サロメの舞台にて_ヨルダン
はじめてのヨルダン旅行で行きたいところは3箇所あった。
ひとつは言わずと知れたペトラ遺跡
赤い砂漠のワディラム
そして、大好きなサロメの世界に浸れる、ムカーウィルの遺跡。
わたしが行った当時は、ムカーウィルを含んだ現地のツアーはなくて、最初から1日タクシーチャーターにした。
アンマンから、マタバのキリスト教寺院をいくつか見て、ムカーウィルに行き、最後は死海に行く1日ツアー。
マタバから、どんどんと両岸はげ山の中を登って行く。
車はほとんど通らない。
乾いた世界が広がる。
最果てだ。
神にすがりたくなる一神教がこの地で栄えた理由もなんとなくわかる。
そして、突然現れた。
運転手から合図をもらい車窓からムカーウィルを眺める。
ポツンと山の上に宮殿跡が見える。
そこだけ孤立してる。
あの場所で、サロメはヨカナーンの首を所望したのか。
継父のヘロデ王に。
妖艶な踊りを披露して。
遺跡にはわたししか観光客はいなくて、さあ、行ってこい、と、送り出される。
向かいの遺跡まで1本道をてくてく歩く。
見た目はとても遠く感じたけど、歩いたら15分くらいで遺跡に到着した。
孤立した山の頂上で、とにかく風が強くて、
この世界にわたしひとり
という感覚を強く感じた。
この場所で、彼女は踊ったのだ。
愛する男を自分のものにするために。
当時も風は強く吹いていたのだろうか。
風で衣装を舞い上がらせ、さらに妖艶さを増しただろう。
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