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あなたの人生を変える1冊 vol. 3

他人の話って、すごく面白い事がありますよね。我々一人一人、それぞれが自分自身のストーリーを持っていますよね。それをどうやって他の人に自分が体験した様に伝えられるか? もし、そんなスキルがあれば、人生楽しくなりそうじゃないですか? 人の話を聞いて、感動した。良い気持ちになれた。そんな話が出来たら、良くないですか?
私が読んだ、Matthew Dicksさんが書いた ”Storyworthy" (価値あるストーリー: ストーリーテリングの力)  には、実際にあなたが今日から出来るあなたの物語を語る力を養う方法が詰まっています。誰でもユニークなストーリーはありますよね?それを鮮明に、あなたがその時に感じた感情までも、vividに伝えられる事が出来るとしたら?
古代、我々人類はエンターテインメントの一つとして、ストーリーテリングを行ってきました。何千年前は、テレビもラジオも無かったので、これは大きなエンターテインメント。想像してください。何千年も前、焚火を囲んで、食べ物を食べながら仲間たちがそれぞれのストーリーに聞き入っている。どれだけその物語を鮮明に、興味深く伝えられるか。今とは比べ物にならないくらい真剣だったのではないでしょうか。唯一のエンターテインメント。昔はもっとストーリーテリングは大きなものだったのではないでしょうか? 室町時代から江戸時代にかけて、御伽衆という職業があったのをご存じですか? これもいわゆるエンターテインメントとしてのストーリーテリングです。話し上手、経験豊富という方が選ばれたみたいですね。
漫才やコメディではないのですが、Moth(蛾)という団体があります。これはストーリーテリングのスキルを競うコンテストを主催していて、New York が中心ですが、全米各地でこの大会を行っています。内容。トーン。スピード。時間等、様々な点でストーリーテリングを評価するのですが、Matthewさんはこの大会で何度かグランドスラム(総合優勝)をしています。そのMatthewさんがいうのは、”すべての偉大なストーリーは、人生の5秒間をどれだけ鮮明に語れるかだ” と言っています。たった5秒間。あなたの生きてきた人生の中で、鮮明に思い出せる5秒間はありますか? 思い出せないのであれば、見つけられる方法があります。
Homework for Life (人生の宿題)と命名されている手法で、毎日5分でも良いので、今日あった事をとにかく書いてみる。頭に浮かんだことを次々と書いてみる。どんな感情だったか、何を言われたか、誰に会ったか、どう思ったか、など。これ実際にやってみると、瞑想みたいな感じなんですよね。どんどん新しい感情が湧いてきて、自分を見つめなおせるというか。これを何日も続けていくと、より鮮明に自分の記憶を呼び覚ます事が出来ます。
1行でも一言でも良いので、スプレッドシートに毎日書いてみてください。あなた自身の驚きの発見があるかもしれません。Matthewさんは、これをすることによって、絶対に喧嘩はしない仲の良い奥さんと喧嘩をしている事に気づいたそうです。ただし、奥さんはMatthewさんが怒っている事に気づいていない。というのは、怒りの表現の仕方が、芝刈り機を乱暴に押したり、エアコンを直す時にわざと大きい音で叩いたり。やりたくない家事をやる時にこういう分かり辛い怒り方をしているのに気付いたそうです。やってみてください。あなた自身についての新しい発見があるかもしれませんよ。
Matthewさんは、ある5年前に記録した1行を見た時に、すごい体験を思い出したそうです。その1行とは… ”ケイリーを散歩した。午前2時。下着。鳥。雨。美。” わけわかりませんよね。しかし、Matthewさんは自分が5年前に書いた事1行を読んで、その出来事を鮮明に思い出したのでした。ケイリーという犬を午前2時に散歩していたら、(午前2時だからストリートには誰も居ないと思って下着で外出)多くの鳥が元気よく歌いだした。そしたら次の瞬間、ノアの箱舟の洪水みたいに雨が降り出したそうです。大雨が来るのが分かったから鳥が鳴き始めたんですね。ずぶ濡れになったんですが、その光景が美しく、今は亡き愛犬の顔を見ながら、その瞬間を楽しんでいる自分をこの1行を見た瞬間に思い出したそうです。まるで、その瞬間をもう一度、リアルタイムで体験しているかのように。
これはMatthewさんにとって、2度と忘れられない経験、ストーリーになったという事です。このようなストーリーは、日常の何気ない事から生まれてきます。このHomework for Lifeを毎日行うにあたって、Matthewさんは、毎晩下記の質問をしているそうです。”今日のストーリーは何かな? 今日起こった事で、今までの日と異なるようにする事は何だろう?” その答えを書くそうです。簡単ですよね。こうやって一日を振り返って、見て、記録していくと、時間が遅く感じ始めるらしいです。そしてもっとリラックスした生活のペースになるそうですので、ぜひやってみてください。
そして同じ話でも、あなたの時間や経験によって、どんどん変わっていく。過去に起こったことを人間は変える事が出来るという事を知っていますか? 嫌な事も良い事に変える事が出来る。要するに全部自分のとらえ方なんですね。
Storyworthy。この本、本当に面白く、私もストーリーテリングの虜になりましたが、スキルはまだまだなので、書かれている事をやってもっと精進したいと思います。自分の人生をもっとスローダウンして、解像度を上げて見れる様に、HomeWork for Life をやってみませんか?


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