見出し画像

楽しくて嬉しい

※これは2023年11月11日発行の短歌同人『ねこくるよ』No.5に寄稿したエッセイです。

 バチェラー5という神作品を見た。小中学生の頃、あいのりを観るのが楽しみだったことを思い出した。恋愛リアリティショーを観るのはそれ以来だったが、人様の恋愛模様を観るのは何だかんだ楽しいと感じた。バチェラーは、複数名の参加女性と異国で旅をしたのち、3名に絞られた女性とともに帰国し、全員の家族と会うのだが、そこで印象的だった場面がある。家族と会った後、女性に向かってバチェラーが「楽しかった」と言うのだ。なかなかの衝撃だった。恋人(同然の人)の両親に初めて会って、「楽しかった」と言えるなんてすごいなと。私だったら緊張するし気を使うし、絶対言えない。そう言える人ってどれくらいいるんだろうか、と思った。
 そして、タイムリーなことにバチェラー5を鑑賞した数日後、実際に私の恋人が私の両親に会いに来たのだが、驚くことがあった。終わった後恋人に「疲れたでしょ?」と聞くと、「全然!むしろ楽しかったよ」と返されたのだ。びっくりした。私の好きな人は、恋人の両親に初めて会って「楽しかった」と言える人だった。涙が出そうになるくらい嬉しかった。同時に、気づいた。恐らく、恋人の両親に初めて会って「楽しかった」と言える人は、私が思っているよりずっと多いんだと。私が知らなかっただけで、大切な人の大切な人たちに会うことは、楽しくて嬉しいことなんだと。私が恋人の両親に会うのはこのエッセイを書いた後だけれど、きっと「楽しかった」と言えると思う。そう思わせてくれる恋人のことが大好きで、ずっと大切にしたいと思った。

最後までお読みいただきありがとうございます。いいなと思ったらサポートしていただけるととても励みになります(記事の下にリンクがあります)。スキ、シェアだけでも嬉しいです!よろしくお願いします……!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?