楽しめるけど、知った方がより解釈が深まるから楽しさも倍増だと思いました。アニメファンは「アニメにぴったり!」って喜ぶし、ロックバンドファンもユニゾンらしい曲だって喜ぶし、ロックバンドファンでアニメにも興味がある私のような層も、「アニメにもバンドにもぴったり!」って喜ぶからみんなwin-win-win。

髭男の藤原さんは、アニメのみならずドラマの主題歌でも大活躍です。メロディーが極上な上に歌詞がちゃんとドラマと合っている。アニメ「SPY×FAMILY」の主題歌「ミックスナッツ」についても、アニメの解釈の深さについて「関ジャム」を始め方々で絶賛されているのを目にしました。

「アニソン派!おすすめプレイリスト」2022年秋クール編についてのオーガナイザーコメントに、「一般アーティスト系のタイアップに良い曲が多いのは音楽的なスキルの高さと作品読み込みの鋭さが起因していると予想します」とあるけれど、髭男もユニゾンもまさにそう言うことなのだろう。

作品に愛のあるタイアップ曲ではなく、アニメと全く関係のないタイアップについては、アニソンとは言い難い。JUDY AND MARYの「そばかす」が有名です。突如「るろうに剣心」のタイアップを依頼され、アニメを見る時間もないまま3日で仕上げたと言うエピソードがあります。「そばかす」は名曲ですが、アニメと全く合っていない。一時期、そういうタイアップが横行していたのかもしれないですが(その話題も出ました)、今の時代にそんなことやっていたら誰の得にもならないだろうと思います。

とは言え、オーガナイザーとしてはロックバンドのタイアップは別物として捉えたいという気持ちがあるのはわかります。そうじゃないと、アニソンをメインに活動している優秀なクリエイターさん達の受け皿がなくなってしまう。
そもそも「アニソン派!」は、「アニソンシーンで活躍するクリエイターたちが良質な楽曲をおすすめしていくべく立ち上がったプロジェクト」と言うことだから、ロックバンドを始め一般アーティスト系はなるべく後回しにしたいのは当然か。

てっとり早く話題になりたいからアニメ制作サイドが人気バンドを起用、色んなバンドにお声がかかって争奪戦に、という図式は、ずるいかもしれないけど仕方ないだろうな。

「カオスが極まる」について

「カオスが極まる」は、きっと田淵が嫌がるだろうからランクインしていないと思っていたので、グランプリ発表でイントロが流れた途端、場内が爆笑でした。田淵は案の定不満げな表情。クリエイター投票で「ミックスナッツ」とタイで最多得票だったそうです。不満顔のまま、「でも褒められるのは好きだから褒めて」と(笑)

個人的な気持ちとしては、「カオスが極まる」も大好きなのですが、「kaleido proud fiesta」も素晴らしい曲だと思っているので、どうしてランクインしなかったのかなという疑問がありました。何かしら条件外だったのかな。たまたまかな。

単純に考えられる理由として、放送時期の問題(投票時期に近い方が目に止まりやすい)、カオス(ブルーロック)は地上波、kaleido(タイバニ2)はネトフリなどがあるのかな。神田ジョンさんが、たまたま「ブルーロック」を見て、クレジットを確認できなかったけど(多分ユニゾンだと思ったけど)めちゃくちゃかっこいい曲だと思ったと推薦コメントしていました。地上波の方が多くの人に触れる機会が多そう。

投票するクリエイターさん達が何人いて、アニソン派とどれぐらい深い関係値の人達なのか知らないけれど、アニソン派に関わっているクリエイターは優秀に違いないから、忖度しても良い気もします(無責任発言)。グランプリが1曲だけだったらアレだけど、20曲もあるし。

ちなみに、オーガナイザー的には「某提供曲(伏せ)が入っておらずショック」と本音を見せたのも興味深かったです。私も入っていて良い気がしました。その辺りの基準は本当に難しそう、タイミングや運も関わってくるのかな。

オーガナイザーの司会っぷり

メインの司会は田代さんと田淵。私には「たっちレディオ」のコンビとしておなじみですが、たっちとはまた雰囲気が違って面白いなと思いました。たっちは緩いし、アニソン派は2人とも本職だしお金の発生するイベントだから当然かもしれません。たっちの方が身近な話題が多いから内容は理解しやすいけど、2人が話をしている雰囲気はアニソン派の方が好きかも。自分が知らない世界なので、余計にリスペクトを持って話を聞くことができるからかもしれません。

アニソン派の田淵にほぼ馴染みがないので、それも新鮮。楽しくお酒を飲んで、本編はともかく打ち上げはグダグダになるのかなと思ったけれど、そんなことはなかった。たくさんいるクリエイター達を入れ替わり立ち替わりステージに呼び、トークを仕切っていて、酔いながらも一生懸命に頭をフル回転させて喋っていてる様子を見て、すごい、かっこいいと思いました。田淵かっこいい。田淵かっこいい(何度も言うよ)(大事な〜略)。好きなものに対する愛情を感じました。あと私は田淵が一生懸命に何かを成し遂げようとしている姿が好きで、それに感動するのだと思います。

「僕は現地に来てくれるお客さんが愛おしいので」と話していたのですが、他の場では本心をあえて隠しているなと感じることもあるので、そんなにストレートに気持ちを言うんだ!と言う驚きもありました。今までに見たことのない一面に触れたような気がして、田淵ウォッチャーとしてはとっても得をした気分です。

配信終了後のオフレコトークでは、現地に来た人が「来て良かった」と思えるようにと、メディアを通しては話せないような印税のこと、業界のあれこれなどが話題として提供されました。
印税の話はふわっとでも知れて面白かったです、どういう感じなのかなとイチ音楽ファンとして気になるジャンルだったので。

他にも、これはメディア通しては絶対に話してくれないよね、っていう話題を田淵が普通に喋っていたのが貴重だなと思いつつ、そういうオフレコサービストークがなくても十分楽しいイベントだと思いました。
でも、そういった配慮を含めて田淵ってやっぱりホスピタリティの人だな、と強く感じました。お陰で余計に楽しめた気がします。

ちなみに、コメントを読み上げるのはあまり得意そうではなかったけど、そこは他の人に任せて良い仕事だと思いました。受賞楽曲のクレジット読み上げは夏川椎菜さん(録音)だったのですが、前回までは田淵が読み上げていたのかな。オーガナイザーがそこまで担うのは重荷だろう。

そう言えば前に見た田淵と夏川さんの対談動画、面白かったな。LiSAちゃんとかみかこしとか、女性アーティスト(提供対象)と話をしている時の田淵も好きです。DIALOGUE+ちゃん達との対談も面白い。プロデューサーとしての田淵に興味が沸くのだと思います。一番好きなのはライブ中の田淵だけど。


そんなわけで、アニソンについて少しだけ理解が深まった気がするし、とても内容が濃くて楽しかったので、また機会があれば参加したいと思いました。打ち上げまで参加すると気力と体力をかなり使うから毎回は無理だけど。配信参加も交えつつ、またかっこいい田淵を見に行きたいな。お酒に飲まれてグダグダな田淵でもいいけど(笑)

考えてみれば、田淵のトークを数時間に渡り聞くと言う経験がなかったので、それも贅沢でした。深夜帯はコンタクトを外してメガネになっていた、メガネ田淵好き、やばきゅんw

ちなみに本編は指定席で、打ち上げは自由席でした。本編は盛況で、背もたれのない簡易な椅子に当たってしまったので腹筋が鍛えられた(笑)
番号が悪いと見切れ席となり、「ステージが全く見えなかった」との感想を見かけました。それはちょっと嫌だな。

その昔ロフトプラスワンに行った時は、混雑するイベントではなかったのでテーブルもたくさん出ていてゆったりしていた記憶。アニソン派は人気なんだな。人が多いから、フードの注文を届けるスタッフさんが常に大忙し。今回は参加前にご飯食べちゃったからフード頼まなかったけど、今度は頼んでみようかなー。

04. 02/24 cinema staff Present"two strike to(2) night - 快⼑乱⿇の渋⾕編-"@O-East

w/UNISON SQUARE GARDEN

cinema staffの企画にユニゾンがお呼ばれ。飯田さんいわくキャパ1,600人のところに応募が4,000あったそう。私は先行で当たらなくて一般で滑り込み。呼び出しの状況からして1,300人ぐらいしか入れてなかったような気がします。段上や2階は激混みだったけど、フロアが意外とゆったりしていたので好きな場所に行けました。

開演前の辻くんのアナウンスで声出しOKが告知されたのもあって、大声で笑ったり歓声を上げられて開放感。適度にゆったりとしたこの規模の2マン、あーこういうイベント好きなやつー!って思って懐かしくて楽しかったな。ライブハウスで大切なのは開放感だと思うのよ。規制があるのとないのとでは大違い。

◆UNISON SQUARE GARDEN

2マンは持ち時間たっぷりあるから満足度が高いなと改めて思いました。ある程度の曲数が披露されると、1つのストーリーが見えるような気になるからかな。
セトリが好きでした、全然想像つかなかった。「場違いハミングバード」スタートの「ガリレオのショーケース」終わりって気持ちが良い。

ライブ後に三島さんのインスタを読んで、15年前の対バンで「ガリレオ」をやっていたことを知りました。そこまで田淵が意識してセトリに入れたのかわからないけど、そんなエピソードを聞くとそんな気もしてきます。

「世界はファンシー」から「カオス」までのターム、マイナー系で攻めるのが楽しい。「蒙昧termination」を聞くのが相当久しぶりで、びっくりするやら嬉しいやらで痺れました。数年ぶりな気がする、蒙昧ちゃん元気だったー!?って気持ちになっちゃう。ギターソロの切れっぷり最高で頭クラクラした。

そんな「蒙昧」との再会の余韻に浸っていたら、あのビートが聞こえて来て大喜び。あいつだよ「カオス」がやって来たよ、余韻からのサプライズだよ、今日の私のハイライトです。めちゃくちゃテンション上がりました。

「カオスが極まる」は、どの曲の次に置いたら最も映えるのだろうかという興味があります。スパッと終わる曲の次に置くよりも、今日の「蒙昧」みたいにアウトロをジャカジャカ引っ張っりつつ、さりげなくトラップビートと融合していく始まりが気持ち良いな。ツアーの「流れ星」も引っ張りつつ、でした。
またすぐにでも「蒙昧」からの「カオス」が聞きたいと思うものの、この繋がりはなかなか貴重だったかもしれない。
「カオス」は何度聞いても永遠に高揚が止まらない。声出しOKだったから、終わった後に「フー!」と声を出すことで、高まりを発散できて大変気持ち良かったです。はー楽しい。ただ、たまに音のバランスが今いちと思うことがあって、今日もそれは少しだけ。爆音だから調整が難しいのだろうか。

アグレッシブな攻撃タームが終わってしっとりターム、もしかして「Numbness like a ginger」が来ちゃったりして、と言う妄想は淡くも散りました。ツアー前の披露はさすがにないですかね。
「夏影テールライト」は大好きなんだけど、イントロのギターは何度聞いても「音、もっと重ねて欲しい」って思ってしまってすみません。音源のぶ厚さに慣れてしまっているせいです。
今日もサビのハモりが気持ち良かった。この曲のサビは私にとってハモリの方が主旋律。パトベジツアーの頃から比べて回数を重ねているからか、よりハモリが美しいハーモニーとなっている気がします。それにしてもハモりながら楽器操るの難しそう。

そこから「Simple Simple Anecdote」が来たのがとても意外、パトべジツアー以来ではないだろうか。この位置に突然来るんだ、という驚き。

最後のタームは花形スターが勢ぞろいという感じ。セッションから「オリオン」に入った時、何とも言えない爽やかな風を感じました。なんだろう、オリオンのイントロのギターの音色はいつもスペシャルに聞こえる。宇宙から突然舞い降りたスーパーヒーローみたいな。

「ガリレオ」のイントロで、田淵がベースも持たずにステージを駆けまわっていました。田淵が奇行に走る時は、それだけ気持ちが振り切っている時だと推測できるので、よっぽど楽しかったのではないかと思う。わかる(笑)

相変わらず3人とも楽しそうだったし、ユニゾンのライブを見ている時の自分が私は好きだなと思いました。それだけ色んなものから強制的に開放されるのだろう。

МCは、「cinema staffとは一時期よく対バンしていたけど、8年ぶり。打ち上げがすごくて有名、辻くんがキス魔。久しぶりに会ってドキドキした(←田淵が腹から声出して爆笑していた)、元カノみたいな(笑)」と言う爆笑トーク。

7年前ぐらいに私がユニゾンのファンになった時、過去情報を調べていたらシネマと付き合いがあることを知り、辻くんがキス魔と言うことは情報として知っていたのですが、生でこの話を聞く日が来るとは(笑)

場違いハミングバード
桜のあと
世界はファンシー
摂食ビジランテ
蒙昧termination
カオスが極まる

クローバー
夏影テールライト
Simple Simple Anecdote

セッション~オリオンをなぞる
fake town baby
シュガーソングとビターステップ
ガリレオのショーケース

◆cinema staff

もちろん存在は知っていて曲も聞いたことがあって、音楽好きの知り合い(趣味が似ている)に好きな人がけっこういるし、かっこいいことも知っていたんだけど、ライブを見るのは初めて。ライブを1回見ただけで、バンドが積み上げて来たものや歴史が伝わって来る、説得力のあるステージでした。初めて見るバンドが「かっこいいな」と思うことは多々あるけれど、「演奏した曲が全部好き」と思うことは、記憶を辿ってみてもなかなかない気がします。メロディーが良い、演奏が巧みで惹きつけられる、歌が上手くて色気がある、全てにおいて圧倒的なバンド力を感じます。

声出しが解禁になったら、演るのを楽しみにしていたんだろうなと思える1曲目は、シンガロングする曲でした。シンガロングパートがなくてもとても良い曲だなと思ったに違いないのですが、シンガロングがプラスされることで、ステージの上と下、混ざり合って色んな思いがフロアに溢れていて、その光景が印象に残っています。

曲によってはバックスクリーンに映像を背負っての演奏。ACIDMANを思い出す。ちなみにバンド名の由来が気になって調べたら、「ACIDMANの企画ライブ『Cinema』が由来」とありました。ネット情報だから確実じゃないかもしれないけれど、世代的にわかる気がします。映像もACIDMANに憧れてのことかもしれません。そう言えば、ユニゾンの宏介も、その昔尊敬するギタリストとして大木伸夫の名前を上げていましたね。

三島さんの独特なたたずまいに、何か惹かれるものがあります。しばしば繰り出されるシャウト(デスボイスちっく)には、無条件に拳を突き上げてしまう、熱狂に巻き込まれて快感でした。

三島さんの「ユニゾン考」が素敵。先日のVG1でTHE NOVEMBERSの小林さんも盟友としてユニゾンのことを讃えてくれていて、ファンとして嬉しかったけど、ユニゾンは昔からやっていることがブレていないんだろうな。私がファンになってからの年月でも、そのブレなさに心地の良さを覚えています。バンドを始めた頃から、その強みが変わらないというのは、当たり前のようですごいことなのではないか。

15年前、新栄クラブロックンロールで
UNISON SQUARE GARDENと共演した時のこと、
その時演奏していた『ガリレオのショーケース』の凄さを本当によく覚えている。
※なぜなら僕の二十歳の誕生日だったのである

ユニゾンの音楽、ライブは、なんというか
『思いついても絶対実現不可能』なはずのことを普通の顔でしていて
それを最初から最後まで自由にぶっ放し続けてるというか

一言で表すのは難しいのだが
とにかく最高に『オカシイ』のである。
クレイジーである、超いい意味で。

そして何よりホール規模になっても、それぞれの活動が増えても、
ユニゾンはやはり『バンドマン』であり続けている。
どう考えてもメチャクチャに、バンドなのだ。
最高にデカい背中なのである。

個人的にも、田淵智也という先輩は
今も昔とスタンスを変えずに
各所で恐ろしいクオリティの製作を続けており
なんというか、後にも先にもずーーっと高い壁であると
強く感じているわけである。
悔しくもあり、その100倍頼もしく、カッコ良い。

結局こういう気持ちが俺の源泉なのだ。
昔となんら変わらない。
悔しい、俺も、俺らもまだやれる、まだやりたい、その繰り返し。
昨日はユニゾンに。
セットリストラストの『ガリレオのショーケース』に。
そして超満員のお客さんに。
高らかに響く『HYPER CHANT』の歌声に。
長く続けてきたことで得られたアンサーをいくつかもらった。

でも、まだやりたいのだ。まだやれるのだ。
もっと返せるのだ。

三島さんは悔しがっているけれど、cinema staffも同じぐらいかっこ良かったんです。でも、悔しがれるって羨ましくもあるな。
長い付き合いで、全然違うベクトルの、圧倒的な実力を持つバンド2組。対バンの意味がそこにあるよなーとほくほくした夜でした。ロックバンド最高だね。

05. 02/27 VINTAGE ROCK std.×UNISON SQUARE GARDEN presents “VG” vol.2@ZEPP HANEDA

w/BIGMAMA , Lucky Kilimanjaro

ヴィンテージロック×ユニゾン企画のvol.2です。

◆Lucky Kilimanjaro

ラジオなどでよく曲を耳にしていて、機会があればライブを見てみたいと思っていたのでラッキーです。後のユニゾンMCで判明しますが、宏介がファンだから呼ぶことになったのかな。

夏の曲が多い。ZEPP HANEDAが野外フェスに早変わり、ここはフジロックのレッドマーキーかな、と言うような空気に染まりました。この空気を一瞬にして作り出してしまうパワー。リアルに野外で見たら、さらに楽しそうだと思いました。

ゆらゆら脱力できるイメージがあったけれど、シティポップ系で踊らされたり、思いのほかいEDMが強めでクラブっぽくなったりもして、音色が豊かで楽しかったな。

一気に曲を畳み掛け、MCらしいMCは最後に、退場する際に少し告知をするという流れも好きでした。

◆BIGMAMA

ライブ見るのがかなり久しぶりです。恐らくユニゾンのトリビュートライブ以来なのでは。もちろんビスたんになってからお初です。フロント4人がこんな風に横並びになる立ち位置だったっけ?カッキーってこんなにボーカルパート多かったっけ?金井くんとカッキーの声の相性、こんなに良かったっけ?と、何もかもが新鮮に思えました。記憶の中のBIGMAMAよりも、一回りも二回りも迫力があってかっこ良く、ライブ運びが上手いなぁと感動。私の記憶がポンコツなのと、彼らがこの何年かでますます進化を遂げたということもあるのだろう。激しいロックに流麗なバイオリンの組み合わせが、唯一無二のアンサンブルだと感じます。激しくも美しくて妖艶でうっとりする。

バンドの勢いに飲まれていたら、「Mr.アンディ」のイントロが始まってしまった。そうだ、すっかり忘れていた。ユニゾントリビュートは「Mr.アンディ」でした。CDでは何度も聞いているし、当時のトリビュートライブで1度聞いているはずなのですが、忘却の彼方のせいか「うそ!こんなにいかしたアレンジだったっけ?」と圧倒されっぱなし。こんなに激しいブラストビートだったっけ、むちゃ素敵。ぐんぐんと自由自在に変化していくスペイシーなアレンジ、最後に原曲に戻ってくるのが夢から覚めたみたいにドラマチックでドキドキしてしまった。

最後に披露された新曲「虎視眈々と」は、ロック色が強めでストレートに響いてきましたよ。

金井くんの未来日記、ユニークだなぁ。金井くんの文章好き。どうでもいいことですが、私がツイッターでふざけて宏介のことを「こうにゃん」と書くことがあるのは、金井くんがそう呼んでいたのを目にしたから勝手にパクっています。

◆UNISON SQUARE GARDEN

ラッキリもBIGMAMAも盛り上がっていましたが、主催者が登場すると「今日はユニゾンのワンマンでしたっけ?」と錯覚してしまうのはVG1の時と同じですね。3日前のcinema staffとの対バンと10曲中5曲が被っていたけど、対バン相手や配置によって印象がガラリと変わるのが不思議。

1曲目は短いセッションからの「BUSTER DICE MISERY」だったけれど、「マスターボリューム?」いや「ピストルギャラクシー???」と都合の良い早とちりをしてぬか喜び。多分ギターの鳴りのせい。「ピストルギャラクシー」がとても恋しいな。「マスターボリューム」も大好きです。ごめんね「BUSTER DICE MISERY」、君のことも嫌いじゃないよ。

でも大好きな「kid, I like quartet」が久しぶりで大喜び、そして「カオスが極まる」に繋がったのも意外。喜怒哀楽からカオスのパターンも勢いがあって良いかもしれない。でも、今のところマイベストコンボは「蒙昧termination」~「カオス」です。

「デイライ協奏楽団」も久々で嬉しい気持ち。コミカルでキュートな曲の雰囲気に、田淵の動きも連動するからさらにテンションが上がります。
2階席だったので、「世界はファンシー」のイントロで3人それぞれに違うカラーのスポットライトが上から当たるのとか、貴雄がスティックを思い切り放り投げて、予備をそそくさと足元から取り出して何事もなかったのようにプレイを続ける様子などが俯瞰で見ることができて面白い。
今日も「夏影テールライト」は爽やか。間奏のギターソロ、良い音。この前とちょっと違う、オクターブ上の音が強く聞こえるなぁと細かいところが気になる。気分でちょこちょこ変えていることに気づくのも楽しい。

個人的に「天国と地獄」はパトベジツアー以来だったので随分懐かしく感じました。1年以上は経っていることになります。一時期死ぬほどライブ率が高かった記憶なので妙な感覚。だからなのか、「田淵の動きが省エネになったのかもしれない」「無理しなくていいから」と余計なお世話なことを考えてしまう、田淵ウォッチャーだから。

「ライドオンタイム」をやったのは対バンがBIGMAMAだからなのは明白で(カバーしてくれている)、もしBIGMAMAのセットリストに「ライドオンタイム」が入っていたら、ユニゾンは「Mr.アンディ」をやったのかな、などとパラレルワールドを妄想。
「ライドオンタイム」は遠目から見る時の楽しみがあります。自分がミラーボールに近ければ近いほど、フロア全体が美しく煌めくので。最後に一瞬だけ暗転して、ぱっとミラーボールが点灯した瞬間の美しさにときめく。

アンコールは「シュガーソング」、とっても平和なラスト。イントロしょっぱなのギターがきゅいん!と可愛らしく響くとなんだかキュンと来ます。

宏介は、ライブの移動中によくラッキリを聞いているそう。今日はライブ前に生でラッキリを聞くことができて贅沢だ、と嬉しそうでした。「BIGMAMAについては特にいう事ありません(にやにや)」とふざけた後に、「世界で2番目に好きなバンド。1番目は…言わせんなよ」とリズム隊を指し示す。この場でXIIXの存在を匂わせない、完璧にユニゾンのギターボーカルを演じている、さすがです。さすが優秀なエンターテイナーです。

言語化できないのがもどかしいけれど、対バンがcinema staffだからこのセトリ、ラッキリとBIGMAMAだからこのセトリ、という筋が通っているような、美学が見えるような気さえするなぁと勝手に感じています。

BUSTER DICE MISERY
kid, I like quartet
カオスが極まる
Simple Simple Anecdote
デイライ協奏楽団
夏影テールライト
世界はファンシー
天国と地獄
ライドオンタイム

en.
シュガーソングとビターステップ

ユニゾンあるある、対バンしたバンドに「狂っている」と絶賛されがち(笑)

VG1に引き続き、今回も「最高じゃん!」って思える3マンでしたね。ただ、月曜からフルで仕事した後に3マンは堪える。2階席にして良かったと思いました。疲労感が違うので。2階席が外れたら欠席しようと思っていたので当たって良かったです。

VG3はスタンディングなので今から不安だよw 会場が会社から歩いていける距離なので、ちょっとだけ気楽です。久しぶりにGRAPEVINEを見るのが楽しみだから頑張れ私!フレーフレー私!

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