ビジネスホテルに元気もらいました。
仕事柄、ビジネスホテルに泊まる事が多い。
今回の出張は大阪だ。本当なら仕事先の最寄駅や、アクセスし易い中心地にあるホテルが便が良いのだが、この時期、人の多い所をウロウロするのもなんなので、新大阪駅近くのホテルにした。
駅から徒歩10分弱のそのホテルは、わかりやすい場所にあるわけでもなく、オフィス街の中に隠れるようにポツンとたっている。
そのホテルを選んだ理由は、大浴場があるからだ。
私は出張先の地元の居酒屋で一人で軽く一杯、が出来るタイプではない。缶ビールやら食料を買い込み、お風呂に入った後に部屋で一人、プハーッとやるのが出張時のささやかな楽しみだ。
最近のビジネスホテルは、外国人観光客も多いせいか大浴場や温泉のある所が増えている。これがあると無いでは出張の意味が全然違ってくる。
更に今回は特別だ。この時期、観光客はおらず、更に、ビジネスユースの客も少ない。
となると、、、
ホテルは気の毒だが、女風呂は完全貸切状態なのだ。
わーい!
ほんと、泳げるんだから。注)実際には泳ぎません
今回のホテルは、温泉ではないものの、モダンできれいな広々としたお風呂。脱衣所にはマッサージチェアまである。ドライヤーはダイソン製〜
あぁ、夢のよう。
今回の滞在でお風呂3回入った。
元気になった理由はこれだけではない。
チェックインした際、翌朝の朝食の時間を訊かれた。バイキングなのに、なんで時間を訊かれるんだろうと思ったが、翌日の仕事は遅めのスタートだったので、「8時半位です」と答えた。
そして、翌朝、1階の朝食会場へ。
オープンなスペースに気持ちよく整えられたそこに、お客さんは私一人。
バイキングとはいっても、各自で取り分けるわけじゃなく、ホテルのスタッフの方がよそってくれる。
ご飯と味噌汁、サラダ。惣菜は、それぞれを小さな小皿に乗せて渡してくれる。なんか恐縮しながら、色々お盆に乗せているうちに、スタッフの方が笑顔で言う。
「今、鳥の唐揚げと天ぷらがまいります。揚げたてですから」
ひ、ひぇ。
朝からそんなに食べられないよ。
すぐにそれはやってきた。
見栄えのためにはある程度の量も必要だ。唐揚げやら天ぷらがこんもりと大皿に盛られている。
持ってきてくれたのは今これを揚げた料理人の方。さつまいも、椎茸、いんげん、ヤングコーン、生姜、その他色々、天ぷらの種類を自ら説明して下さる。
まさかこの揚げ物のために昨晩、時間を訊かれた??
えぇ、頂きましたよ。
唐揚げ一個、野菜の天ぷら数点。揚げたてはサクサクして、とっても美味しかった。
サーブしてくれた方を含めスタッフ3名。至れり尽くせり。私一人のために。
それも皆さんニコニコしてるの。「お気を遣わせてたら申し訳ありません」とか言ってくれて。(私が揚げ物ちょっと無理したのバレてる)
もう、泣きそうになった。
目の前のお客さんのために出来る事を精一杯やるってこういう事なんだな。
※ちなみに、2分後くらいに、他のお客さんが来て、その揚げ物は私のためだけのものじゃなかった事が無事判明。ほとんど人気を感じなかったが、その日、私以外にも数組のお客さんが泊まっていたと思う。
コーヒーをお代わりして、久々にゆっくり朝食を頂いた。そして思った。
私も頑張ろっと。
大阪に出張する時は、またここに泊まろう。
その時は、外国人観光客もいてもっと賑やかである事を願う。今回と同じサービスは受けられないかもしれないけど、でもきっと、また来ます。
元気もらいました。
とりのこ
本当は小説が書きたいです。