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書評・チェイサーゲーム
江戸後期の歌人にして僧侶、良寛和尚には嫌いなものが三つあった。ひとつは歌詠みの歌。ひとつは書家の書。ひとつは料理屋の料理、と。
のちに芸術家、北大路魯山人が『料理芝居』と題した文の中でこれを引用し
「料理人の料理とか書家の書というようなものが、いずれもヨソユキの虚飾そのものであって、真実がないからいかんといっているに違いない。つまり、作りものはいけないということだ」
と説いた。
しかし同時
書評・エンターテインメントという薬
シェイクスピアの喜劇『夏の夜の夢』の終幕、悪戯好きの妖精パックが観客に告げる口上は有名である。
われら役者は影法師、皆様がたのお目がもし
お気に召さずばただ夢を、見たと思ってお許しを。
つたない芝居でありますが、夢にすぎないものですが、
皆様がたが大目に見、おとがめなくば身のはげみ。
私パックは正直者、さいわいにして皆様の
お叱りなくば私もはげみますゆえ、
皆様も見ていてやってくださいまし。