鏡合わせのアルファルド

暗い星々に吸い寄せられたのは 夜に惑う僕
鴉が落とした風羽根で 君に書く手紙は 虚構
毒付いた花々 群がる蝶々
むせ返るほどの鱗粉 瞳に 孤独が 乱反射した

3段ケーキは斜塔 傷口から蝋が溢れ出したら
君に渡したかった言葉 怯えに変わって 霧散
いつだって 本音は 瞬きの合間に 零れ落ちる
メレンゲで出来た翅が 型抜かれて 消えゆく

月の光さえ届かない 閉じた世界で
君が酸素と反応する音を 思い出していた
闇に葬り去った 怯える唇は ベルベットの光沢
あと少しで 君と僕とで結んだ星座が 沈む

流し込む銀色の絵の具で ずっと 夢を見ていた
君に見えていたのは 海蛇の水泡 邪神の涙
滲んだ光 薄曇りの天球
細めた目に 浮かぶのは何
藍色の空が また一夜 色を失くして 明ける

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